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2006-06-22

【メキシコ】来月2日の大統領・国会総選挙で左派が善戦

 来る7月2日に行われるメキシコの大統領および国会上下両院の総選挙では、中道・左派を幅広く結集してきた政党で社会主義インターに加盟する民主革命党(PRD)と同党が擁立するオブラドル・前メキシコシティ市長が善戦している。今回、オブラドル候補は出身母体のPRDに加えて社民主義派の「結集」、毛沢東主義の流れを汲む左翼・労働党(PT)の3党で「皆の福祉同盟」を結成し、これまで優位に選挙戦を進めてきた。
 だが現職・フォックス大統領の親米与党で中道右派・国民行動党(PAN)のカルデロン候補も、ここのところテレビ討論などを通じて支持率を急伸。世論調査によってはオブラドル候補を上回る数字が多く出るようになってきた。さらに3番手として前回の総選挙まで70年以上も万年与党の座にあった中道ポピュリスト政党で、これも社会主義インターに加盟する制度的革命党(PRI)のマドラーゾ候補が僅差で追う、三つ巴の展開となった。
 オブラドル候補は露骨な反米姿勢を避け、雇用を中心とした比較的穏和な政策を提示することで逃げ切りを図っている。

 メキシコの大統領は任期6年で再選不可。単純多数を獲得した候補者が当選する制度(得票が過半数に達しない場合も決選投票は行われない)。また国会は下院が比例代表を基本に小選挙区を大幅に組み合わせた制度(定数500)、上院が32州から各3名の議員(選挙区の第1党から2名、第2党から1名)と32名の全国比例代表の並立制(定数128)で選出される。
 現在の国会は上記の3勢力による鼎立状態で多数派が存在せず、今回の選挙後も同様の状況が続くと予想される。新大統領に誰が当選しても、野党多数の国会を前に困難な政局運営を強いられそうだ。

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2006-06-20

【スロバキア】中道左派スメルが勝利

 04年のEU加盟後初となるスロバキア国会総選挙(1院制、定数150・比例代表制)が17日に投票され、翌日の中央選管暫定発表によれば中道左派で社会主義インター加盟政党の「スメル-社会民主主義」が第1党となった。フィツォ党首率いる同党は旧共産党改革派や社会民主主義者が結集した政党で、民主キリスト教連合のジュリンダ首相率いる中道右派連立政権が導入したフラットタックス(単一税率課税)など急進的な経済改革による格差の拡大や汚職体質などを批判。累進課税の導入やイラクからの派遣部隊撤退なども訴え票を伸ばした。
 ただスメルの議席は過半数に及んでおらず、ジュリンダ政権を構成していた中道右派を切り崩すか、民族主義者との連立が不可欠となる。90年代に左派民族主義を掲げて国際的孤立を招いたメチアル元首相の「民主スロバキア運動」も連立入りを狙っており、その場合欧州統一通貨ユーロの導入が遅れることが懸念されている。
 また前回、議会初進出を果たしたスロバキア共産党は5%阻止条項を超えられずゼロ議席となった。

各党の得票率(予想獲得議席数)
 スメル-社会民主主義 29.14%(50議席、中道左派)
 民主キリスト教同盟 18.35%(31議席、中道右派)
 スロバキア国民党  11.73%(20議席、右派民族主義)
 ハンガリー人連合党 11.68%(20議席、少数民族中道)
 民主スロバキア運動 8.79%(15議席、左派民族主義)
 キリスト教民主運動 8.31%(14議席、中道右派)

スメル公式サイト(スロバキア語)
http://www.strana-smer.sk/

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2006-06-19

【フランス】下院選で右派与党勝利も社会党巻き返し

17日に行われたフランス国民議会(下院に相当。定数577、決選投票つき小選挙区制)の第2回投票の結果、サルコジ大統領率いる右派与党・民衆運動連合(UMP)は313議席を獲得。大統領与党の総体で345議席を確保した。しかし前回、02年のシラク大統領与党合計の399議席からは予想外の後退となった。またフィヨン内閣ナンバー2のジュペ環境相(元首相)が僅差で落選し閣僚辞任に追い込まれるなど、取りこぼしも目立った。
劣勢が伝えられていた社会党はサルコジ政権へのチェック機能の訴えが功を奏し186議席を獲得、前回比で45議席を伸ばし復調の兆しを見せた。また緑の党も伸ばしたが、共産党は後退した。
中道のバイル派は親サルコジ派・新中道との分裂後、固い選挙協力を組めなかった影響もあり3議席にとどまった。

選挙結果は次のとおり。
(カッコ内は前回比。ただし右派・中道勢力は再編のため、前回比はほぼない)
大統領与党 345(-54)
・民衆運動連合(UMP)313
・新中道(NC)22
・その他の右派 9
・フランスのための運動(MPF)1(±0)
統一左派 227(+49)
・社会党(PS)186(+45)
・フランス共産党(PCF)15(-6)
・その他の左翼 15
・左翼急進党(PRG)7(±0)
・緑の党(Verts)4(+1)
民主運動(MoDem)3
その他の地域主義者 1
その他 1

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社会党が予想外に復調したいっぽう、投開票当日にはロワイヤル氏とオランド第一書記の「パートナーシップ」解消が報じられるなど今後、社会党の動向に注目でしょう。

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2006-06-05

【ペルー】中道左派ガルシア元大統領が返り咲き

 4日に投票が行われたペルー大統領選挙の決選投票で、社会主義インター加盟政党・アメリカ革命人民同盟(APRA)のアラン・ガルシア元大統領(57)が急進左派のオジャンタ・ウマラ中佐(43)を引き離し、当選を確実にした。
 アラン・ガルシア元大統領はフジモリ前大統領の前の大統領(在任1985-90)だが、在任中はハイパーインフレでペルー国民に生活苦をもたらした他、極左ゲリラの取り締まりに失敗し治安を悪化させた。フジモリ政権下では亡命を余儀なくされていたが、今回大統領選挙決選投票ではウマラ中佐のチャベス・ベネズエラ大統領の反米姿勢やタカ派軍人イメージに警戒心を抱く保守中道派の有権者からも「よりましな候補」として支持を集め、返り咲きを果たした。
 しかしAPRA党は伝統的にペルー政治では中道左派ながらも「既成勢力」と見られており、中南米で躍進する新興左派勢力とは色合いを異にするほか、前回在任時の失政から政権担当能力を疑問視する声も大きい。そのため今回は親米政策や援助による社会資本整備など穏健な国内政策を打ち出したものの、同時に行われた国会議員選挙ではウマラ派が第1党に躍進しており、フジモリ派も躍進した。議会で中小政党が乱立するなか政治手腕が発揮できるかも注目される。

国会議員選挙の結果は次の通り(定数120)
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ペルーのための同盟(ウマラ派)45(+39)
アメリカ革命人民同盟 36(+10)
国民統合(中道右派)17(±0)
未来同盟(フジモリ派)13(+10)
中道戦線(パニアグア元暫定大統領派)5(-2 #前回は2党)
ペルー・ポシブレ(トレド現大統領派)2(-43)
国民再建 2(+2)

アメリカ革命人民同盟(スペイン語)
http://www.apra.org.pe/

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2006-06-04

【チェコ】総選挙で与党・社民党が第2党に後退

 去る2・3日の両日に投票が行われたチェコ下院の総選挙(定数200)で保守野党・市民民主党(ODS)が81議席を獲得。パロウベク首相率いる社会主義インター加盟政党の現与党で、74議席にとどまった社会民主党(CSSD)を上回り第1党に復帰した。社会民主党も前回選挙に比べて票を伸ばしたが、市民民主党の伸びが上回った。また緑の党が下院への初進出を果たした。
 ただ、これまで連立を組んでいた社会民主党とキリスト教民主同盟の合計は市民民主党を上回っており、共産党除外が民主化後の政治的慣習となっているチェコ政局で、少数連立政権か大連立の樹立もにらんだ連立交渉が予想される。

選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。
市民民主党(ODS)    81(+23)
社会民主党(CSSD)   74(+4)
共産党(KSCM)     26(-15)
キリスト教民主同盟(KDU)13(-18 #前回は選挙連合)
緑の党(SZ)       6(+6)

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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