2007-08-20
【カザフスタン】与党が全議席独占、社民政党及ばず
18日に行われたカザフスタン下院(マジュリス)選挙(7%阻止条項つき比例代表制、公選98議席+民族選出9議席)の結果、ナザルバエフ大統領の与党である「ヌル・オタン(祖国)」が88%の得票を獲得。同党のみが7%ラインを突破し、全議席を独占する結果となった。
野党勢力は社会主義インター加盟を目指している全国社会民主党が4.6%、前回は12%を獲得したカザフスタン民主党-輝く道(アク・ジョル)が3.3%にとどまり、比例代表制であるにもかかわらず議席の獲得はならなかった。ほか村落社会民主党が1.6%、人民共産党が1.3%など。
野党は不正選挙を批判しているものの、全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は「透明性の点で国際基準に合致していない」としつつ「今後に向け大きな前進」と結果容認の姿勢を示唆した。
「ヌル・オタン」は旧ソ連共産党内のカザフ共産党が組織的な基礎となっているがイデオロギー的な連続性はなく、日本の自民党やシンガポールの人民行動党をモデルにする政党を自称している(一時期、組織されたカザフ社会党は解党し、事実上は「ヌル・オタン」に合流し、社会主義は社民も含めて完全に放棄)。いわば旧共産党が社民政党でなく、権威主義的保守政党に衣替えした政党と考えてよいだろう。
だが原油をはじめ同国の豊富な鉱産資源を活かした生活向上路線は、一定程度以上の支持を得ており、隣国ウズベキスタンやトルクメニスタンほどは野党勢力への苛烈な弾圧が少ないにもかかわらず、野党勢力やナザルバエフ政権への批判は広がりを見せていない。
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7%ラインとハードルが高いとはいえ、比例代表制選挙のもとでは信じられないような結果となりました。これで「まったくの不公正」とまではいえない選挙というのですから、ただただ驚くばかりです。これならシンガポールのように、いちばん得票のよかった落選候補(つまり野党)を1名、国会議員に任命し発言権だけは与える制度のほうが、まだマシですねぇ…いやはや世界は広い。信じられないようなことが、どこででも起きますねぇ。
野党勢力は社会主義インター加盟を目指している全国社会民主党が4.6%、前回は12%を獲得したカザフスタン民主党-輝く道(アク・ジョル)が3.3%にとどまり、比例代表制であるにもかかわらず議席の獲得はならなかった。ほか村落社会民主党が1.6%、人民共産党が1.3%など。
野党は不正選挙を批判しているものの、全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は「透明性の点で国際基準に合致していない」としつつ「今後に向け大きな前進」と結果容認の姿勢を示唆した。
「ヌル・オタン」は旧ソ連共産党内のカザフ共産党が組織的な基礎となっているがイデオロギー的な連続性はなく、日本の自民党やシンガポールの人民行動党をモデルにする政党を自称している(一時期、組織されたカザフ社会党は解党し、事実上は「ヌル・オタン」に合流し、社会主義は社民も含めて完全に放棄)。いわば旧共産党が社民政党でなく、権威主義的保守政党に衣替えした政党と考えてよいだろう。
だが原油をはじめ同国の豊富な鉱産資源を活かした生活向上路線は、一定程度以上の支持を得ており、隣国ウズベキスタンやトルクメニスタンほどは野党勢力への苛烈な弾圧が少ないにもかかわらず、野党勢力やナザルバエフ政権への批判は広がりを見せていない。
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7%ラインとハードルが高いとはいえ、比例代表制選挙のもとでは信じられないような結果となりました。これで「まったくの不公正」とまではいえない選挙というのですから、ただただ驚くばかりです。これならシンガポールのように、いちばん得票のよかった落選候補(つまり野党)を1名、国会議員に任命し発言権だけは与える制度のほうが、まだマシですねぇ…いやはや世界は広い。信じられないようなことが、どこででも起きますねぇ。
2007-08-16
【コンゴ共和国】元共産主義政党が大勝
コンゴ共和国(隣国であるアフリカ中部最大のコンゴ民主共和国と混同しないように注意)の国民議会(下院、定数137、決選投票つき小選挙区制)が6月24日(第1回投票)、8月5日(決選投票)で行われ、サスヌゲソ大統領率いる元マルクス・レーニン主義1党独裁政党のコンゴ労働党(PCT)が公認候補で44議席、さらに連携候補が52議席を獲得。合計96議席を獲得し大勝した。リスバ前大統領が率いる社会民主主義政党・汎アフリカ社会民主主義同盟(UPADS)は10議席にとどまった。ほか民主主義統合発展コンゴ運動(MCDDI)が 12議席を獲得したが、全体として野党勢力は低調に終わった。
サスヌゲソ大統領は1党独裁時代からの大統領で、92年の複数政党制に基づく総選挙でリスバ氏に敗れたが、その後の内戦を通じて97年に大統領に復帰した。
サスヌゲソ大統領は1党独裁時代からの大統領で、92年の複数政党制に基づく総選挙でリスバ氏に敗れたが、その後の内戦を通じて97年に大統領に復帰した。
2007-08-08
【東ティモール】グスマン氏を首相に任命
東ティモールで先の総選挙の結果を受け、ラモス・ホルタ大統領は第2党・ティモール再建国民会議(CNRT)党首のシャナナ・グスマン前大統領を首相に任命した。同党と社会民主党=ティモール社会民主協会(PSD-ASDT)、民主党(PD)は中道・左派の連立政権形成で合意していたが、ラモス・ホルタ大統領は前与党の左派・フレティリンも含めた国民和解のための挙国一致内閣を模索してきたが交渉は成立せず、フレティリンは第1党ながら下野することとなった。
これに不満を持つフレティリン支持者は7日から支持基盤の強い各地で放火や投石を行い、首都ディリでも街頭でタイヤを焼くなどの暴力的抗議を頻発させている。今後の治安情勢の悪化が懸念される。
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暴力で物事を解決する傾向が強いとされる東ティモールの悪い点が出ているような気がします。カリスマ的指導者が多いとはいえ、その知恵をいかに庶民レベルにまで広げるかが今後のカギといえるでしょう。
これに不満を持つフレティリン支持者は7日から支持基盤の強い各地で放火や投石を行い、首都ディリでも街頭でタイヤを焼くなどの暴力的抗議を頻発させている。今後の治安情勢の悪化が懸念される。
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暴力で物事を解決する傾向が強いとされる東ティモールの悪い点が出ているような気がします。カリスマ的指導者が多いとはいえ、その知恵をいかに庶民レベルにまで広げるかが今後のカギといえるでしょう。
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