2007-01-24
【セルビア】民主党が躍進し新連立の軸へ
21日に行われたセルビア議会選挙(定数250、比例代表制)の結果、極右民族主義のセルビア急進党(SRS)が前回選挙に引き続き第1党を確保したものの過半数には及ばなかったいっぽう、タディッチ大統領率いる中道左派・社会主義インター加盟政党の民主党(DS)が大きく躍進し第2党を確保、極右派を排除しての連立となる新政権形成の主導権を握ることとなった。
民主党は旧ミロシェビッチ派に暗殺された故ジンジッチ元首相がミロシェビッチ時代から長く指導者だった政党で、社会主義インター加盟政党との国際的な関係も活かし欧州派の中道左派として活動してきた。今後は第3党となった穏健右派のセルビア民主党(DSS、ミロシェビッチ政権崩壊の立役者となったコシュトニッツァ首相・元ユーゴ大統領が党首)との提携が見込まれる。
モンテネグロの独立により旧ユーゴが完全解体した後、初の議会選挙となった今回だが、旧ユーゴ内戦や故ミロシェビッチ元大統領の扱いをめぐって国内に根強い反欧米感情を残すなかで、同国世論の分裂が示される結果となった。なお旧ミロシェビッチ体制を支えた左翼民族主義のセルビア社会党(SPS)も議席を確保したが、ミロシェビッチ時代からの反体制派で王党派民族主義のドラシュコビッチ外相が率いるセルビア再生運動(SPO)は前回選挙後の分裂内紛のため全議席を失った。
暫定的な選挙結果は次の通り。(カッコ内は前回との比較)
セルビア急進党 81(-1、極右民族派)
民主党 65(+28、中道左派)
セルビア民主党 47(-8、穏健右派)
G17プラス 19(-15、中道右派)
セルビア社会党 16(-6、左翼民族派)
自由民主党・市民同盟・社会民主同盟・ヴォイヴォディナ社会民主連盟
15(+15、中道派連合。前回は民主党と統一名簿)
ヴォイヴォディナ・ハンガリー系同盟 3(+3)
サンジャク連合リスト 2(初参加)
セルビア・ロマ同盟 1(初参加)
ロマ党 1(初参加)
民主党(セルビア語)
http://www.ds.org.yu/sr/index.php
民主党は旧ミロシェビッチ派に暗殺された故ジンジッチ元首相がミロシェビッチ時代から長く指導者だった政党で、社会主義インター加盟政党との国際的な関係も活かし欧州派の中道左派として活動してきた。今後は第3党となった穏健右派のセルビア民主党(DSS、ミロシェビッチ政権崩壊の立役者となったコシュトニッツァ首相・元ユーゴ大統領が党首)との提携が見込まれる。
モンテネグロの独立により旧ユーゴが完全解体した後、初の議会選挙となった今回だが、旧ユーゴ内戦や故ミロシェビッチ元大統領の扱いをめぐって国内に根強い反欧米感情を残すなかで、同国世論の分裂が示される結果となった。なお旧ミロシェビッチ体制を支えた左翼民族主義のセルビア社会党(SPS)も議席を確保したが、ミロシェビッチ時代からの反体制派で王党派民族主義のドラシュコビッチ外相が率いるセルビア再生運動(SPO)は前回選挙後の分裂内紛のため全議席を失った。
暫定的な選挙結果は次の通り。(カッコ内は前回との比較)
セルビア急進党 81(-1、極右民族派)
民主党 65(+28、中道左派)
セルビア民主党 47(-8、穏健右派)
G17プラス 19(-15、中道右派)
セルビア社会党 16(-6、左翼民族派)
自由民主党・市民同盟・社会民主同盟・ヴォイヴォディナ社会民主連盟
15(+15、中道派連合。前回は民主党と統一名簿)
ヴォイヴォディナ・ハンガリー系同盟 3(+3)
サンジャク連合リスト 2(初参加)
セルビア・ロマ同盟 1(初参加)
ロマ党 1(初参加)
民主党(セルビア語)
http://www.ds.org.yu/sr/index.php
2007-01-20
2007-01-12
【オーストリア】グーゼンバオアー首相が誕生
昨年10月1日の総選挙から連立交渉が進められていたオーストリアで11日、グーゼンバオアー社民党党首が正式に首相に就任した。
昨年10月の下院総選挙の結果、オーストリア社民党(SPO)は第1党に復帰したものの得票率は36%にとどまり、同じく穏健左派系の緑の党との連立でも過半数に届かなかった。このためグーゼンバオアー政権は、これまで政権党だった保守・国民党との2大政党による大連立となった。社民党首相は 2000年までのクリマ首相以来、7年ぶり。また国際社会から批判されてきた極右政党の政権参加は終結することとなった。
大連立であるため、副首相には国民党のモルテラー暫定党首が財務相兼任で就任。このため財政面では均衡財政政策が継続される見通しとなっており、社民党が政策としてきた社会政策の拡大など積極財政策は難しい情勢ともなった。
==========
第1党・第2党は逆ですが、隣国ドイツと同様の保革大連立が成立しました。もっとも大連立はドイツと違い緊急事態ではなく、両党は政府ポストを比例配分で割り振ってきた「プロポルツ」の歴史もあります…スイスなども大政党による連立が続いていて政党間の政権交代がありませんが、小国ゆえ大連立が恒常化しても民主性が維持される、ということでしょうか。いずれにせよ今後どういった政策が実行されるのか、また打ち出せないのか、注目していきたいと思います。
オーストリア社会民主党(ドイツ語)
http://www.spoe.at/
昨年10月の下院総選挙の結果、オーストリア社民党(SPO)は第1党に復帰したものの得票率は36%にとどまり、同じく穏健左派系の緑の党との連立でも過半数に届かなかった。このためグーゼンバオアー政権は、これまで政権党だった保守・国民党との2大政党による大連立となった。社民党首相は 2000年までのクリマ首相以来、7年ぶり。また国際社会から批判されてきた極右政党の政権参加は終結することとなった。
大連立であるため、副首相には国民党のモルテラー暫定党首が財務相兼任で就任。このため財政面では均衡財政政策が継続される見通しとなっており、社民党が政策としてきた社会政策の拡大など積極財政策は難しい情勢ともなった。
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第1党・第2党は逆ですが、隣国ドイツと同様の保革大連立が成立しました。もっとも大連立はドイツと違い緊急事態ではなく、両党は政府ポストを比例配分で割り振ってきた「プロポルツ」の歴史もあります…スイスなども大政党による連立が続いていて政党間の政権交代がありませんが、小国ゆえ大連立が恒常化しても民主性が維持される、ということでしょうか。いずれにせよ今後どういった政策が実行されるのか、また打ち出せないのか、注目していきたいと思います。
オーストリア社会民主党(ドイツ語)
http://www.spoe.at/
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