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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2012.12
28
CM:0
TB:0
13:00
Category : ミリタリー
 不思議な事に、自衛隊の機雷とか掃海具は、チョット調べても性能どころかどういったものであるかの説明もない。内緒だということと、興味をもつ人が少ないためだろう。今のところ海外に売る予定もない。多分、使い勝手がアレなんで、売れるシロモノでもない。海外製みたいに、売るためにアピールする必要もないから、あまり見せたり説明したりしない。

 ただ、たまにポロリと中身について説明されることがある。どの業界もそうであるように、同業組合の業界誌は過半は毒にも薬にもならない記事なのだが。時折、無造作なポロリがある。S-8掃海具について、中身を説明している記事があった。

 S-8掃海具は任意深度で曳航することができる。そう書いてあるからそうなんだろう。また、位置、方位、深度についてもフネ側に送れるようになっているともある。

 このS-8は水中フロート、パラベーンである。機械・感応の掃海具を展開する、横に広げ、適切な深度を保つ役割をする。これは掃海では一大発明、実用考案である。

 掃海具を決められた深度で引っ張るのは難しい。従来は展開器(水中凧)の調整と、曳航速力で深度等を調整していたが、これは相当に面倒くさい。なんせ理論では、レイノルズ数が出てくる。パラメータは掃海具の重量、展開器の設定、曳航速力なのだが、流体の影響を受けるので訳がわからない計算式が出てくる。多分、教える方も解き方を知っているだけで、理解していない。

 実際には、経験則や簡易表、概略式でもできる。機械掃海の起源は北海のタラ漁であって、理論がなくてもやってできないことはない。ただし、間違いなくその深度で一定にとなると難しい。

 その意味で、S-8は画期的であった。

 しかし、すでに掃討の時代になっていた。もちろん、こと繋維掃海に関しては今なお有効な手段で、イラン等が主要する繋維触発機雷を効率良く処分するには向いている。だが、感応機雷であれば、沈底だけではなく、繋維であっても掃討で対応する時代になりつつあった。

 まずは、S-8は時代遅れだったわけだ。技術的には、TEM掃海や可変深度式曳航ソーナーにも通じているのだが、可変深度繋維掃海の必要性が大きく減じたため、あまり意味のない兵器になってしまったのである。

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