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2014-02-25

【ウクライナ】ヤヌコビッチ政権が崩壊

反政府デモと政府側が衝突していたウクライナで22日、最高会議(国会)はヤヌコビッチ大統領の解任を決議した。翌23日、最高会議のトゥルチノフ議長が憲法に従い大統領代行に就任することも決まった。しかしヤヌコビッチ大統領は一連の事態を「クーデター」として認めておらず、今後はウクライナの国家分裂の可能性もはらんだ危ない情勢となっている。

これまでデモ隊と政府側治安部隊の力は首都キエフで拮抗していたが、治安部隊が急きょデモ隊の側につき、急転して政権崩壊の様相となった。しかしヤヌコビッチ大統領は地盤の東部ハリコフに滞在しているとみられ、いまだ今後の情勢は明確ではない。

最高会議はロシア語公用語化の廃止、ティモシェンコ元首相の釈放、5月の大統領選挙実施、旧与党・地域党と共産党の禁止などを矢継ぎ早に打ち出している。しかしこれらの決定には憲法上の疑義があるものもあり、今回の「革命」の行く先はまだ先が見えないのが現状だ。またガスの供給源である隣国ロシア・プーチン政権の出方も注目される。

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2014-02-18

【イタリア】レッタ首相辞任、レンツィ民主党書記長が新首相に

14日、イタリアのレッタ首相がナポリターノ大統領に辞表を提出した。レッタ首相は前日の13日、所属する民主党(進歩同盟加盟政党)のレンツィ書記長(フィレンツェ市長)らから党幹部会で政権の刷新を提案され9割近い圧倒多数で可決されるなど、出身母体からの突き上げによって退陣表明を余儀なくされていた。この政変を受けて各党と調整のうえ17日、ナポリターノ大統領はレンツィ民主党書記長を次期首相に指名し、39歳の新首相誕生となった。レッタ首相も就任時は46歳だったが、それより若いイタリア憲政史上で最年少の首相となる(これまでで一番若かったムッソリーニより年少)。いっぽうレッタ政権は大連立政権としてスタートしたのち中道右派を分裂させる手腕を見せたものの、1年弱の短命に終わった。レッタ首相は経済相への横滑りを提示されたものの拒否したと報じられている。

レンツィ書記長はこれまでも民主党内若手を率いる実力者だったが昨年12月、有権者一般参加の書記長(党首)選挙で選出されて以来、右派「フォルツァ・イタリア」のベルルスコーニ元首相と選挙制度改革(憲法裁判所から違憲判断を受けている)で合意するなど、国会上下両院議員でない地方首長ながらも矢継ぎ早の政治改革を打ち出していた。またレッタ首相が経済構造改革に苦戦するなか、当初は総選挙を経ずに首相に就任することに否定的だったが、青年層を巻き込んで高まるレンツィ・ブームを前に倒閣へ舵を切った。レンツィ書記長はそのカリスマ性や「経済政策は右派、社会政策は左派」といった「第三の道」的な姿勢からブレア元英首相になぞらえられることが多く、本人もそれを好んでいるという。なおイタリアでは首相が国会議員である必要はない。これについてイタリアで名高い保守系高級紙コリエーレ・デラ・セーラは「『普通』の欧州諸国では選挙に勝った後で首相になるが、イタリアでは違うのだ」と皮肉った。

いっぽうレッタ首相の経済構造改革の遅れを批判してきた経済界は今回の動きを歓迎する方向。だがレンツィ書記長が同性カップル推進の立場であることから、カトリック教会筋には批判的な動きもあり、ベルルスコーニ元首相と袂を分かってレッタ政権に協力してきたアルファノ副首相の「新中道右派」は民主党の左側に位置し特に同性婚に積極的な「左翼・環境・自由」が新政権入りするなら入閣しない、として牽制してきた。民主党系の政党連合「イタリア共通善」は下院では単独過半数を占めているが、上院ではモンティ派の中道「市民の選択」を足しても過半数を占めておらず「新中道右派」抜きの政権樹立は難しい情勢。このほかに野党「五つ星運動」の切り崩しを模索しているとも報じられている。

いずれにせよレンツィ新首相は民主党にとって、またレンツィ氏自身にとっても「賽を投げ、ルビコン川を渡る」大きな決断、賭けだといえよう。

民主党 公式サイト(イタリア語)
http://www.partitodemocratico.it/

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2014-02-06

【エルサルバドル】大統領選でサンチェスセレン副大統領が優勢

2日、中米エルサルバドルで大統領選挙が行われた。長期にわたった内戦の末、前回の大統領選挙で初めて政権を獲得した元左翼ゲリラ組織のファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)はサンチェスセレン副大統領を立候補させ、また与党経験の豊富な右派・民族共和同盟(ARENA)はキハノ・首都サンサルバドル前市長を擁立して激戦となった。開票の結果、サンチェスセレン副大統領は49%弱を得票したものの当選に必要な過半数にわずかに及ばず、最終結果は3月9日に予定される決選投票に持ち越されることとなった。なおキハノ前市長の得票は39%弱で、残りのほとんどは第三勢力であるサカ前大統領(統一運動)が獲得した。サカ前大統領は右派ARENAの大統領だったが、退任後に在職中の汚職疑惑がささやかれる一方でFMLNとの協調を打ち出し、ARENAから追放された経緯を持つ。なおFMLN初の現職となったフニェス大統領は憲法の連続再選禁止規定により立候補していない。

上の情勢からサカ前大統領が獲得した票はサンチェスセレン、キハノ両候補に二分されると予想され、決選投票も激戦が予想されるもののサンチェスセレン副大統領が優勢だとみられる。なおFMLNは左翼ゲリラ時代にはマルクス主義的な政治組織連合だったが、現在は穏健化し単一の政党となっている。いずれにせよ中南米における反米左派政権の消長をみるうえで指標となる選挙戦となりそうだ。

ファラブンド・マルティ民族解放戦線 公式サイト(スペイン語)
http://www.fmln.org.sv/

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2014-02-05

【コスタリカ】大統領選は中道左派どうしの決選投票へ

2日、中米コスタリカで大統領選挙および議会選挙が行われた。

大統領選では当選に必要とされる40%に達する候補は出ず、民主社会主義の与党・国民解放党(PLN、社会主義インター加盟政党だが、日本の報道では中道右派視されることがある)のアラヤ・首都サンホセ市長と中道左派でキリスト教社会主義的な市民行動党(PAC)のソリス元PLN書記長が双方とも約30%の得票で4月6日の決選投票にコマを進めることとなった。アラヤ市長は国民解放党の与党としての立場を活かし、またソリス候補はかつて属していたPLNの汚職体質を批判し、激しい選挙戦となった。また3位には左派・拡大戦線(FA)のヴィラルタ国会議員が約17%の得票で、4位には右派リバタリアンの自由運動党(PML)を創設して何度も立候補しているゲバラ候補が11%で続いた。決選投票ではこれらの候補の獲得票がどちらに向かうかがカギとなる。なお初の女性大統領である現職のチンチーリャ大統領は再選禁止規定のため立候補していない。

立法議会(一院制国会)議員選挙(定数57、比例代表制)でも同様の結果となる見通しで、PLNとPACの接戦となるとみられる。

国民解放党 公式サイト(スペイン語)
http://www.plncr.org/
市民行動党 公式サイト(スペイン語)
http://www.pac.cr/

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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