<

![endif]-->

fc2ブログ
2006-05-29

【コロンビア】右派ウリベ大統領再選、左派に新しい動きも

 内乱と暴力に揺れる南米コロンビアで28日に行われた大統領選の投開票の結果、治安対策に辣腕を振るってきた親米右派の現職、アルバロ・ウリベ大統領(写真)が過半数を上回る得票で再選を果たした。コロンビアで大統領が再選したのは初めて。
 中央選管の発表(開票率99%)ではウリベ大統領は得票率62%強を獲得。民主改革党を核に旧ゲリラを含めた左派が結集した「新民主の軸」候補のカルロス・ガビリア上院議員(元憲法裁判所長官、得票率22%)と、3月の国会選で下院第1党を維持した社会主義インターに加盟する中道左派・自由党候補のオラシオ・セルパ元内相(同12%弱)を大きく引き離し圧勝した。
 左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)や麻薬マフィアによる暴力やテロが吹き荒れる同国で、ウリベ大統領は米ブッシュ政権の支援を得て年間3万件(!)にのぼっていた殺人をほぼ半減させ、左翼ゲリラを抑えこんで投資の拡大を呼ぶなど、治安面での実績が評価された。
 いっぽう人権侵害が問題視されてきた右派民兵には穏和な姿勢での武装解除にとどめており、こうした政権の姿勢への不満が伝統左派の自由党ではなく、新興左派が推すガビリア候補に寄せられた。
=======
 反米左派が勢いを増す最近の中南米では珍しい親米右派の圧勝となりましたが、過去40年も内戦状況とテロの応酬が続いてきたコロンビアの治安を考えると、選挙どころではなかったのが実情でしょうね。そのなかでも組織戦の議会選挙と候補者のイメージが物をいう大統領選挙の結果が食い違うのが興味深いところです。

theme : 海外ニュース
genre : ニュース

2006-05-18

【イタリア】プロディ元首相、首相に返り咲き

選挙結果をめぐり紆余曲折があったイタリアで10日に就任したばかりのナポリターノ大統領(前終身上院議員、左翼民主党)が16日、正式に中道左派「連合」のロマーノ・プロディ元首相(前欧州委員長)を首相に指名。プロディ氏はこれを受けて25名の閣僚名簿を提出、副首相にダレマ左翼民主党委員長(外相兼任、元首相)とルテッリ・マルゲリータ党代表(文化相兼任、元ローマ市長)をあてた。また経済・財務相に民間人のパドアスキオッパ元欧州中央銀行理事を起用した。
中道右派「自由の家」を率いたベルルスコーニ前首相は選挙結果を認めず徹底抗戦していたが、今月に入ってようやく辞表を提出していた。今後、僅差ではあるが中道左派が過半を占める上下両院での信任を経て、中道左派新政権が本格始動する見通し。だが、特に中道右派とわずか2議席差の上院では無党派とされる終身上院議員の支持が必要で、政権の安定性に不安も残る。前回の首相就任時は中道・左派内の争いで政権が崩れたこともあり、慎重な政局運営を強いられそうだ。

theme : 海外ニュース
genre : ニュース

2006-05-16

【ドイツ】社民党党首が交代、ベック氏が新党首に

先月、健康上の理由でドイツ社会民主党(SPD)党首を辞任したブランデンブルク州のマティアス・プラツェク州首相の後任として、同党大会は14日、暫定党首のラインラント・ファルツ州のクルト・ベック州首相を正式に党首に選出した。
プラツェク州首相は就任して5ヶ月。旧東独出身者初のSPD党首となり大連立を組むキリスト教民主同盟のメルケル首相と並んで旧東独出身者の進出を印象づけたが、無念の交代となった。
いっぽうベック新党首は今年に入ってからのラインラント・ファルツ州議選で州首相としてSPDに絶対多数を獲得する勝利をもたらした。
ベック新党首もプラツェク前党首と同様に中道寄り路線と大連立を支持する見通しで、ドイツ政局に大きな影響はない模様。

theme : 海外ニュース
genre : ニュース

2006-05-12

【インド】州議選で中道・左派、ジャナタ・ダル等が前進

 インドの西ベンガル、タミルナドゥ、ケララ、アッサム4州の州議会選挙が11日に開票された。カルカッタを州都とする西ベンガル州では左派共産党の主導する左翼戦線(LF)が7期連続の州政権を確実にし、チェンナイ(マドラス)を州都とするタミルナドゥ州ではカルナーニディ元首相のドラヴィダ進歩同盟を軸とする中道・左派の民主進歩同盟(DPA)が政権を奪還。またケララ州では左派共産党を軸とする左翼民主戦線(LDF)が国民会議派主導の現政権を破った。アッサム州は国民会議派系の連立となる見通し。
 社会主義インター加盟政党のジャナタ・ダル(世俗派)はケララ州で左翼民主戦線に加わり与党の一角を占めることとなったほか、各地でジャナタ・ダルから分岐した中道左派政党が政権に加わる見通しとなっている。
 インドでは2月にカルナータカ州でジャナタ・ダル(世俗派)党首のゴウダ元連邦首相の息子、クマラスワミ氏が党主流派(および父親)の方針に反してジャナタ・ダル所属州議会議員の多くを率い、ヒンズー右派・インド人民党(BJP)との左右連立州政権を樹立して州首相に就任した。ジャナタ・ダル勢力はヒンズー右派、中道の国民会議派、左翼の共産党系のあいだで国際的な報道は地味ながらも重要な役割を果たしている。
 なおインド中部ラエ・バレリで兼職違反の規定から一時、連邦下院議員を辞職したソニア・ガンジー国民会議派総裁の補欠選挙も同時に行われ、ソニア総裁が自身の辞職に伴う補欠選挙を制し下院返り咲きを果たした。
=======

インドは憲法の冒頭に民主主義、世俗主義などと並んで社会主義を掲げるなど、国として民主社会主義、社会民主主義的な方向を標榜しているのですが、そのわりにはインドを引っ張ってきた国民会議派が社会主義インターには加盟していなかったりします。会議派の改革派が約20年前に離脱して結成したジャナタ・ダルが参加しているあたり、日本の民主党にも重なりそうな複雑な事情がいろいろとありそうです。

theme : 海外ニュース
genre : ニュース

プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー