2006-08-19
【チェコ】保守・トポラーネク氏を首相に指名
6月初めの選挙後ずっと連立政権樹立の交渉が続いていたチェコで、クラウス大統領(保守系・市民民主党出身の初代首相)は市民民主党のトポラーネク党首を首相に指名した。トポラーネク氏は保守・市民民主党(81議席)、中道右派・キリスト教民主同盟(13議席)に加え、環境派の緑の党(6議席)で国会下院定数200議席のちょうど半数にあたる100議席を確保した。
だが首相として議会の信任を得るには過半数(101議席)の支持が必要で、74議席を獲得し第2党にとどまった中道左派の前与党・社会民主党との何らかの協定が不可欠となる(なお残り26議席は共産党)。チェコでは過去、中道右派連合が過半数を割った際に社会民主党に下院議長ポストを譲って政権運営に協力を得た実例もあるが、今回は社民党が任期半分の2年で政権を切り上げることを要求しており、トポラーネク党首はこれを拒否する姿勢。今後の下院における協力体制の成否、または連立組み替えの可能性が注目される。
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ドイツや他の欧州諸国と異なり、緑の党が中道右派連立に加わったのが社民党には誤算だったようです。自己改革して民主社会主義や社会民主主義を掲げ、社会主義インターにも加わった旧東欧諸国の多くのもと共産党と異なり、共産党の名称とイデオロギーを維持するチェコ共産党にも問題があるのかもしれません。社民党+共産党+緑の党で過半数(106議席)ですからね。
だが首相として議会の信任を得るには過半数(101議席)の支持が必要で、74議席を獲得し第2党にとどまった中道左派の前与党・社会民主党との何らかの協定が不可欠となる(なお残り26議席は共産党)。チェコでは過去、中道右派連合が過半数を割った際に社会民主党に下院議長ポストを譲って政権運営に協力を得た実例もあるが、今回は社民党が任期半分の2年で政権を切り上げることを要求しており、トポラーネク党首はこれを拒否する姿勢。今後の下院における協力体制の成否、または連立組み替えの可能性が注目される。
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ドイツや他の欧州諸国と異なり、緑の党が中道右派連立に加わったのが社民党には誤算だったようです。自己改革して民主社会主義や社会民主主義を掲げ、社会主義インターにも加わった旧東欧諸国の多くのもと共産党と異なり、共産党の名称とイデオロギーを維持するチェコ共産党にも問題があるのかもしれません。社民党+共産党+緑の党で過半数(106議席)ですからね。
2006-08-05
【ウクライナ】ヤヌコビッチ氏が首相返り咲き、オレンジ路線挫折
3月26日の総選挙後に首相人事で合意できずにいたウクライナ最高会議(国会)は4日夜、親欧米派のユーシェンコ大統領の指名により親ロシア派のヤヌコビッチ元首相を新首相に承認した。新憲法の規定に基づきユーシェンコ大統領は外相と国防相を留任させ、その他の閣僚をヤヌコビッチ新首相が指名して、ヤヌコビッチ内閣が正式に発足した。
ヤヌコビッチ新首相はクチマ前大統領の後継者としてユーシェンコ大統領と一昨年の大統領選挙を争った「オレンジ革命」のいっぽうの主役。新憲法で大統領権限が外交・国防分野などに制約されたことにより、親ロシア派政権がロシア語公用語化の要求など内政面を中心に実質上、復活することとなった。
3月の総選挙後に一時、ユーシェンコ大統領派と急進的なティモシェンコ元首相派、社会党の「オレンジ革命」3党が連立で合意したが、モロズ党首の最高会議議長ポスト就任を求める社会党が離脱しヤヌコビッチ氏の「地域党」陣営に寝返ったことで形成逆転。ヤヌコビッチ新首相の主導で新連立が形成されることとなった。ユーシェンコ大統領は親ロシア政権の復活を警戒し最高会議の解散・再選挙の可能性もにらんでいたが、最終的にはヤヌコビッチ首相の復帰を容認することになった。
新政権は最大会派であるヤヌコビッチ新首相の「地域党」を軸に第3会派のユーシェンコ大統領派、第4会派の社会党、それに第5会派・共産党を加え親欧米・親ロシアの対立を超えた4派による大連立となった。いっぽうオレンジ派のなかの急進派で第2会派のティモシェンコ元首相派は今回の逆転連立劇を厳しく批判、野党に回ることとなった。
ヤヌコビッチ新首相はクチマ前大統領の後継者としてユーシェンコ大統領と一昨年の大統領選挙を争った「オレンジ革命」のいっぽうの主役。新憲法で大統領権限が外交・国防分野などに制約されたことにより、親ロシア派政権がロシア語公用語化の要求など内政面を中心に実質上、復活することとなった。
3月の総選挙後に一時、ユーシェンコ大統領派と急進的なティモシェンコ元首相派、社会党の「オレンジ革命」3党が連立で合意したが、モロズ党首の最高会議議長ポスト就任を求める社会党が離脱しヤヌコビッチ氏の「地域党」陣営に寝返ったことで形成逆転。ヤヌコビッチ新首相の主導で新連立が形成されることとなった。ユーシェンコ大統領は親ロシア政権の復活を警戒し最高会議の解散・再選挙の可能性もにらんでいたが、最終的にはヤヌコビッチ首相の復帰を容認することになった。
新政権は最大会派であるヤヌコビッチ新首相の「地域党」を軸に第3会派のユーシェンコ大統領派、第4会派の社会党、それに第5会派・共産党を加え親欧米・親ロシアの対立を超えた4派による大連立となった。いっぽうオレンジ派のなかの急進派で第2会派のティモシェンコ元首相派は今回の逆転連立劇を厳しく批判、野党に回ることとなった。
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