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2014-10-30

【ウクライナ】詳報・最高会議選挙結果

26日に行われたウクライナ最高会議(一院制議会・定数450ただし一部選挙不能、小選挙区比例代表並立制)の選挙結果は次のとおり。なお暫定予測結果であり、最終結果ではない。前回選挙比はほとんどが新党であるため、前回にも参加した政党のみ記すものとする。

ペトロ・ポロシェンコ・ブロック 132 #大統領与党、親欧米・実用主義
人民戦線 82 #ヤツェニュク首相与党、親欧米
自立党 33 #西部が基盤、親欧米
野党ブロック 29 #旧「地域党」に近い。親ロシア
急進党 22(+21)#親欧米ポピュリスト
祖国 19(-82)#ティモシェンコ元首相が率いる
自由(スヴォボダ) 6(-31)#極右
右派セクター 1 #極右
強いウクライナ 1 #親ロシア
自由(ヴォリア) 1
ザストアップ 1
無所属 96
選挙不能 27(クリミアおよびドンパスの一部)

共産党が議席を失ったこと、ロシアが名指しで非難してきたスヴォボダおよび右派セクターがわずかな議席に終わったことが注目される。
2014-10-30

【チュニジア】新憲法下の総選挙で世俗派が勝利

26日、チュニジアで「ジャスミン革命」後に制定された新憲法下で初の議会総選挙(定数217、比例代表制)が行われた。30日までに発表された結果、世俗派の新党「ニダチュニス」(チュニジアの呼びかけ)がイスラム主義の「アンナハダ」(復興)を抑えて第1党となった。

「ジャスミン革命」後にアラブ各国で連鎖的に起きた「アラブの春」が多くの国で挫折するなか、世俗派とイスラム主義派が折り合いをつけることに成功したチュニジアは革命の数少ない成功例となった。ここでイスラム主義派である「アンナハダ」が第1党を維持するかが注目され、特に選挙戦のさなかには巻き返しも報じられたが、チュニジアの有権者はより穏当な判断を下すことになった。なお「ニダチュニス」は世俗派であることは明確であるものの、それ以外の政治的位置は明らかでない。ただ旧ベン=アリ政権の関係者や世俗左派、リベラル派・進歩主義者に加えてチュニジア労働総同盟(一党支配期は官製労組だった)の支援を受けており、87歳のセブシ党首(元首相)も「世俗派の結集」を掲げて「アンナハダ」に対抗する以上の立ち位置を明瞭にしていない。

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セブシ元首相(80年代の一党支配期の外相、民主化後の最初の首相)

それ以外には共和国のための会議、労働と自由のためのフォーラム(エタカトル、社会主義インター・進歩同盟加盟政党)など世俗派諸党は「ニダチュニス」に票の多くを奪われ、大きく後退した。両党は「アンナハダ」と連立を組んだことも大きく影響したとみられる。

今後は「ニダチュニス」のセブシ党首は高齢もあって首相就任は困難とみられ(権限が縮小された次期大統領を目指しているとされる)、また「ジャスミン革命」後に一時期、「アンナハダ」と世俗派が激しく対立し世俗派野党の党首が暗殺されるなど民主化が危機を迎えた時期もあった(議会の合意により専門家・テクノクラート内閣を編成することで乗り越えた)ことを踏まえ、「ニダチュニス」と「アンナハダ」の大連立が有力視される。ただ新議会は世俗派優勢となっており、「アンナハダ」も無理な要求はできない情勢だ。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回憲法制定議会比。「ニダチュニス」「人民戦線」などは前回選挙に参加した構成政党比)。

ニダチュニス 85(+79)#世俗派連合
アンナハダ 69(-16)#イスラム主義、ムスリム同胞団系
自由愛国同盟 16(+14)#中道世俗派、経済自由主義
人民戦線 15(+9)#マルクス主義、バアス党などの連合
アフェクチュニス 8(+5)#中道右派世俗派
共和国のための会議 4(-8)#中道左派世俗派
民主潮流 3(-1)#立ち位置は不明瞭
立憲イニシアティヴ 3(-1)#旧体制与党「立憲民主連合」系
人民運動 3(+1)#アラブ社会主義、党首が暗殺された党
愛の運動 2(-24)#ポピュリスト
共和党 1(-6)#中道世俗派
民主同盟 1(-8)#中道リベラル
労働と自由のための民主フォーラム 1(-19)#社会主義インター加盟政党
無所属 6

ニダチュニス 公式サイト(アラビア語)
http://www.nidaatounes.org/
労働と自由のための民主フォーラム 公式サイト(アラビア語)
http://ettakatol.org/
2014-10-28

【ウルグアイ】大統領選・議会選で「拡大戦線」が優勢

26日、南米ウルグアイで大統領選挙および議会上下両院選挙が行われた。大統領選の結果「拡大戦線」(社会主義インター・進歩同盟加盟政党)のヴァスケス前大統領が49%弱を獲得して優位に立ったが、第1回投票での当選に必要な過半数にはわずかに及ばず、保守・国民党(ブランコ党、「白党」の意)のポウ下院議員とのあいだで来月30日に決選投票が行われることとなった。

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聴衆に手を振って運動するヴァスケス前大統領(右)、左はセンディック副大統領候補

ウルグアイでは深刻で構造的な不況のなか、伝統的に中道保守二大政党だったコロラド党(「赤党」の意)と国民党が支持を失い、10年前の大統領選挙でヴァスケス氏が当選、初めて二大政党以外の候補者が当選した。その後、同国では大統領の連続再選が認められていないためムヒカ現大統領が「拡大戦線」から当選、今回は再びヴァスケス氏の返り咲きを期して「拡大戦線」政権の15年間の継続を狙っている格好となる。

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「拡大戦線」の選挙最終日に集まった聴衆

「拡大戦線」はそれ自体が政党であると同時に政党連合でもあり、加盟している社会党、「新空間」などが社会主義インターに加盟している。ほかに共産党やキリスト教左翼なども加盟している。これらの政党を、経済的に新自由主義だが福祉にも配慮する姿勢をみせるアストリ現副大統領(中道の「ウルグアイ集会」党首、元経済財政相)が支える格好になっている。

なお下院選挙(定数99、比例代表制)と上院選挙(定数31、比例代表制)も同様の傾向で「拡大戦線」が優勢とみられる。

拡大戦線 公式サイト(スペイン語)
http://www.frenteamplio.org.uy/
2014-10-27

【ブラジル】大統領選決選でルセフ大統領が再選

26日、ブラジルで大統領選挙の決選投票が行われ、現職のルセフ大統領(労働者党)がブラジル社会民主党のネヴェス党首を下して勝利した。しかし票差はわずか3%の僅差で、ルセフ政権に対する不満が示されることとなった。労働者党は前職のルーラ前大統領からルセフ大統領へ引継いで、16年の長期政権を実現することになる。

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ルーラ前大統領(右)と高く手を掲げて再選を祝うルセフ大統領

労働者党は反米左翼ながら穏健派で、福祉と経済成長の両立を図ってきたが、その結果として成長した中産階級がネヴェス支持に回り、従来からの支持者であり手厚い福祉を求める貧困層がルセフ支持に留まる皮肉な現象となっていた。さらにサッカーW杯開催の不手際、第1回投票でのシルヴァ元環境相(ブラジル社会党)の善戦(のちネヴェス支持を表明)も重なり、苦戦を強いられたが、最後は貧困層への現金給付など手厚い福祉を強調することで勝利につなげた。

とはいえ今回のネヴェス候補の善戦はルセフ政権には黄信号となり、4年後の次回選挙は大激戦となることが予想される。

労働者党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.pt.org.br/
2014-10-27

【ウクライナ】議会選でポロシェンコ大統領与党が勝利

26日、ウクライナで最高会議(一院制議会・定数450、小選挙区比例代表並立制)が行われた。その結果、ポロシェンコ大統領与党「ペトロ・ポロシェンコ・ブロック」(クリチコ・首都キエフ市長の「UDAR」も合流している)が勝利し、ヤツェニュク首相率いる「人民戦線」などと親欧米派の連立政権を組むことが確実な情勢となっている。親ロシア派では「野党ブロック」が5%阻止条項を上回り、辛うじて議会入りすることが確実となったが、共産党は議会から姿を消す情勢。

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ポロシェンコ大統領

「ポロシェンコ・ブロック」は、もともとポロシェンコ大統領が所属していたウクライナ社会民主党統一派が「連帯」として改組したものをさらに改称したもので、もともとは名前のとおり社会民主主義政党だったが、現在はポロシェンコ大統領を個人的に支持する「プラグマティズムの党」となっており、親欧米路線のいっぽう、東ウクライナ紛争の平和的解決も掲げ、民族主義強硬派勢力とは一線を画している。
小選挙区も含めた最終結果は今後、発表される予定。
2014-10-27

【ボツワナ】総選挙で保守与党勝利も社民系伸ばす

24日、南部アフリカの内陸国ボツワナで下院総選挙(公選定数57、小選挙区制)が行われ、カーマ大統領の率いる保守系のボツワナ民主党が独立以来の連勝を重ねたものの、ボツワナ国民戦線(社会主義インター加盟政党)やボツワナ人民党など野党が選挙連合「民主変革の傘」を組んで前進、議席差が縮まる結果となった。
ボツワナ民主党はこれまでダイヤモンドなど豊富な鉱産資源をもとに経済の高度成長と安定した統治を実現してきたが、それは主に小選挙区制によって選出された議会が選出する大統領制度を採用していることによるもので、今回、野党勢力の合計票はボツワナ民主党を上回った。しかし野党が「民主変革の傘」とボツワナ会議党(民主社会主義)に分かれているため、結果としてボツワナ民主党が議会の過半数を獲得するに至った。この結果、カーマ大統領が2期目の就任をすることになる。なお同国では大統領の任期は過去の野党の活動および交渉により現在は2期10年までとなっている。
ボツワナは上院が部族酋長の合議体となっているなど、現在も保守的な統治形態が強いものとなっているが、そのなかでも野党が獲得票においては与党を上回ったことが注目される。

詳しい選挙結果は次のとおり。

ボツワナ民主党 37(-8)
民主変革の傘 17(+11)#前回はボツワナ国民戦線
ボツワナ会議党 3(-1)
非公選議席 6

民主変革の傘 フェイスブックページ(英語)
https://www.facebook.com/BooneBokciiKatlegoMosiane
ボツワナ会議党 公式サイト(英語)
http://www.botswanacongressparty.org.bw/
2014-10-27

【ボスニア・ヘルツェゴヴィナ】総選挙で民族派が躍進、社民派後退

12日、旧ユーゴで悲惨な内戦の傷がいまだ残るボスニア・ヘルツェゴヴィナで幹部会(集団大統領、各民族より1名・計3名)選挙および下院総選挙(42議席、構成体別比例代表制)、同国を構成するボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦(ムスリム人(ボシュニャク人)・クロアチア人主体)およびスルプスカ共和国(セルビア人主体)の総選挙が行われた。選挙前から同国内で続いていた暴動・混乱が完全には収束しないまま選挙に突入したため、いまだ最終結果は出ていないが、各民族の民族派が伸張し、社民派が後退する結果となった。

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ツズラ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦)で焼き討ちにあった政府ビル

これまでボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦では多民族政党で社民派のボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(社会主義インター加盟政党、旧共産主義者同盟も合流している)とムスリム人(ボシュニャク人)を代表する中道右派・イスラム民主主義の民主行動党、クロアチア人を代表するクロアチア民主同盟ボスニア・ヘルツェゴヴィナが三つ巴の状況だったが、今回選挙を前異にして社会民主党から新党「民主戦線」が分裂、社民派が勢力を失い、民主行動党のバキル・イゼトベゴヴィチ幹部会員(再選、アリヤ・イゼトベゴヴィチ初代大統領の長男)およびクロアチア民主同盟(隣国クロアチアの政党の友党)のチョヴィチの保守両候補が幹部会選挙での当選をほぼ確実にしている。
いっぽうスルプルカ共和国では幹部会選挙は中道右派民族主義のセルビア民主進歩党およびセルビア民主党(戦犯容疑の強い政党)のイワニッチ候補と中道左派民族主義で独立社会民主同盟(民族主義的傾向の強さから社会主義インターから関係を断たれた)および社会党が推すスヴィヤノヴィチ・スルプスカ共和国首相が大接戦を演じており、いまだ確定していない。
下院選挙およびボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦、スルプスカ共和国の両議会選挙でも同様の結果となっており、各民族派の進出が目立っている。雇用不安などから発生した暴動によって再発した民族間の不和がこうした形であらわれたとみられる。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(セルボ・クロアチア語)
http://www.sdp.ba/
民主戦線 公式サイト(セルボ・クロアチア語)
http://www.demokratskafronta.ba/
独立社会民主同盟 公式サイト(セルビア語)
http://www.snsd.org/
(スルプルカ共和国)社会党 公式サイト(セルビア語)
http://www.socijalisti.ba/
2014-10-22

【チェコ】上院選で社民党が後退

17・18日の両日、中欧チェコで上院選挙(定数81・3分の1改選、小選挙区2回投票制)の決選投票が行われた(第1回投票は10・11両日)。その結果、与党第1党のチェコ社会民主党(ČSSD、社会主義インター・進歩同盟加盟政党)が10議席を減らし大きく後退し、上院での過半数を失った。後退した分は与党第2党でリベラル派の反汚職政党である不満の市民行動(ANO2011)、与党第3党のキリスト教民主同盟=チェコスロバキア人民党(KDU-ČSL)などに分散した。従って与党連合全体としては勝利したことになる。このためソボトカ首相(社民党)の政権に直ちに大きな変化を及ぼすものではない。いっぽうかつての大政党であった保守・市民民主党(ODS)はさらに議席を失い、小会派に転落することが確実となった。

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ソボトカ首相(社民党)

もっとも社民党は6年前の前回改選において改選27議席中23議席を獲得する圧勝をしており、今回の後退は織り込み済みだったともいえる。また無所属議員の当選者にも社民党系の議員が何人か含まれており、見かけほど敗退したわけではない。また、そもそもチェコでは上院の権限は限定されていることも考慮する必要がある。

また同時に自治体選挙も行われたが、無所属候補者や地域政治団体が圧倒的な強みをみせた。

チェコ社会民主党 公式サイト(チェコ語)
http://www.cssd.cz/
2014-10-21

【ブラジル】続報・上下両院議員選挙結果

5日に大統領選挙第1回投票と同時に行われたブラジルの上下両院議員選挙の結果は次のとおり。なお下院獲得議席(比例代表制、定数513。カッコ内増減)、上院議席(各州3人選出・今回は1名改選、定数81。カッコ内増減)の順。

●与党連合:人民の力と共に連合(合計:下院304、上院53)
労働者党 70(-18)、12(-2)#ルセフ大統領出身母体
ブラジル民主運動党 66(-13)、18(-2)#旧軍政期中道野党が源流
社会民主党 37(新党)、3(新党)#各党からの離党者による新党
進歩党 36(-5)、5(±0)#旧軍政期右派与党が源流
共和国党 34(-7)、4(±0)#中道右派
ブラジル共和党 21(+13)、1(±0)#キリスト教民主主義
民主労働党 19(-9)、8(+4)#社会主義インター加盟政党
社会秩序共和党 11(新党)、1(新党)#中道左派の新党
ブラジル共産党 10(-5)、1(-1)#自主路線派共産党

●第一野党連合:ブラジルを変える連合(合計:下院128、上院19)
ブラジル社会民主党 54(+1)、10(-1)#最大野党、中道
ブラジル労働党(PTB)25(+4)、3(-3)#旧労働党を継承と自称
民主党 22(-21)、5(-1)#旧自由戦線党、保守
連帯 15(新党)、1(新党)#中道左派の新党
国民労働党 4(+4)、0(±0)#中道左派
国民機動党 3(-1)、0(-1)#農民運動を基盤とする
国民環境党 2(新党)、0(新党)#中道右派の環境政党
キリスト教労働党 2(+1)、0(±0)#キリスト教右派
ブラジル労働党(PTdoB)1(-2)、0(±0)#労働運動系中道

●第二野党連合:ブラジルのための団結連合(合計:下院53、上院7)
ブラジル社会党 34(±0)、7(+4)#中道左派リベラル
社会人民党 10(-2)、0(-1)#旧ソ連派共産党が改組したもの
連帯人道党 5(+3)、0(±0)#君主制志向の傾向あり
進歩共和党 3(+1)、0(±0)#中道右派
社会自由党 1(±0)、0(±0)#中道右派リバタリアン

●野党連合外の野党
社会キリスト教党 12(-5)、0(-1)#中道右派
緑の党 8(-7)、1(+1)#環境政党
社会主義自由党 5(+2)、1(-1)#トロツキストが母体の新左翼
キリスト教社会民主党 2(+2)、0(±0)#中道右派
ブラジル労働刷新党 1(-1)、0(±0)#かつて弾劾されたコロル元大統領が参加

ほかに地方選挙も行われたが、州別に連邦レベルとは異なる政党連合が組まれたため、その勝敗を一概には言いにくいものの、中道かつ与党で他の各党との連合を組みやすい位置にいる民主運動党の善戦が目立っている。ただし第一の大州サンパウロ州はブラジル社会民主党が、第二の大州ミナス・ジェライス州は労働者党が、それぞれ知事選の第1回投票で勝利を決めている。

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ルーラ前大統領(右)と選挙運動を展開するルセフ大統領

なお大統領選挙の決選投票(および州知事選で過半数を得なかった州での知事選決選投票も)は26日に行われるが、現職ルセフ大統領とネヴェス社会民主党党首のあいだで予測に反して接戦となっており、ネヴェス社会民主党党首(上院議員、ミナス・ジェライス州元知事)勝利の予想も出てきている。ネヴェス党首が勝利する場合は、議会上下両院で優位を占めている現・与党連合の切り崩しが必至とみられる。

労働者党 公式サイト(ポルトガル語)
https://www.pt.org.br/
ブラジル社会民主党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.psdb.org.br/
ブラジル社会党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.psb40.org.br/
民主労働党 公式サイト(ポルトガル語)
http://pdt12.locaweb.com.br/
2014-10-20

【インド】2州議選で国民会議派が大敗

15日、インド西部マハラシュトラ州(州都ムンバイ…旧称ボンベイ)、北部でデリー都を三方から囲むハリヤナ州の両州で州議会議員選挙が行われ、19日にいっせいに開票された。その結果、5月の下院総選挙で勝利したインド人民党(BJP)が勢いを維持して勝利、両州で与党だった国民会議派(INC、進歩同盟加盟政党)は両州政権の座から滑り落ちることが確実となった。なおインドでは州レベルでも州議会に責任を負う議院内閣制を採用しており、州首相が重要ポストとなっている。

人口1億を上回るインド第2の大州、マハラシュトラ州議会議員選挙(定数288、小選挙区制)ではこれまで連立与党として連携を組んできた国民会議派と、同党から15年前に分派した国民主義会議党(NCP)が今回は州首相ポストをめぐって選挙協力を組まず、それぞれ独自に選挙戦に臨んだ。いっぽうインド人民党も、これまで提携を組んできたシヴ・セナ(SS、「シヴァージー軍団」の意。ヒンズー至上主義極右とされる)と提携を組まず、それぞれ独自に選挙戦に臨み、各小選挙区で乱戦が展開された。しかし結果はインド人民党が第1党、シヴ・セナが第2党となり、国民会議派と国民主義会議党はそれぞれ第3・4党に沈み、政権を失うことが確実となった。シヴ・セナから創設者一族の一部が分岐したヒンズー至上主義最強硬派のマハラシュトラ・ナヴニルマン・セナ(MNS、マハラシュトラ新生軍団の意)は事前予測に反して大きく減らし伸び悩んだ。ただインド人民党の州首相候補はいまだ明らかになっておらず、マスコミは同党の州内有力政治家をめぐって憶測をとばしている状態である。

ハリヤナ州議会議員選挙(定数90、小選挙区制)では、前回選挙で州内で数議席を獲得したに過ぎなかったインド人民党が先の連邦下院総選挙の勢いを受けて一挙に過半数の議席を獲得する劇的な結果となり、選挙協力を結んだシーク教政党アカリ・ダルとの連立政権樹立が確実となった。州与党・国民会議派は地域政党のインド国民ロク・ダル(INLD)にも抜かれる大敗を喫し、フーダ州首相の退陣は確実となった。またインド人民党と一時期提携したものの下院総選挙後に決裂したハリヤナ公益会議派(HJC、国民会議派から分岐した政党)も不振に終わった。デリー都議会選挙で躍進し注目された反汚職政党アームアードミ党(庶民党)は今回候補者を立てず「どの候補者にも反対」への投票を呼びかけたが大きな効果を挙げなかった。ただ、ここでもインド人民党の州首相候補はいまだ明らかでなく、数名の候補者が挙がる状態となっている。

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政権を去ることが確実となったフーダ・ハリヤナ州首相(国民会議派)

両州の選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

【マハラシュトラ州議会】#定数288
インド人民党 122(+76)
シヴ・セナ 63(+18)
国民会議派 42(-40)
国民主義会議党 41(-21)
大衆発展戦線 3(+1)
農民労働者党 3(-1)
全インド統一ムスリム評議会 2(+2)
インド共和党大衆大会派 1(±0)#ビームラーオ・アンベードカルの孫が率いる政党
インド共産党マルクス主義派 1(±0)
マハラシュトラ・ナヴニルマン・セナ 1(-12)
国民社会パクシャ 1(+1)#インド人民党と選挙協力
社会党 1(-2)
無所属 7

【ハリヤナ州議会】#定数90
インド人民党 47(+43)
インド国民ロク・ダル 19(-12)
国民会議派 15(-25)
ハリヤナ公益会議派 2(-4)
大衆社会党 1(±0)
アカリ・ダル 1(±0)
無所属 5

インド国民会議派 公式サイト(主に英語。ヒンディー語版、ウルドゥー語版あり)
http://inc.in/
2014-10-20

【モザンビーク】大統領選・議会選で解放戦線が勝利

15日、南部アフリカのモザンビークで大統領選挙および議会選挙(定数250、比例代表制)が行われ、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO、社会主義インター加盟政党)の勝利が確実な情勢となっている。
大統領選では解放戦線のゲブーサ大統領は憲法の規定によって3選出馬ができず、ニュシ前国防相が出馬した。対抗馬で保守派のモザンビーク民族抵抗(RENAMO)は内戦期からのRENAMO最高指導者であり、和平成立・民主化後も再三にわたって出馬を繰り返しているドラカマ議長が今回も出馬したが、かつて南アフリカのアパルトヘイト白人政権に支援されて内戦を戦ったイメージがいまだ払拭されず、今回も敗退することとなった。またRENAMOから穏健派が分派したモザンビーク民主運動(MDM)も伸びを欠いた。

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新大統領に当選確実のニュシ前国防相の演説

大統領選は暫定集計ではニュシ前国防相が約6割以上、ドラカマRENAMO議長が約3割強、残りがMDMのシマンゴ・ベイラ市長(ベイラは同国第二の港湾都市)となっている。議会選も比例代表制のため、同様の傾向とみられる。
モザンビークは旧宗主国ポルトガルの「カーネーション革命」後に独立を果たしたが、親東側のFRELIMO政権と反政府右派ゲリラのRENAMOのあいだで内戦が勃発。内戦は冷戦終結とともにRENAMOの大きな後ろ盾だった南アフリカのアパルトヘイト白人政権が瓦解したこともありFRELIMO政権がやや優勢の状況で和平が成立したのちにFRELIMOは社会主義インターに加盟、その後はFRELIMO政権が続いている。

モザンビーク解放戦線 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.frelimo.org.mz/
2014-10-18

【サントメ・プリンシペ】議会選で解放運動社民党が敗れる

12日、中部アフリカ大西洋岸沖に位置する島国、サントメ・プリンシペで議会選挙(定数55、比例代表制)が行われた。その結果、首相与党で中道の独立民主行動が勝利を収め、サントメ・プリンシペ解放運動社民党(MLSTP・PSD、社会主義インター加盟政党)は議席を減らし敗れた。
サントメ・プリンシペはフランス型の半大統領制を採用しており、大統領と議会に信任される首相が実権を分有している。現在の大統領は初代大統領でもあり、11年に選挙で復権したピント=ダ=コスタ大統領。同氏は74年の旧宗主国ポルトガルの「カーネーション革命」後に独立が認められたのち、解放運動(現在の解放運動社民党の前身)を率いて一党支配を行ったが、90年に複数政党制へ移管した。またピント=ダ=コスタ大統領の復権はかつての一党独裁政治の復権を思わせることもあったが、サントメ・プリンシペの有権者は非・大統領派に多数を与えることによりその懸念を払拭することとなった。

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ピント=ダ=コスタ大統領

今回の選挙結果により、新首相は過半数を獲得した独立民主行動から選出されると予想され(これまでは市民権発展民主同盟のコスタ氏が首相を務めていた)、出身母体のMLSTP・PSDが後退したピント=ダ=コスタ大統領はやや苦しい立場に置かれるとみられる。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

独立民主行動 33(+7)
サントメ・プリンシペ解放運動社民党 16(-5)
民主結集党 5(-2)
市民権発展民主同盟 1(+1)
2014-10-15

【ボリビア】反米左派で原発推進のモラレス現大統領が3選

12日、南米の内陸国ボリビアで大統領選挙および上下両院議員選挙が行われた。その結果、現職のモラレス大統領と反米左翼与党・社会主義運動(MAS)が圧勝することとなった。モラレス大統領の得票率は約6割に達し、2位のメディナ候補を寄せ付けなかった。モラレス大統領は事実上の首都ラパスで「反植民地主義者と反帝国主義者の勝利」と勝利宣言を行い、その勢いを見せつけた。

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反米左翼ながら原発を推進するモラレス大統領

モラレス大統領は初の先住民出身大統領で、その政権は天然ガスの国有化や輸出料金の値上げにより、好調な歳入を確保。その予算を福祉に回し、極貧層の半減を実現させた。いっぽう選挙戦終盤にはラパス郊外に約2000億円を投じ原子力発電所を建設する姿勢を明らかにしてもいる。理由としてはボリビア産のウランの存在を挙げ、さらなるエネルギーの自立によって福祉の向上を図ることを目的とするとみられる。憲法を改正しての大統領3選とあわせ、これを強引で危険視する意見も内外に存在する。しかし貧困からの脱出を夢みるボリビアの有権者は原発推進に肯定的な判断を下すこととなった。
なお下院(定数130、小選挙区併用式比例代表制)、上院(定数36、四人区制)とも、MASが絶対多数を占める見通しで、エネルギーの自立を中核にした福祉政策により南米最貧国からの脱出をめざす路線がさらに加速するとみられる。

社会主義運動 フェイスブックページ(スペイン語)
https://es-es.facebook.com/BoliviaMovimientoAlSocialismo
2014-10-12

【ベルギー】連立交渉の結果、ワロン・フラマン両社会党が下野

5月に欧州議会選挙と同日選で総選挙が行われたベルギーで11日、新首相となるミシェル改革運動(MR、ワロン系自由党)党首がフィリップ国王の前で宣誓、正式に首相に就任した。組閣に時間を要するベルギーでは今回も選挙から新政権樹立までに4ヶ月半を要した。新政権は改革運動のほか、フラマン語圏の3党である第1党の新フラームス同盟(N-VA、地域政党)、フラマン系キリスト教民主党(CD&V)、フラマン系自由党(Open VLD)の4党による中道右派連立となる。ワロン語圏の最大政党で第2党となった社会党(PS)、フラマン系社会党(sp.a)、ワロン系キリスト教民主党である人道民主センター(CDH)は下野した。これによりベルギー初の同性愛者首相として知られたPSのディルポ首相も下野することとなった。

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ミシェル新首相(改革運動…ワロン系自由党…党首)

ミシェル新首相は38歳で、ベルギーの歴史でも屈指の若い首相となる。ベルギーは財政収支が悪化しており、ユーロ危機の傷もまだ癒えないなか、その立て直しが急務となる。

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政権を追われたディルポ前首相(社会党…ワロン系…元党首)

なお各種選挙で比例代表制を採用し中小政党が分立するベルギーでは連立政権樹立の際にオランダなどと同じ「フォルマトゥール」(組閣担当役)システムを採用している。今回は第1党であるN-VAのデウェーヴェル党首をフィリップ国王が「インフォルマトゥール」(情報交換役)に指名したうえ、デウェーヴェル党首からインフォルマトゥールをミシェルMR党首にバトンタッチ(この背景にはワロン地域圏政府がPSとCDHの連立で成立したため、ワロン語圏でのPSの攻勢に驚きを感じたフラマン語圏中道右派政党が連邦レベルで反社会党で結束した事情があった)、ワロン1党・フラマン3党の4党の連立をまとめあげた。その後も誰が首相ポストに就くかで紆余曲折があったものの最終的にミシェル党首がCD&Vのペータース前フランデレン(フラマン語圏)政府首相と並んでフォルマトゥールに指名され、長期間の交渉の結果としてミシェル新首相が誕生した。

社会党(ワロン系) 公式サイト(ワロン語…フランス語の一方言)
http://www.ps.be/
フラマン系社会党 公式サイト(フラマン語…ドイツ語・オランダ語の一部とされる)
http://www.s-p-a.be/
2014-10-07

【ブルガリア】総選挙で中道右派が勝利、社会党大敗

5日、ブルガリアで国民議会(一院制議会)の総選挙(定数240、小選挙区比例代表並立制)が行われた。その結果、中道右派の「欧州発展のためのブルガリア市民」(GERB)が第1党となったほか、穏健右派の政党が国民議会入りを果たし、いっぽう与党・社会党(BSP)系政党連合は議席を半減させ惨敗、政権交代が確実となった。

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報道陣に囲まれながら投票するミコフ社会党党首

今回の選挙は前回、昨年5月の選挙で左右両派が120議席ずつと拮抗し、議会が機能不全に陥ったことを受けて行われた。これまでは社会党系の政党連合がトルコ系少数民族を代表する「権利と自由のための運動」(MRF)と組み、親ロシア極右派の「アタカ」(攻撃)から1~2票の賛成を得て政権を維持していたが、MRFとアタカはもともと水と油であり、長期政権を続けるには無理があった。そのため解散総選挙に打って出たのだが、社会党が議席を急減させるいっぽう、中道右派の「改革ブロック」(RB、民主勢力同盟など)、右派連合の「愛国戦線」、右派ポピュリストの「検閲なきブルガリア」、社会党を離党したパルヴァノフ前大統領が率いる「ブルガリア再生のための選択肢」が新たに議会入りを決めた。またアタカも議席を減らしながら維持した。

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ボリソフGERB党首(前首相)

今後の展開だが、GERBを軸とした親欧州派による連立政権の可能性がもっとも高いと見られ、ボリソフ前首相(GERB党首)の復帰が有力視される。RBの政権参加は確実と見られるが、他に欧州懐疑主義色のある右派2党を入れるか、もしくはMRFとの連立なども考えられる。また大連立の可能性も残る。しばらくは連立政権の構成をめぐって駆け引きが続きそうだ。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

欧州発展のためのブルガリア市民 84(-13)
社会党(および系列政党) 39(-45)
権利と自由のための運動 38(+2)
改革ブロック 23(政党連合としては初参加)
愛国戦線 19(政党連合としては初参加)
検閲なきブルガリア 15(新党)
アタカ 11(-12)
ブルガリア再生のための選択肢 11(新党)

ブルガリア社会党 公式サイト(ブルガリア語)
http://www.bsp.bg/
2014-10-07

【ブラジル】大統領選で現職ルセフ氏優位も決選投票へ

5日、ブラジルで大統領選挙、上下両院選挙、地方選挙がいっせいに行われた。注目の大統領選挙は現職の女性大統領である労働者党(PT)のルセフ大統領が1位となったが過半数に達せず、2位に滑り込んだ中道・ブラジル社会民主党(PSDB)党首のネヴェス上院議員(前ミナス・ジェライス州知事)とのあいだで決選投票が26日に行われることとなった。

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ルセフ大統領(労働者党)

ルセフ大統領は出身母体の最大与党で穏健反米左派のPT、中道派のブラジル民主運動党(PMDB)、中道左派の民主労働党(PDT、社会主義インター加盟政党)などとともに経済成長と福祉の両立を図ってきたが、急速に成長した中産階級が経済成長を求めて福祉重視の姿勢に批判的となり、さらにサッカーW杯においても不手際を重ね苦戦を強いられた。しかしPSDBの人気も広がらず、最終的には勝利すると思われていた。

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ネヴェス上院議員(ブラジル社会民主党党首)

ところが8月に3位につけていた中道左派のブラジル社会党(PSB)のカンポス大統領候補が飛行機事故で死亡、同党のシルヴァ副大統領候補(元環境相)がPSB大統領候補に昇格すると事態は一変。前回選挙で緑の党候補として善戦し環境派イメージの強い同候補が台風の目となって「シルヴァ・ブーム」が起き、ルセフ大統領と女性候補どうしの決選投票に持ち込まれたうえシルヴァ元環境相が勝利するという予測も続出し、ネヴェス上院議員も交え三つ巴の大混戦となった。

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シルヴァ元環境相(ブラジル社会党)

危機感を持ったルセフ陣営はシルヴァ・ブームが新興中産層の環境志向に支えられていることに目をつけ、シルヴァ元環境相では貧困層への福祉が削減されるとネガティヴ・キャンペーンを展開。いまだ大きく広がる貧困層の票田をまとめ直し、シルヴァ元環境相の追い落としに成功した。結果としてルセフ大統領は42%弱、ネヴェス上院議員は34%弱、シルヴァ元環境相が21%強となり、ルセフ、ネヴェス両候補が決選投票に進むこととなった。
26日に行われる決選投票ではシルヴァ票が分散するとみられ、ルセフ大統領の優位が予想されている。なお州知事選、上院選では各党がさまざまな提携を組み、また独自に立候補させるなど、情勢は混沌としている。下院選は比例代表制で行われている。

労働者党 公式サイト(ポルトガル語)
https://www.pt.org.br/
ブラジル社会民主党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.psdb.org.br/
ブラジル社会党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.psb40.org.br/
民主労働党 公式サイト(ポルトガル語)
http://pdt12.locaweb.com.br/
2014-10-05

【ラトビア】総選挙で社会民主党”調和”が第1党も政権入りはない方向

4日、バルト三国のひとつラトビアで総選挙(定数100、5%阻止条項つき比例代表制)が行われた。その結果、社会民主党”調和”が第1党を維持した。しかし中道の緑・農民同盟、中道右派の「統一」と三つ巴の接戦であり、さらに強硬右派の国民同盟も続くなど、波乱含みの政局が予想される。なお第二次大戦前以来のラトビア民族派の民主社会主義政党・社会民主労働者党(社会主義インター加盟政党)は政党連合「ラトビア地域協会」に加わり、同連合も議席獲得の方向。
社会民主党”調和”は社会民主主義を掲げると同時にロシア系住民の権益を代表する側面もある政党で、社会主義インターには加盟していないが、欧州議会では社民進歩会派に加わっている。なおこれまで社会民主党”調和”と政党連合”調和センター”を組んできた親・旧ソ連派の共産主義政党、ラトビア社会党は今回、立候補しなかった。また前回、財閥(オリガルヒ)支配を非難して新党ながら一挙に第2党となった改革党は今回「統一」の名簿に加わったものの、大きく議席を減らした。

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ウシャコフ社会民主党”調和”党首(首都リガ市長)

ラトビアではロシアへの警戒感から、親ロシア政党は政権入りできず野党にとどまる傾向にある。今回もウクライナ情勢でロシアへの不信がさらに高まるなか、それが維持される方向で、第1党の社会民主党”調和”を外した連立政権樹立が予想される。
なお投票率は57%強だった。

詳しい選挙結果は次のとおり(カッコ内は前回比)。

社会民主党”調和” 25(-6)
統一 23(-19)#前回比は「統一」と改革党の合計より算出
緑・農民同盟 21(+8)
国民同盟 17(+3)
心よりラトビアのために 7(新党)
ラトビア地域協会 7(新党)

”調和センター”公式サイト(ラトビア語)
http://www.saskanascentrs.lv
ラトビア社会民主労働者党 公式サイト(ラトビア語)
http://www.lsdsp.lv/
2014-10-01

【フランス】上院選で保守(右派)勝利、社会党敗北

9月28日、フランスで元老院(上院)選挙(定数348・3年ごと半数改選)の投開票が行われた。その結果、民衆運動連合(UMP)を中軸とする右派(保守)が過半数を奪還し、社会党(PS、社会主義インター・進歩同盟加盟政党)を中軸とするオランド政権はますます苦境に立たされることとなった。

ギヨーム
ギヨーム社会党上院議員団長

フランスの上院選挙は主に地方議員が軸の選挙人団による間接選挙で、その地方議員の圧倒多数は農村部の基礎自治体(コミューン。市町村に相当)が占めるため、もともと有権者の意思を直接反映するわけではなく、右派優位の構造にはなっている。このため「農業院」と呼ばれることもある。それでも前回、3年前の上院選では当時のサルコジ政権の失策に乗じて社会党ほか左派が過半数を獲得していたが今回、その多数を3年で失うこととなった。

ゴーダン
ゴーダン民衆運動連合上院議員団長(元マルセイユ市長)

また今回、間接選挙にも関わらず、躍進著しい極右・国民戦線(FN)が初めて議席を獲得したことも注目された。

改選後の各党議席は次のとおり(カッコ内は選挙前比)。

民衆運動連合(UMP)145(+15)#右派(保守)最大政党
社会党(PS)113(-15)#最大与党
民主独立同盟(UDI)38(+7)#中道派野党、「民主運動」など
共産・共和・市民(CRC)18(-3)#閣外協力
欧州民主社会集会(RDSE)12(-7)#与党寄り中道派
欧州エコロジー緑の党(EELV)10(±0)#閣外協力
国民戦線(FN)2(初進出)#極右
その他 10

社会党 公式サイト(フランス語)
http://www.parti-socialiste.fr/
プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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