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2010-01-28

【スリランカ】大統領選挙で現職ラジャパクサ氏が再選

26日にスリランカで大統領選挙が行われた。今回の選挙は昨年、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)との内戦が政府側の軍事的勝利のうちに終結したことを受けて現職・ラジャパクサ大統領が繰り上げ選挙に踏み切って行われたもの。社会主義インターには非加盟ながら民主社会主義を掲げるスリランカ自由党を軸とする中道左派連合「統一人民自由同盟」が推すラジャパクサ大統領に対し、昨年までの対LTTE軍事作戦を軍人として指揮したフォンセカ国軍前参謀長が保守中道・統一国民党や国内多数派シンハリ人の民族主義左翼・人民解放戦線などの左右統一野党候補として挑む図式となった。
開票の結果はラジャパクサ大統領が58%弱の得票で40%強のフォンセカ前参謀長を抑え、選挙管理委員会は同大統領の当選を発表した。フォンセカ前参謀長は自身はシンハリ人ながらタミル人有権者が多い北部や東部、および都市部で得票を伸ばしたものの、陣営が反ラジャパクサ大統領の寄り合い所帯であることや、ラジャパクサ陣営からの「軍人の政権は危険」という批判をかわし切れなかった。しかしフォンセカ前参謀長は「不正選挙」を訴えて結果を認めず異議を申し立てる姿勢を示しており、政権側の軍部隊が前参謀長の滞在先を包囲するなど、混乱が長期化する可能性もある。また今後、内戦終結後も残るタミル人避難民の再定住問題や内戦時の戦争犯罪容疑への対処など、国内の民族間融和が新政権の重要課題となるとみられる。
なお投票率は全国で約75%だったが、タミル人有権者の多い北部で4割以下に留まるなど地域差が大きく、フォンセカ前参謀長の得票が伸び悩む一因となった。

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2010-01-28

【セントクリストファー・ネイビス】総選挙で労働党が第1党を維持

25日にカリブ海の小国、セントクリストファー・ネイビスで総選挙(総議席15、小選挙区制が基本)が行われた。その結果、ダグラス首相が率いるセントキッツ・ネイビス労働党(社会主義インター加盟政党)が約47%の得票で6議席を獲得し、前回の7議席からは後退したものの第1党を確保。1995年から任に就いているダグラス首相の続投が濃厚な情勢となった。ほかに中道の人民行動運動が2議席、ネイビス島の市民有志運動が2議席、同じくネイビス島の改革党が1議席となった。残りのうち3名は総督によって指名され(2名は首相の推薦、1名は野党の推薦による)、1名は司法長官が就任する。
セントクリストファー・ネイビスではセントクリストファー島、ネイビス島のそれぞれで2大政党制となっており、国全体では都合4政党が存在する状態となっている。

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2010-01-18

【ウクライナ】大統領選は前現首相による決選投票へ

ウクライナで17日、大統領選挙の第1回投票が行われた。出口調査によると親ロシア派で社会主義経済的な主張傾向を持つ「地域党」のヤヌコビッチ元首相が3割以上の票を獲得して首位に立ち、続いて「オレンジ革命」の立役者でもあり親欧米派ながら最近はロシア寄りの言動も目立つティモシェンコ現首相が約25%の票で続いている。「オレンジ革命」の主役で親欧米派の現職、ユーシェンコ大統領は約5%の得票に留まり敗退が確実となった。ユーシェンコ氏は一貫しない政治姿勢や経済面での失政、ロシアとの対立激化などで有権者からの支持を失うこととなった。
ヤヌコビッチ元首相は旧ソ連時代の国営企業長出身で、ソ連時代からの経済テクノクラートと親ロシア意識の強い東部の住民を支持基盤にもつ。いっぽうティモシェンコ元首相はソ連崩壊後の民営化に乗じ、特にガス取引で財を成した新興企業家の出身で、社会民主党からも支援されるなど西欧社民主義的な傾向ももつ。今後は決選投票にむけ「オレンジ革命の政権は終わった」と自信を見せ先行するヤヌコビッチ前首相に対し、親欧米派の支援も受けるティモシェンコ首相がどこまで追いすがれるかが注目される。ただ、どちらが当選するにせよウクライナの外交姿勢はロシア寄りに修正されるとの観測が強い。

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2010-01-18

【チリ】大統領選決選で中道左派フレイ元大統領が敗北

南米チリで17日、大統領選挙の決選投票が行われた。中道・左派連合「民主主義のための政党盟約」が推すフレイ元大統領は得票率48%強にとどまり、右派連合「変革のための同盟」が推すピニェラ元上院議員の52%弱に及ばず、返り咲きはならなかった。ピノチェト軍事政権からの民政復帰後、20年にわたり一貫して中道・左派連合が政権を担ってきたチリで、右派への政権交代が起きることとなった。フレイ元大統領は第1回投票で分散した中道・左派の支持をまとめきれなかった。
左派政権が主流となっている南米で、ほかの諸国に今回の結果が波及するかどうかが注目されるが、チリは昨年末、南米諸国で初めて経済協力開発機構(OECD)に加盟するなど経済発展・先進国化が著しく中所得者の層も厚めで、貧困・格差問題が深刻なほかの諸国とは一線を画しているという見方もある。また上下両院選の結果では中道左派と右派が拮抗したこともあり、大きな政策転換はないとする予測も強い。

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2010-01-11

【クロアチア】社会民主党・ヨシポビッチ氏が大統領に当選

10日に行われたクロアチア大統領選挙の決選投票で、野党第1党・社会民主党(社会主義インター加盟政党)のヨシポビッチ候補(国会議員)が6割強の得票を獲得し当選を確実にした。社会民主党を離れたバンディッチ・ザグレブ(首都)市長は4割弱の得票にとどまり、同市長も敗北を認めた。クロアチア大統領の任期は5年。今回の選挙でコソル首相率いる与党・クロアチア民主共同の候補、ヘブラング元保健相が有権者の批判を浴び第1回投票で敗北したことで、次の議会総選挙で与野党逆転による政権交代の可能性が強まったとの見方もある。
ヨシポビッチ候補は52歳。1980年に当時の共産主義者同盟に入党、その後のクロアチア独立の際には同党の社会民主党への移行に重要な役割を果たした。法学者として、また作曲家としても知られる。首相を行政の長とする議院内閣制を採用しているクロアチアで、新大統領は主に名誉職的・儀礼的な役割を担うこととなる。
なお決選投票の投票率は第1回投票より上昇し、50%をわずかに越した。

ヨシポビッチ候補 公式サイト(クロアチア語)
http://josipovic.net/

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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