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2007-10-23

【スイス】環境派と右派が前進

スイスの連邦議会選挙(下院定数200、比例代表制)が21日に行われ、移民制限を掲げる右派の中央民主同盟/国民党(注)が第1党の座を固めるいっぽうで、社会主義インター加盟政党のスイス社会党/社会民主党(注)は後退。他方では環境系の政党の躍進が目立った。
急進民主党/自由民主党やキリスト教民主党は3・4位となり、緑の党も野党に留まる意思を明らかにしているため、4大政党連立の連邦政府の構成には変化がない見通し。
なお上院選(定数46)も同時に行われたが、各州に割り振られる定数が少なくなるため自由民主、キリスト教民主の中道2党がこれまで通り多くの議席を確保する結果となった。

(注)スイスでは2大言語圏のうち、フランス語圏では「社会党」、ドイツ語圏では「社会民主党」と称するが、同一の政党。中央民主同盟(フランス語圏)と国民党(ドイツ語圏)、急進民主党(フランス語圏)と自由民主党(ドイツ語圏)も同じ。ただ国民党はドイツ語圏で支持が厚いため「国民党」の名称を使うケースが多い。

最終結果は次のとおり。
スイス国民党/中央民主同盟 62(+7、28.8%)
スイス社会党/社会民主党 43(-9、19.3%)
自由民主党/急進民主党 31(-5、15.8%)
キリスト教民主党 31(+3、14.7%)
緑の党 20(+7、 9.6%)
福音人民党 2(-1、 2.5%)
自由党 4(±0、 1.8%)
緑の自由党 3(+3、 1.9%)
その他 4

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2007-10-22

【ポーランド】中道リベラル派と左派の連立へ

連立政党の支持撤回に伴い、21日に行われたポーランドの繰上げ総選挙(460議席、5%条項つき比例代表制)でヤロスワフ・カチンスキ首相が率いる保守政党「法と正義」(PiS)が31%教と後退。代わってトゥスク党首率いる中道リベラルの「市民プラットフォーム」(PO)が得票率45%と過半数に迫り、旧共産系の民主左翼連合や労働同盟、社会党などで結成した中道左派の新政党連合「左翼民主」(LiD)は13%強、旧農民党系中道のポーランド人民党は8%強となった。また連立崩壊の原因となった左派民族主義ポピュリストの「自衛」、右派ポピュリストの「ポーランド家族連盟」は双方とも厳しい批判を浴びて2%にも届かず、阻止条項の適用で全議席を失った。
「法と正義」は左派との連携を拒んでいるため「市民プラットフォーム」に中道・左派の連立政権が有力視される。ただレフ・カチンスキ大統領(ヤロスワフ・カチンスキ大統領とは双子の兄弟)が拒否権を連発することも予想され、対抗するために最大限の連立を組むべしという意見もある。

暫定集計結果は次のとおり。
市民プラットフォーム(PO)227(43.4%、中道右派リベラル、旧連帯系)
法と正義(PiS)158(31.3%、保守タカ派、旧連帯系)
左翼民主(LiD)47(13.3%、中道左派、旧共産系と旧連帯系左派)
ポーランド人民党 27(8.4%、旧共産系農民党)
「自衛」、ポーランド家族連盟は議席を獲得できず

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2007-10-06

【エクアドル】大統領支持派が憲法制定議会で過半数を獲得

先日、当選したコレア大統領は公約どおり、新憲法を制定するための憲法制定議会選挙(定数130、比例代表制)を30日に行った。最終結果はまだ公表されていないが、開票率90%の段階でコレア大統領与党の左派「主権祖国同盟(PAIS-Allianza)」は過半数を大きく上回る6割以上のを獲得し、新憲法の制定において主導権を握ることとなった。また別の左派でグティエレス元大統領派の「1月21日愛国社会党」は7%強、右派ポピュリストの制度的刷新国民行動党は7%弱、社会キリスト教党は4%強、社会主義インターに加盟する中道左派・民主左翼党は約2%にとどまった。
憲法制定議会は今後、最長で8ヶ月以内に新憲法案を起草し、国民投票にかけることとなっている。大統領権限の強化や再選を可能にすること、独立機関の独立性を高めることなどが新憲法の目玉となる方向で、議会の権限が非常に強かった中南米型の憲法からは転機となる。
2007-10-03

【ウクライナ】親露派後退、オレンジ派が躍進

ことしに入ってからのユシチェンコ大統領とヤヌコヴィチ首相の対立の末、両者の合意によって危機打開のため解散・選挙となったウクライナ最高会議の選挙(定数450、3%阻止条項つき比例代表制)は30日に投開票が行われ、親露派のヤヌコヴィチ首相が率いる「地域党」が後退。代わって親欧米派で04年末の「オレンジ革命」を担ったユシチェンコ大統領の「我らのウクライナ」、ティモシェンコ元首相の「ユリア・ティモシェンコ・ブロック」の両政党連合の合計で過半数を制し、「オレンジ派」内閣が復活する情勢となった。また両党のほか共産党とリトヴィン元最高会議議長の選挙ブロックの2党が議席を獲得したものの、前回キャスチングボートを握った社会党はオレンジ派から親露派に変わったことなどのため支持を伸ばせず、3%ラインにわずかに及ばず全議席を失う情勢。
ティモシェンコ・ブロックは「我らのウクライナ」と比べてリベラルとされ、ウクライナ社会民主党(社会主義インターには未加盟)など社会保障への配慮を要求する政党も加わっている。しかし前回選挙の後では首相ポストを強硬に要求したため、結果的にスキをつくり親露派の政権奪回を許すこととなった。だが、その後に大統領と首相の確執が表面化、今回の再選挙にいたることとなった。今後、ユシチェンコ派とティモシェンコ派の両改革派が協調できるかがカギとなる。

現在のところの開票と議席予測は次のとおり(開票率97%、カッコ内は得票率と前回比)。
地域党 175(34.1%、-11)
ティモシェンコ・ブロック 156(30.9%、+27)
我らのウクライナ 72(14.3%、-9)
ウクライナ共産党 27(5.4%、+6)
リトヴィン・ブロック 20(4.0%、+20)
ウクライナ社会党 0(2.9%、-33)

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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