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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2014.01
24
CM:6
TB:0
12:07
Category : 未分類
 下手な新造艦よりも、ペリー級のほうがよい。

 台湾がペリー級を買い増す話がある。"Taiwan to get 2 Perry-class warships in 2015; will buy 36 AAV-7 assault amphibious vehicles"
によると、2015年に中古艦を2隻ほど買い増すらしい。価格は2隻で52億台湾ドル※※と、1隻あたり80億と相当安い買い物。ペリー級は建造費ももともと安いから、破格ということもないのだが、同価格ではミサイル艇クラスしか買えないことを考慮すれば、いい買い物である。

 ペリー級は使える軍艦である。ヘリを2機搭載でき、強力な防空能力を持つ。対水上戦でみれば、対艦ミサイルを一発しか発射できない点や、威力に欠ける76mm砲といった問題もある。だが、これは対艦ミサイルを積み増せば済む問題である。オーストラリアのようにSM-2やESSMを装備して防空能力をさらに強化することもできる。

 実際、LCSよりも使えるのではないか? LCSはどうみても失敗である。機械的には優れていても、LCSでしかできないことがない。逆に、LCSにできる事は、ペリー級にもできる。対高速艇は機関砲と対戦車ミサイル程度で果たせるし、ミゼットサブや人間魚雷に対しても20ktも出せばまずは無効化できる。対機雷戦は、まずはどっちもできない。

 台湾としては、新造艦を買うというオプションはない。まず、海外にペリー級よりも優れた軍艦はそうそうない。あってもイージス艦クラスで、台湾に売ってくれるものではない。そして、捨て値で売られているペリー級を、大金出して新造する必要もない。もともと台湾には、大規模な造船業はない。韓国とは異なり、背後に製鋼業がないので、自前で軍艦を建造できない。成功級の鋼材も、おそらくは日本製あたりだったのだろう。

 台湾は、ノックス級を全部ペリー級に置き換えるのだろう。ペリー級へのESSM装備そのほかは分からない。だが、蒸気艦であり人手が必要で、ヘリ運用能力が限定されるノックス級に対して、ペリー級は明らかに優れている。

 それどころか、ペリー級が増えると、最新新造のラファイエット級がお荷物になるだろう。ラファイエット級に実用性はない。ミラージュ2000と同じで、アメリカへのあてつけで買っただけである。対空ミサイルをチャパレルから天剣Ⅱに変えようとしているが、その程度では使い難いままである。

 日本も、ヘンテコなLCSとやらを買うのなら、中古のペリー級を分けてもらえばいいんじゃないのかね。あきらかに「あぶくま」よりも優れている。下手をすると「ゆき」、「きり」よりも優れている部分もある。



※"Taiwan to get 2 Perry-class warships in 2015; will buy 36 AAV-7 assault amphibious vehicles""Consortium of Defense Analysts"http://cofda.wordpress.com/2013/11/23/taiwan-to-get-2-perry-class-warships-in-2015-will-buy-36-aav-7-assault-amphibious-vehicles/

※※ 台湾ドルと読むのが通例だが。正しい表記だと52億圓。圓=円、円=元だから、52億円と読んでも、52億元と読んでもいいのだがねえ

Comment

非公開コメント

ペリー級を過小評価してるJSFに聞かせてやりたい話であります。

Low Cost Shipではないのでごみですねあれ

No title

結局のところ、普通の3000トンくらいの護衛艦になるんじゃないですかねえ。3胴船とかウォータージェット推進とかは高価につきそうで。

というか、この手の船は電子装備や情報通信能力はいいにせよ、必要以上の高速性とかステルス性も必要なんだろうか?

台湾の製鋼業

いつも鋭い内容を楽しみにしております。はじめてコメントいたします。

台湾には造船業を支える製鋼業が存在しないということなのですが、そうなのでしょうか。

下記を見ると、中国鋼鉄が1970年代から、高炉を有しているとのことです。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/Report/pdf/2006_04_23_03.pdf

現在では、同社グループで高炉6基ということですがら、造船用厚板もそれなりの規模で精算しているようにも思えますが。
https://www.japanmetaldaily.com/metal/2013/steel_news_20130306_1.html

同社のプロダクトマニュアルにも造船用鋼板が掲載されています(下記のP13以下)。
http://www.csc.com.tw/csc_e/pd/table/pl_e_2013.pdf

Re: 台湾の製鋼業

ただ、製鋼業の出遅れが決定的だと思うのですよ。

台湾は、60年代まで軍事費が国家予算の7割といった無茶苦茶な体制で、製鋼業とそれと連結した造船業を作れなかったわけです。この点、同時期に必死に産業基盤を作れた韓国や新中国と大きく異なっているわけです。

結果、台湾は製鋼業で大きく日中韓に出遅れた。おそらく出銑量も製鋼量も1/10以下にとどまっているでしょう。

それに連結する造船業も、遅れているわけです。造船企業もいくつかあるようですが、その規模は韓国の1/10かそれ以下にとどまっているわけです。造船の質も、着手に遅れた分、高度なものではないでしょう。実際に建造しているのは、小型艦艇か、建造中の補給艦の類です。

まずは、大規模な戦闘用水上艦を作るのは難しいのではないかということです。

No title

すんません、他の記事に間違えて投稿したんでもう一度。

そんなにラファイエット級って使い勝手悪いんですか?

一応、大元の、フランスでも新鋭と言っていい艦ですよね?