2014-10-27
【ブラジル】大統領選決選でルセフ大統領が再選
26日、ブラジルで大統領選挙の決選投票が行われ、現職のルセフ大統領(労働者党)がブラジル社会民主党のネヴェス党首を下して勝利した。しかし票差はわずか3%の僅差で、ルセフ政権に対する不満が示されることとなった。労働者党は前職のルーラ前大統領からルセフ大統領へ引継いで、16年の長期政権を実現することになる。
ルーラ前大統領(右)と高く手を掲げて再選を祝うルセフ大統領
労働者党は反米左翼ながら穏健派で、福祉と経済成長の両立を図ってきたが、その結果として成長した中産階級がネヴェス支持に回り、従来からの支持者であり手厚い福祉を求める貧困層がルセフ支持に留まる皮肉な現象となっていた。さらにサッカーW杯開催の不手際、第1回投票でのシルヴァ元環境相(ブラジル社会党)の善戦(のちネヴェス支持を表明)も重なり、苦戦を強いられたが、最後は貧困層への現金給付など手厚い福祉を強調することで勝利につなげた。
とはいえ今回のネヴェス候補の善戦はルセフ政権には黄信号となり、4年後の次回選挙は大激戦となることが予想される。
労働者党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.pt.org.br/
ルーラ前大統領(右)と高く手を掲げて再選を祝うルセフ大統領
労働者党は反米左翼ながら穏健派で、福祉と経済成長の両立を図ってきたが、その結果として成長した中産階級がネヴェス支持に回り、従来からの支持者であり手厚い福祉を求める貧困層がルセフ支持に留まる皮肉な現象となっていた。さらにサッカーW杯開催の不手際、第1回投票でのシルヴァ元環境相(ブラジル社会党)の善戦(のちネヴェス支持を表明)も重なり、苦戦を強いられたが、最後は貧困層への現金給付など手厚い福祉を強調することで勝利につなげた。
とはいえ今回のネヴェス候補の善戦はルセフ政権には黄信号となり、4年後の次回選挙は大激戦となることが予想される。
労働者党 公式サイト(ポルトガル語)
http://www.pt.org.br/
2014-10-27
【ウクライナ】議会選でポロシェンコ大統領与党が勝利
26日、ウクライナで最高会議(一院制議会・定数450、小選挙区比例代表並立制)が行われた。その結果、ポロシェンコ大統領与党「ペトロ・ポロシェンコ・ブロック」(クリチコ・首都キエフ市長の「UDAR」も合流している)が勝利し、ヤツェニュク首相率いる「人民戦線」などと親欧米派の連立政権を組むことが確実な情勢となっている。親ロシア派では「野党ブロック」が5%阻止条項を上回り、辛うじて議会入りすることが確実となったが、共産党は議会から姿を消す情勢。
ポロシェンコ大統領
「ポロシェンコ・ブロック」は、もともとポロシェンコ大統領が所属していたウクライナ社会民主党統一派が「連帯」として改組したものをさらに改称したもので、もともとは名前のとおり社会民主主義政党だったが、現在はポロシェンコ大統領を個人的に支持する「プラグマティズムの党」となっており、親欧米路線のいっぽう、東ウクライナ紛争の平和的解決も掲げ、民族主義強硬派勢力とは一線を画している。
小選挙区も含めた最終結果は今後、発表される予定。
ポロシェンコ大統領
「ポロシェンコ・ブロック」は、もともとポロシェンコ大統領が所属していたウクライナ社会民主党統一派が「連帯」として改組したものをさらに改称したもので、もともとは名前のとおり社会民主主義政党だったが、現在はポロシェンコ大統領を個人的に支持する「プラグマティズムの党」となっており、親欧米路線のいっぽう、東ウクライナ紛争の平和的解決も掲げ、民族主義強硬派勢力とは一線を画している。
小選挙区も含めた最終結果は今後、発表される予定。
2014-10-27
【ボツワナ】総選挙で保守与党勝利も社民系伸ばす
24日、南部アフリカの内陸国ボツワナで下院総選挙(公選定数57、小選挙区制)が行われ、カーマ大統領の率いる保守系のボツワナ民主党が独立以来の連勝を重ねたものの、ボツワナ国民戦線(社会主義インター加盟政党)やボツワナ人民党など野党が選挙連合「民主変革の傘」を組んで前進、議席差が縮まる結果となった。
ボツワナ民主党はこれまでダイヤモンドなど豊富な鉱産資源をもとに経済の高度成長と安定した統治を実現してきたが、それは主に小選挙区制によって選出された議会が選出する大統領制度を採用していることによるもので、今回、野党勢力の合計票はボツワナ民主党を上回った。しかし野党が「民主変革の傘」とボツワナ会議党(民主社会主義)に分かれているため、結果としてボツワナ民主党が議会の過半数を獲得するに至った。この結果、カーマ大統領が2期目の就任をすることになる。なお同国では大統領の任期は過去の野党の活動および交渉により現在は2期10年までとなっている。
ボツワナは上院が部族酋長の合議体となっているなど、現在も保守的な統治形態が強いものとなっているが、そのなかでも野党が獲得票においては与党を上回ったことが注目される。
詳しい選挙結果は次のとおり。
ボツワナ民主党 37(-8)
民主変革の傘 17(+11)#前回はボツワナ国民戦線
ボツワナ会議党 3(-1)
非公選議席 6
民主変革の傘 フェイスブックページ(英語)
https://www.facebook.com/BooneBokciiKatlegoMosiane
ボツワナ会議党 公式サイト(英語)
http://www.botswanacongressparty.org.bw/
ボツワナ民主党はこれまでダイヤモンドなど豊富な鉱産資源をもとに経済の高度成長と安定した統治を実現してきたが、それは主に小選挙区制によって選出された議会が選出する大統領制度を採用していることによるもので、今回、野党勢力の合計票はボツワナ民主党を上回った。しかし野党が「民主変革の傘」とボツワナ会議党(民主社会主義)に分かれているため、結果としてボツワナ民主党が議会の過半数を獲得するに至った。この結果、カーマ大統領が2期目の就任をすることになる。なお同国では大統領の任期は過去の野党の活動および交渉により現在は2期10年までとなっている。
ボツワナは上院が部族酋長の合議体となっているなど、現在も保守的な統治形態が強いものとなっているが、そのなかでも野党が獲得票においては与党を上回ったことが注目される。
詳しい選挙結果は次のとおり。
ボツワナ民主党 37(-8)
民主変革の傘 17(+11)#前回はボツワナ国民戦線
ボツワナ会議党 3(-1)
非公選議席 6
民主変革の傘 フェイスブックページ(英語)
https://www.facebook.com/BooneBokciiKatlegoMosiane
ボツワナ会議党 公式サイト(英語)
http://www.botswanacongressparty.org.bw/
2014-10-27
【ボスニア・ヘルツェゴヴィナ】総選挙で民族派が躍進、社民派後退
12日、旧ユーゴで悲惨な内戦の傷がいまだ残るボスニア・ヘルツェゴヴィナで幹部会(集団大統領、各民族より1名・計3名)選挙および下院総選挙(42議席、構成体別比例代表制)、同国を構成するボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦(ムスリム人(ボシュニャク人)・クロアチア人主体)およびスルプスカ共和国(セルビア人主体)の総選挙が行われた。選挙前から同国内で続いていた暴動・混乱が完全には収束しないまま選挙に突入したため、いまだ最終結果は出ていないが、各民族の民族派が伸張し、社民派が後退する結果となった。
ツズラ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦)で焼き討ちにあった政府ビル
これまでボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦では多民族政党で社民派のボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(社会主義インター加盟政党、旧共産主義者同盟も合流している)とムスリム人(ボシュニャク人)を代表する中道右派・イスラム民主主義の民主行動党、クロアチア人を代表するクロアチア民主同盟ボスニア・ヘルツェゴヴィナが三つ巴の状況だったが、今回選挙を前異にして社会民主党から新党「民主戦線」が分裂、社民派が勢力を失い、民主行動党のバキル・イゼトベゴヴィチ幹部会員(再選、アリヤ・イゼトベゴヴィチ初代大統領の長男)およびクロアチア民主同盟(隣国クロアチアの政党の友党)のチョヴィチの保守両候補が幹部会選挙での当選をほぼ確実にしている。
いっぽうスルプルカ共和国では幹部会選挙は中道右派民族主義のセルビア民主進歩党およびセルビア民主党(戦犯容疑の強い政党)のイワニッチ候補と中道左派民族主義で独立社会民主同盟(民族主義的傾向の強さから社会主義インターから関係を断たれた)および社会党が推すスヴィヤノヴィチ・スルプスカ共和国首相が大接戦を演じており、いまだ確定していない。
下院選挙およびボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦、スルプスカ共和国の両議会選挙でも同様の結果となっており、各民族派の進出が目立っている。雇用不安などから発生した暴動によって再発した民族間の不和がこうした形であらわれたとみられる。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(セルボ・クロアチア語)
http://www.sdp.ba/
民主戦線 公式サイト(セルボ・クロアチア語)
http://www.demokratskafronta.ba/
独立社会民主同盟 公式サイト(セルビア語)
http://www.snsd.org/
(スルプルカ共和国)社会党 公式サイト(セルビア語)
http://www.socijalisti.ba/
ツズラ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦)で焼き討ちにあった政府ビル
これまでボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦では多民族政党で社民派のボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(社会主義インター加盟政党、旧共産主義者同盟も合流している)とムスリム人(ボシュニャク人)を代表する中道右派・イスラム民主主義の民主行動党、クロアチア人を代表するクロアチア民主同盟ボスニア・ヘルツェゴヴィナが三つ巴の状況だったが、今回選挙を前異にして社会民主党から新党「民主戦線」が分裂、社民派が勢力を失い、民主行動党のバキル・イゼトベゴヴィチ幹部会員(再選、アリヤ・イゼトベゴヴィチ初代大統領の長男)およびクロアチア民主同盟(隣国クロアチアの政党の友党)のチョヴィチの保守両候補が幹部会選挙での当選をほぼ確実にしている。
いっぽうスルプルカ共和国では幹部会選挙は中道右派民族主義のセルビア民主進歩党およびセルビア民主党(戦犯容疑の強い政党)のイワニッチ候補と中道左派民族主義で独立社会民主同盟(民族主義的傾向の強さから社会主義インターから関係を断たれた)および社会党が推すスヴィヤノヴィチ・スルプスカ共和国首相が大接戦を演じており、いまだ確定していない。
下院選挙およびボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦、スルプスカ共和国の両議会選挙でも同様の結果となっており、各民族派の進出が目立っている。雇用不安などから発生した暴動によって再発した民族間の不和がこうした形であらわれたとみられる。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ社会民主党(セルボ・クロアチア語)
http://www.sdp.ba/
民主戦線 公式サイト(セルボ・クロアチア語)
http://www.demokratskafronta.ba/
独立社会民主同盟 公式サイト(セルビア語)
http://www.snsd.org/
(スルプルカ共和国)社会党 公式サイト(セルビア語)
http://www.socijalisti.ba/
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