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2008-09-30

【ドイツ】バイエルン州議選で保守与党が過半数割れ

28日に投票されたドイツ・バイエルン州議会議員選挙(定数187、5%阻止条項つき小選挙区併用比例代表制)で保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が46年ぶりに過半数割れしたものの、社民党(SPD)も伸び悩む結果となった。他方、キリスト教社会同盟を離党した女性政治家ガブリエレ・パウリ氏の率いる「自由な有権者」(「無所属有権者」とも訳せる)が初議席を獲得、自由民主党(FDP)も議席を回復した。保守勢力の根強いバイエルンで左翼党は議席獲得に失敗した。
CSUは連邦レベルではメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組む政党だが、バイエルン州の根強い保守感情を基盤に過去、州内で約6割の得票を確保しており、前回連邦総選挙ではCDU=CSUが第一勢力となる下支えの役割を担った。そのCSUが州首相の交代などをめぐる党内対立ほかの要因で得票を大きく減らしたことで、社民党と大連立を組むメルケル政権は不安定さを増すことになるとみられる。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は得票率と前回比)

キリスト教社会同盟 92(43.4%、-32)
ドイツ社会民主党 39(18.6%、-2)
自由な有権者 21(10.2%、+21)
緑の党 19(9.4%、+4)
自由民主党 16(8.0%、+16)
左翼党 0(4.3%、初参加)

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2008-09-29

【オーストリア】社民党第1党確保も極右政党が躍進

28日に投開票が行われたオーストリア国民評議会総選挙(下院選、定数183、4%阻止条項つき比例代表制)の結果、社民党は第1党、国民党は第2党を確保したものの極右の2党が議席を大幅に伸ばし、連立の帰趨は不透明な状況となった。
今回の総選挙は両党の経済政策の違いから社民党と国民党の大連立政権が崩壊したことにともなうもので、事前の世論調査では社民党主導政権への期待が高かったが、自由党と未来同盟の極右2党が低所得者向けの政策を積極的に打ち出すなど社民党および国民党の支持基盤を切り崩すことに成功したためとみられる。なおグーゼンバオアー首相(社民党)は引退を表明しており、社民党はファイマン党首を先頭に選挙戦を闘った。

選挙結果の詳細は次のとおり。(カッコ内は得票率と前回比)

オーストリア社会民主党 58(29.7%、-10)
オーストリア国民党 50(25.6%、-16)
オーストリア自由党 35(18.0%、+14)
オーストリア未来同盟 21(11.0%、+14)
緑の党 19(9.8%、-2)

オーストリア社会民主党(ドイツ語)
http://www.spoe.at/

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社民党が第1党を確保したとはいえ、極右2党が約3割の議席を獲得する選挙結果となりました。社民党と自由党の連立も自由党は提唱しているようですが、大連立が再び成立する場合でも先に連立崩壊の要因となった低所得者向けの社会政策の充実が重要な焦点となりそうです。

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2008-09-26

【英国】労働党大会が行われる

ブラウン政権の支持率伸び悩みに危機感を有する英国労働党の党大会は5日間の日程を終え24日に閉幕した。大会ではブラウン首相が国民生活を第一とする「公正な社会」の実現を訴え、中間層以下に対する福祉政策を重視する姿勢を見せた。
なお大会では『ハリー・ポッター』シリーズの著者である J.K.ローリングさんが労働党に100万ポンド(約2億円)の寄付を表明する一幕もあった。ローリングさんは母子家庭への福祉充実を掲げる労働党の支持者として知られる。

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2008-09-24

【南アフリカ】ムベキ大統領が辞任

23日、南アフリカのムベキ大統領の辞任が下院で了承された。同時にムランボヌクカ副大統領と閣僚10名も辞任した。
今回の辞任は与党・アフリカ民族会議(ANC、社会主義インター加盟政党)のズマ議長ら執行部の求めによるもの。ズマ氏はムベキ政権下で副大統領を担ったが、3年前にムベキ大統領が汚職容疑で同ポストから解任。しかしANCの党内左派を背景に昨年、党執行部を押さえ党議長に就任していた。議会の残り任期は半年ほどで次期選挙後はズマ氏の大統領就任が確実視されているが、その間をつなぐムベキ氏の後任など政情の混乱が憂慮される。

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2008-09-22

【スロベニア】社民派を軸に新政権樹立へ

21日に行われたスロベニア国民議会(下院)総選挙(定数90、小選挙区併用比例代表制)で野党・社会民主主義(SD)が最多となる29議席を獲得し躍進。中道左派で連携を組む新党ザレス(現実のために、社会自由主義政党)、スロベニア自由民主主義で43議席を獲得した。今後は7議席を獲得した年金者民主党と連立政権樹立の見通し。
前与党で中道右派のスロベニア民主党は28議席にとどまった。
社会民主主義は旧スロベニア共産党の系譜を引く政党だが90年代に「社会民主統一リスト」と改名し社会民主主義に転換。社会主義インターの加盟政党となった。その後ふたたび党名変更し現在の党名となった。前回選挙までは10議席前後の獲得議席に留まっていたが今回、大躍進することとなった。

暫定的な開票結果は次のとおり。(カッコ内は得票率と前回比)

社会民主主義 29(30.5%、+19)
スロベニア民主党 28(29.3%、-1)
ザレス 9(9.4%、新党)
スロベニア年金者民主党 7(7.5%、+3)
スロベニア国民党 5(5.5%、-1)
スロベニア人民党・スロベニア青年党連合 5(5.2%、-2)
スロベニア自由民主主義 5(5.2%、-18)
少数民族議席 2(イタリア系、ハンガリー系)

社会民主主義 公式サイト(スロベニア語)
http://www.socialnidemokrati.si/

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2008-09-08

【中国香港】社民派が議席を確保

7日に行われた香港の立法会選挙(定数60、半数は直接選挙比例制、半数は職能代表制で選出)で、民主派が目安となっていた3分の1を確保。なかでも社会民主主義を掲げる勢力が一定の議席を確保した。
民主派勢力の中で社会民主主義を掲げる穏健民主派の公民党が5議席、同じく社会民主主義を掲げながらもトロツキズムの影響も指摘される急進民主派の社会民主連線が3議席を確保した。
なお民主派の最大政党でリベラル派の民主党は8議席、親中派で「香港左派」に近い民主建港協進連盟は11議席、同じく親中派で財界寄りの自由党は7議席を獲得した。ただし自由党は直接選挙枠では全議席を失った。
公民党は民主派陣営のなかでは穏健派とされ、天安門事件への再評価など香港に直接関係しない話題については将来の与党入りをにらみ、控える傾向がある。

公民党 公式サイト(広東語)
http://www.civicparty.hk/

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公民党を含む「民主派」が3分の1を確保したことは予想外の善戦と受け止められているようです。選挙関連の法規の改正には3分の2が必要とされているため、これで選挙制度の直接選挙枠を縮小するなどの可能性は小さくなりました。香港の民主化が中国全土の範となるよう期待したいと思います。

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2008-09-08

【アンゴラ】議会選でアンゴラ解放人民運動が圧勝

6日に行われた南部アフリカ、アンゴラで内戦終結後初の議会選挙が行われ、ドスサントス大統領が率いる与党、アンゴラ解放人民運動(MPLA)が 8割を越す得票で圧勝した。最大野党で内戦を闘った元右派ゲリラのアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)は1割強の得票にとどまった。
アンゴラ解放人民運動は冷戦期には親ソ連派のマルクス・レーニン主義を掲げる共産主義政党としてキューバの支援を得ながら内戦を繰り広げたが、冷戦後は共産主義を放棄して中道左派・社会民主主義を掲げ、社会主義インターに加盟した。しかしドスサントス大統領は冷戦期の1979年以来の長期政権を一貫して維持している。なお来年には大統領選挙も予定されている。

アンゴラ解放人民運動 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.mpla-angola.org/main.php

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巨大与党と小野党という、アフリカ諸国に多い議会制の形態を採るような選挙結果になりました。内戦が長く続いたとはいえ、政権交代の可能性が常に存在する真の複数政党制民主主義が確立するまでは、もう少し時間が必要なのかもしれません。

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2008-09-07

【パキスタン】ザルダリ人民党総裁が大統領に

ムシャラフ前大統領の辞任や連立政権からの有力政党の離脱などで政情が混乱しているパキスタンで6日、大統領選挙(国会議員と州議会議員による間接選挙)が行われ、社会主義インター加盟政党・パキスタン人民党(PPP)のザルダリ共同総裁が当選を果たした。同じくPPP出身のギラニ首相とともにパキスタン政界の要所をPPPが押さえることとなったが、議会では安定多数を築いておらず、また軍部や情報部の力が強い同国で、今後の政局運営には波乱が予想される。

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ザルダリ氏は暗殺された故ブット元首相の夫ですが、ブット政権では汚職で知られ、その何にでも手数料(コミッション)を求める手口は「ミスター 10%」と呼ばれて悪評で知られていました。しかし、それでもPPPをまとめるにはブット家の威光が必要なのでしょうか。ここに南アジアに目立つ一族政治の難しさが集約されていると思います。

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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