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- » 2025 . 07
Category : ミリタリー
梁天仞さんは、殲-16で10年間は日本戦闘機への優勢を確保できると主張している。香港誌『鏡報』最新号で、殲-16は、Su-33系の戦闘爆撃機であるが、その能力は日本戦闘機戦力を圧倒するという意見を述べている。
しかし、戦闘爆撃機で日本を圧倒できるものだろうか?
そもそも、どこでの戦いで日本を圧倒するのかという話がある。中国本土上空なら、日本単独攻撃に対して圧倒できるだろう。しかし、日本本土で優位に立てるとするのは考え難い。日本側にあるJADGE以下に統合された防空システムの下で、F-15と互角に戦えるとは考え難い。中国には実用AWACSはない。そういった支援もなく、戦闘爆撃機だけで殴りこみをかけても中国に勝機はない。
梁さんの根拠もミクロの話である。殲-16は新型レーダやEO/IRセンサ、ミサイル性能で日本機、具体的にはF-35に勝てるとしている。
しかし、いずれも疑問がつく主張である。戦闘機のレーダが高性能でも、あまり意味はない。AWACSほかと連接した日本側に対し、戦闘機のレーダで敵を捜索するのでは心もとない。EO/IRも、結局は捜索距離や確実性に富むものではない。基本的には電子戦対策だろう。ミサイルの性能についても、スペックだけにも見える。霹靂-10ミサイルの格闘戦性能はともかく。射程160km、マッハ5という霹靂-13も、まだ現物はない。噂どおりの超射程が確保されても、その超射程を活かすためには、優位な態勢でレーダ探知をしなければ仕方もない。
そもそも、殲-16を量産できるかどうかも怪しい。中国が自国生産するというWS-15エンジンにしても、これまた使いものになるかどうか。テストベットと殲-20でしか動いていないエンジンを見切りで使うというものではないのか。
どこの国にしても、自国機は褒める。商業的にはそれが正解なのだろう。しかし、その実態は不利不都合には目を瞑った迎合であるようにも見える。この辺り、分かっていて迎合するのであればマシだろう。余計なことはしないし、他人に噛み付くものでもない。だが、気付かずに迎合するのは性質が悪い。頭が悪いので心底信じている。だから、大した飛行機ではないという意見に噛み付いてくる。
F-2以下を褒めるのはその類である。日本のF-2は、実態はF-16であるが、万邦無比の戦闘機であるかのようにヨイショされた。P-1/C-2も、US-2も自国開発するほどの市場規模があるかを無視してヨイショされている。いずれも、「大したものでもないよな」という客観的な意見に噛み付くのは、頭が悪いとしか言いようもないものである。
※ 梁天仞「殲-16確保対日優勢至少10年」『鏡報』436(鏡報文化企業公司,2013.11)p.p.50-53
しかし、戦闘爆撃機で日本を圧倒できるものだろうか?
そもそも、どこでの戦いで日本を圧倒するのかという話がある。中国本土上空なら、日本単独攻撃に対して圧倒できるだろう。しかし、日本本土で優位に立てるとするのは考え難い。日本側にあるJADGE以下に統合された防空システムの下で、F-15と互角に戦えるとは考え難い。中国には実用AWACSはない。そういった支援もなく、戦闘爆撃機だけで殴りこみをかけても中国に勝機はない。
梁さんの根拠もミクロの話である。殲-16は新型レーダやEO/IRセンサ、ミサイル性能で日本機、具体的にはF-35に勝てるとしている。
しかし、いずれも疑問がつく主張である。戦闘機のレーダが高性能でも、あまり意味はない。AWACSほかと連接した日本側に対し、戦闘機のレーダで敵を捜索するのでは心もとない。EO/IRも、結局は捜索距離や確実性に富むものではない。基本的には電子戦対策だろう。ミサイルの性能についても、スペックだけにも見える。霹靂-10ミサイルの格闘戦性能はともかく。射程160km、マッハ5という霹靂-13も、まだ現物はない。噂どおりの超射程が確保されても、その超射程を活かすためには、優位な態勢でレーダ探知をしなければ仕方もない。
そもそも、殲-16を量産できるかどうかも怪しい。中国が自国生産するというWS-15エンジンにしても、これまた使いものになるかどうか。テストベットと殲-20でしか動いていないエンジンを見切りで使うというものではないのか。
どこの国にしても、自国機は褒める。商業的にはそれが正解なのだろう。しかし、その実態は不利不都合には目を瞑った迎合であるようにも見える。この辺り、分かっていて迎合するのであればマシだろう。余計なことはしないし、他人に噛み付くものでもない。だが、気付かずに迎合するのは性質が悪い。頭が悪いので心底信じている。だから、大した飛行機ではないという意見に噛み付いてくる。
F-2以下を褒めるのはその類である。日本のF-2は、実態はF-16であるが、万邦無比の戦闘機であるかのようにヨイショされた。P-1/C-2も、US-2も自国開発するほどの市場規模があるかを無視してヨイショされている。いずれも、「大したものでもないよな」という客観的な意見に噛み付くのは、頭が悪いとしか言いようもないものである。
※ 梁天仞「殲-16確保対日優勢至少10年」『鏡報』436(鏡報文化企業公司,2013.11)p.p.50-53
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Comment
13:33
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どこの国も愛国者は一緒ですな
No title
17:43
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編集
日本>ロシア>韓国>中国
中国と韓国の順位が10年後に入れ替わりますが
それだけです
今はソフトとレーダーで戦争する時代なので
湯水のごとく戦術ソフト開発に金注ぎ込んでる自衛隊の優位は変わりません
00:36
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編集
基本的な兵器のデザインスタイルは、ミサイル以外はこの当時に全て出現しているといってよいかと。
自動車や戦車、飛行機、潜水艦と言った新しいアイデアの激突する戦争ですな。
先カンブリア紀の生物爆発に似てます。
第2次大戦はエネルギー革命の戦争。
石炭から石油へと変化し、液体燃料の揺籃期に入ると同時に、電気という全く別次元のエネルギーの普及により、第1次大戦の兵器類は加速度的に進化し、電波を使用した新しい兵器類が登場し黎明期を迎えました。
そして大戦後半では究極の核兵器の登場で締めくくりました。
進化を極めた白亜紀の恐竜時代の状況でしょう。
第2次大戦末期に兵器の誘導と頭脳のギミックを利用する兵器が登場した後
1950年代以降になり、コンピューター時代に突入すると、兵器は頭脳を持ち始め、20世紀後半は本格的な頭脳兵器の時代となり、今世紀は本格的な情報革命の時代に突入したのもつかの間、既にロボットやAR技術の黎明期を迎えているのが興味深いですね。
最早、戦争をするのにハード(有人)なハードウエアからソフト(無人)なハードウエア兵器へと移行しつつあり、それと共に、ハードウエア重視の従来型兵器よりソフトウエアが要になる兵器への転換期に至っている訳で
そういう意味では新しい形態の非対称戦時代に突入していると言うことなんでしょうね
この先にあるのが何なのかは個人的には明瞭で、非対称戦の結果によるK-T境界に相当する兵器の進化的断絶が必ず存在すと思います
高度にネットワーク化され電脳化され各種センサリング機能が究極に進化した兵器は
短時間で如何にして正確に敵を撃破するかという兵器の抱える究極の命題に対する答えとなる兵器が登場する事は間違えなく
それも近い将来、多分、今世紀末期から来世紀に出現してきそうな予感です
その辺りはどうなんでしょうかね