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2013-12-23

【マリ】議会選でケイタ大統領与党・マリ集会が勝利

8月に大統領選挙が行われ民政移管したマリで、議会選挙(定数160、小選挙区2回投票制が基本)が行われた。なお第1回投票は11月24日に、決選投票は12月15日に行われた。その結果、ケイタ大統領の率いるマリ集会(RPM、社会主義インター加盟政党)が他党を大きく引き離し、単独過半数には及ばなかったものの勝利を飾った。大統領選で2位だったシセ元財務相の共和民主主義同盟(URD)は大きく引き離され、マリ民主主義同盟-自由・正義・連帯のための汎アフリカ党(ADEMA-PASJ、社会主義インター加盟政党)が決選投票で巻き返し第2党となった。この結果、民主社会主義勢力が議会の過半を押さえることとなった。

しかし今年のアザワド分離独立宣言とアルカイダ系の浸透、これに対するクーデターとオランド社会党政権主導のフランス軍の介入作戦による民主主義回復というプロセスのなか、投票率は40%未満と低迷した。とはいえ、一時は国家崩壊の危機に瀕したマリでここまでの選挙が半年で実施されたことそのものを評価する声もある。

詳しい選挙結果は次のとおり。

マリ集会 61
マリ民主主義同盟 20
共和民主主義同盟 18
刷新緊急オルタナティヴ勢力 5
マリ発展結集 5
民主イニシアティヴ国民会議 4
民主独立アフリカ連帯 4(共産主義政党)
マリ連帯同盟 4
その他・無所属 18
在外議席(未集計)13

マリ集会 Facebookページ(フランス語が基本)
https://www.facebook.com/pages/Rassemblement-Pour-le-Mali-RPM/104589129625315
マリ民主主義同盟-自由・正義・連帯のための汎アフリカ党 公式サイト(フランス語)
http://www.adema-pasj.com/

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2013-12-19

【ドイツ】大連立政権が成立

17日、ドイツ連邦議会(下院)でメルケル首相が正式に再任され、キリスト教民主=社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD、社会主義インター加盟および「進歩同盟」中核政党)の大連立政権が成立した。

14日までの一般党員投票で大連立に7割以上の賛成を得たSPDからはガブリエル党首が副首相兼経済・エネルギー相に就任したほか、シュタインマイヤー前外相が外相に返り咲き。さらに環境相ポストを獲得し、メルケル首相が打ち出した脱原発政策においてSPDが重要な役割を果たすこととなった。

いっぽうCDUからは堅実な緊縮財政政策を担ってきたショイブレ財務相が留任したほか、女性初の国防相として7児の母でもあるライエン前労働社会相が抜擢され「サプライズ」人事と受け止められている。すでにメルケル首相の後継者視する報道もみられる。

政党別の閣僚ポスト配分は、CDU7、SPD6、CSU3となった。

ドイツ社会民主党 公式サイト(ドイツ語)
http://spd.de/

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2013-12-18

【チリ】バチェレ氏が大統領返り咲き

15日、南米チリで大統領選の決選投票が行われ、社会党(社会主義インター加盟政党)のバチェレ前大統領が右派同盟のマテイ前労相を破り、返り咲き当選を決めた。

バチェレ前大統領は4年前までチリ初の女性大統領として中道左派政権を、8割にも達した高い支持率で率いていたが、ピノチェト軍事独裁政権の苦い経験から大統領の連続再選を認めない現憲法の規定により退任、右派同盟に支えられる国民革新党のピニェラ現大統領への政権交代を許していた。

しかし4年後の現在になっても大統領として年金制度を充実させた実績などで国民からの高い人気は衰えず、今回の選挙もピニェラ政権後半の経済政策への世論の批判の高まりなどもあり終始優位に展開。第1回投票での当選にはぎりぎり及ばなかったものの、決選投票は6割以上の得票で楽勝となった。なおチリでは今回選挙から義務投票制が廃止され、バチェレ前大統領の優勢が明らかだったため投票率は伸びず、第1回投票は50%前後、決選投票は約40%強にとどまった。

バチェレ前大統領 公式サイト(スペイン語)
http://michellebachelet.cl/
チリ社会党 公式サイト(スペイン語)
http://web.pschile.cl/

#バチェレ新大統領についてはこれまで出自(ドイツ系、バスク系など)を尊重するチリの伝統的慣習に鑑みフランス語系の「バシュレ」「バシェレ」と表記してきましたが、現地で現在「バチェレ」と発音することが確認できましたので変更します。

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2013-12-12

【イタリア】レンツィ・フィレンツェ市長が民主党党首に

イタリアの最大与党・民主党(「進歩同盟」加盟政党)は8日に書記長(党首)選挙を一般有権者にも開かれた公開投票で行い、党内若手で中道寄り改革派のレンツィ・フィレンツェ市長を新書記長に選出した。

レンツィ市長は38歳。前回書記長選挙でベルサーニ前書記長を相手に善戦して注目を集め、党内若手の中軸的存在となっていた。路線的には民主党の前身である左翼民主党(旧共産党)やキリスト教民主党左派の「大きな政府」的な労組・福祉重視路線とは一線を画し、中道左派ながら中道寄り構造改革路線を進めると予想される。このため若手であることも併せて、ブレア元英首相に重ねる報道も多い。書記長選挙では他の2候補を圧倒した。

レンツィ市長は現在、国会議員ではないためレッタ内閣には入閣しないが、暫定大連立内閣の色彩が強いレッタ内閣に対し、次期総選挙に向けた民主党の首相候補として党内の体制固めに辣腕を振るうことになるとみられる。

なおイタリア議会上下両院は11日にレッタ内閣の信任投票を改めて行い、両院で信任を得た。上院議員資格を剥奪されたベルルスコーニ元首相は自派を右派「自由の人民」から離脱させて「フォルツァ・イタリア」を復活させたものの、アルファノ前「自由の人民」幹事長が「新中道右派」を結成して連立与党に残留し「自由の人民」は分裂、レッタ内閣の信任を阻止できず、ベルルスコーニ派や中道右派の影響力低下が鮮明になった。いっぽう「現在のイタリア政界をレンツィ、ベルルスコーニ、(「五つ星運動」の)グリッロの、いずれも国会議員でない3氏が牛耳ることになる」と懸念する意見もみられる。

民主党 公式サイト(イタリア語)
http://www.partitodemocratico.it/

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2013-12-10

【インド】5州議選で国民会議派が大敗

8日から9日にかけて11月から今月初めに行われた北インドの東西にまたがる5州議会議員選挙(いずれも小選挙区制)の開票が行われ、国民会議派(「進歩同盟」参加政党)の退潮が明らかになった。

焦点となった首都デリー都議選(定数70)では、女性宰相としてデリー都政を担ってきたディクシット都首相率いる国民会議派が43議席を8議席に減らす大惨敗。代わってヒンズー至上主義のインド人民党(BJP)が第1党となったが、それ以上に注目されたのが新党・アームアードミ党(AAP)の大躍進だった(アームアードミはヒンディー語で「普通の庶民」といったニュアンス)。同党は強硬な反汚職主義や脱中央集権を掲げる政党で(イタリアの「五つ星運動」やパキスタン正義運動に類似する)、反汚職・反政府活動家として近年のインドで著名になっているアンナ・ハザレ氏の活動の流れを汲む。AAPのケズリワル党首もディクシット都首相と同じ選挙区に立候補、鮮やかにディクシット都首相を破った。

西部の砂漠地帯ラジャスタン州議選(定数200)でもゲフロト州首相率いる国民会議派が96議席を21議席に減らす大惨敗。代わってインド人民党が議席を倍増させ過半数を獲得し地滑り的勝利、ラジェ前州首相の復帰が確実な情勢となった。なおラジェ前州首相は中部グワリオールでのマラータ王国(ムガル帝国に対抗し、最終的に英国に屈服した王国)時代からのマハラジャだったシンディア家出身の女性だが、亡弟は国民会議派の閣僚経験者で、その息子である甥は同じく国民会議派の現職下院議員。しかし両者の関係は悪くなく、シンディア家は現在では「政党をまたがる王家」としても知られる。

中部マディヤ・プラデシュ州議選(定数230)ではチョウハン州首相率いるインド人民党が議席を伸ばし、過半数を維持して危なげない勝利を飾った。

中東部チャッティスガル州(定数91)では極左・毛沢東主義者(ナクサライト、ナクサルワディ)の攻撃が激しいなか、ナクサライトの勢力の強い地域と弱い地域に分けて治安部隊を移動させる形で選挙が行われ、シン州首相率いるインド人民党と国民会議派の接戦となったが、インド人民党が議席を減らしながら過半数を維持して逃げ切った。この結果、シン州首相が再任される見通し。

インド最東部辺境、ミャンマーとの国境にあたる部族州のミゾラム州議選(定数40)では今回の5州議選で唯一、国民会議派が勝利を飾った。なお同州は部族へのキリスト教布教が成功したためインドには珍しいキリスト教州であり、モンゴロイドのミゾ族が圧倒多数を占めるなど「典型的なインド」とは程遠い。

今回の結果は国民会議派に不利なものとなったが、2003年秋に行われた州議選で国民会議派の敗北、インド人民党の勝利を受けて04年に当時のインド人民党のバジパイ首相が総選挙に望んだところ、予想外のインド人民党の敗北に終わりマンモハン・シン首相の誕生に至った10年前の出来事もあり、またインド人民党優勢と判断するにはアームアードミ党の躍進など不確定要素もあるため、半年後に迫った来年の連邦下院総選挙の結果を占うには時期尚早であるとも言える。

各州の選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

【デリー都】
インド人民党 29(+6)#
アームアードミ党 28(新党)
国民会議派 8(-35)
アカリ・ダル 3(+3)#
ジャナタ・ダル統一派 1(+1)
無所属 1
#インド人民党とアカリ・ダルは複雑な選挙協力を行ったため、別の数字が報じられる場合もある。

【ラジャスタン州】
インド人民党 162(+84)
国民会議派 21(-75)
国民人民党 4(新党)
大衆社会党 3(-3)
国民統一ザミンダール党 2(新党)
無所属 7
(選挙延期 1)

【マディヤ・プラデシュ州】
インド人民党 165(+22)
国民会議派 58(-13)
大衆社会党 4(-3)
無所属 3

【チャッティスガル州】
インド人民党 49(-1)
国民会議派 39(+1)
大衆社会党 1(-1)
無所属 1
(任命議席 1)

【ミゾラム州】
国民会議派 32(±0)
ミゾ国民戦線 5(+2)
無所属 1
(未確定 2)

インド国民会議派 中央委員会 公式サイト(大半は英語)
http://aicc.org.in/

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2013-12-08

【おくやみ/南アフリカ】マンデラ元大統領が死去

5日、南アフリカのマンデラ元大統領が死去した。95歳の高齢だった。

1918年生まれ。青年期よりアフリカ民族会議(ANC、現在は社会主義インターに加盟)に加わり、南アフリカの人種隔離政策(アパルトヘイト)強化に強く反発、ANC武装闘争部門の指揮官となる。しかし当時の南アフリカ白人政権に62年に逮捕され、64年に終身刑の判決を受け、90年まで27年にわたって収監される。しかし獄内で人間性に対する洞察を深めた彼は闘争の軸を非暴力に転換、89年にアパルトヘイト政策の廃止を目指すデクラーク大統領と獄内で会談、翌年初めにANCの合法化とともに釈放され、白人への復讐のない国民融和の政治活動に取り組んだ。これらの実績により93年にはデクラークとともにノーベル平和賞を受賞した。

94年に南アフリカ初の全人種選挙が行われ、約3分の2を得て第1党となったANCはアパルトヘイトの支柱だった保守政党・国民党(NP)、ズールー族保守王党派のインカタ自由党(IFP)と暫定憲法の規定に従い連立政権を組み、議会はマンデラを新生南アフリカの初代大統領に選出、白人と黒人および黒人間・民族部族間の融和と格差是正に積極的に取り組んだ。99年、任期切れに伴い1期で大統領を退任した。その後も「国父」として、息子のエイズでの死亡などアフリカの抱える深刻な社会問題に対して精力的に発言を行っていたが、齢90を越えた近年はさすがに衰えを見せていた。2010年南ア・サッカーW杯の閉会式出席が公式の場に姿を見せた最後となった。

南アフリカ政府の追悼式典は10日に行われる。53ヶ国の政府首脳級が出席の模様。日本からはインド訪問を終えられたばかりの天皇陛下に代わり、皇太子殿下が弔問の使者となる。

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2013-12-02

【ネパール】制憲議会選で会議派・統一共産党大勝、毛沢東主義派凋落

11月19日に行われたネパールの第二期憲法制定議会議員選挙(601議席、小選挙区比例代表並立制)は、ネパール会議派(NC、社会主義インター加盟政党)と統一共産党(CPN-UML)という王制時代の二大政党が議席を伸ばして両党で3分の2をうかがう勢いとなり、代わって第一期憲法制定議会で第1党となり議会を主導した共産党毛沢東主義派(マオイスト、マオバディ)が大敗する情勢となった。

ヒマラヤの険しい山が深い国土や頻発する再選挙のため開票作業には時間がかかっているが、240の小選挙区のうち会議派が現在までに105議席、統一共産党が91議席を獲得、26議席しか獲得できなかった毛沢東主義派に大差をつけた。毛沢東主義派は、首都カトマンズでプラチャンダ議長の落選が決まるなどの凋落ぶりだった(なおネパールでは1候補者が2つの選挙区から立候補できる。この規定はインドほか南アジア諸国に多い)。残り18議席は小政党や無所属が獲得する見通し。前回選挙で躍進がみられた南部(インド国境付近)の住民「マデシ」勢力は分裂したこともあり、今回は目立たなかった。
335議席の比例代表の開票は遅れているが、会議派が90議席以上、統一共産党が80議席以上を獲得する勢い。毛沢東主義派は50議席程度との予想。ほかに旧王党派・国民民主党ネパールが20議席を上回る勢い。結果として会議派は200議席をうかがい、統一共産党も僅差で続いている。両党での3分の2獲得は微妙だが、協力する小政党との合計であれば3分の2の確保は確実とみられる。なお小選挙区・比例代表以外の残り26議席は選挙後の任命議席。

ネパール内戦を戦ってきた毛沢東主義派は前回の憲法制定議会選挙では事実上の新党・新勢力として、汚職に染まっていないクリーンなイメージで大躍進したが、第一期憲法制定議会の間にネパール政局を混乱させたうえ既成政党化し、党幹部の贅沢な暮らしが報じられるなどしていた。これに失望した有権者が旧二大政党への回帰による安定志向を起こすこととなった。会議派、統一共産党はそれぞれ議席を倍にし、いっぽう毛沢東主義派は議席の3分の2を失う惨敗となった。

今回選挙の結果、二大政党が提携し、会議派を主導したスシール・コイララ総裁(故コイララ元首相の甥)と統一共産党のカナル議長(元首相)が要職に就くものとみられる。また、新憲法の制定も事実上、両党の合意でなされる見通し。

なお毛沢東主義派は文革期の流れを汲む極左勢力で、当時の鄧小平ら「走資派」の流れを汲み現在の国家資本主義化している右派共産主義の中国北京政府とは必ずしも関係が良好ではない。ただプラチャンダ議長が首相に就任した時期には一定の関係改善を図る動きもあったが、党内には極左強硬派の反対論も根強かった。選挙中には毛沢東主義派から離れた極左強硬派による爆弾騒ぎなど選挙妨害もみられたが、全体として選挙の趨勢に大きな影響はなかった。

ネパール会議派 公式サイト(英語・ネパール語)
http://www.nepalicongress.org/

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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