村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

立憲民主党など野党が安倍晋三自公内閣に対する内閣不信任案を出すかもしれないという話が聞こえてきています。安倍内閣に対する国民の「支持」が底堅く、安倍内閣の暴政や不道徳に対する日本国民の批判的理解が十分にあるかどうかわからない状況なので、内閣不信任案を今のタイミングで提出するのがベストの選択かどうかは判断できません。しかし、それはそれとして、山口公明党代表が野党の内閣不信任案提出の動きをけん制して次のように言っていることは批判されなければなりません。「お前が言うな」ということです。現在、西日本での豪雨での災害対応であちこちで問題をさらけ出しているのはまさに自公政権なのですから。

内閣不信任案検討 「野党は災害考慮すべき」 公明 山口代表 | NHK https://t.co/BzaeJJUcyJ
きさまらが災害対応そっちのけでｶｼﾞﾉだの寝言いうとるから不信任案出されてるのを「災害考慮すべき」ときた。ほんとうに恥を知らないのが唯一にして最大の強みのｶｽ政権である

— Erscheinung42 (@Erscheinung35) July 15, 2018

そのうえで、2011年6月、東日本大震災、東電福島第一原発大事故のさなかの菅直人・民主党内閣と当時野党であった自民党・公明党・たちあがれ日本の間の政争の中の次の事実は思い出しておく価値があります。

●朝日新聞デジタル
内閣不信任決議案を提出　自・公・たちあがれ　２日採決
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106010469.html
2011年6月1日18時10分

　自民、公明、たちあがれ日本の３党は１日夕、菅政権への内閣不信任決議案を横路孝弘衆院議長に提出した。２日午後の衆院本会議で採決される。

　提出理由は「菅総理に指導者としての資質がない以上、難局にあたって、菅内閣とともに政策体系を積み上げていくことは到底できない。被災地の復興と被災者の生活再建を実現していくためにも、菅総理は一刻も早く退陣すべきだ」などとしている。

（転載ここまで）

現在の自公政権で野党からの内閣不信任案提出の動きがあることを批判している当の本人が、野党だった時代に与党内閣に対して内閣不信任案を提出しています。公明党の山口代表は恥を知るべきですが、恥を知らないことが現在の自公政権の最大の強みであるため、山口氏にとってはこのような批判も「蛙の面に水」なのでしょうね。それでも、公明党の山口代表は恥を知れと言っておかなければなりません。

さらに言えば、次の人も、2011年6月、東日本大震災、東電福島第一原発大事故のさなか、自民党にいて野党暮らしで内閣不信任案を出した側ですが、今ではその時のことを忘れたかのようにこんなことを言っています。最低です。

政府が豪雨災害に対処しているこの最中に、野党が内閣不信任決議案を提出するという動きがある。粛々と否決するのみだが、さすがにこのタイミングで不信任案を出すその見識は疑わざるをえない。野党が優先したいものとは一体何なのか。#国会 #kokkai

— 石原伸晃 (@IshiharaNobu) July 15, 2018

2011年6月当時の菅内閣不信任案はどうなったかも記憶のために記録しておきます。

●日本経済新聞
菅内閣不信任案は否決
賛成152、反対293
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0202D_S1A600C1000000/
2011/6/2付

　衆院は２日午後の本会議で、自民、公明、たちあがれ日本の野党３党が提出した内閣不信任決議案を否決した。菅直人首相が採決直前に、東日本大震災への対応に一定のめどがついた時点で退陣する意向を表明したことで、民主党内からの大量造反はなかった。首相の退陣の時期や「ポスト菅」の行方、政権の枠組みなどはなお不透明で、政局の混乱が収束する見通しは立っていない。

　不信任案の採決結果は賛成152票、反対293票、欠席・棄権は33だった。１日まで賛成を表明していた民主党の鳩山由紀夫前首相は２日午前の首相との会談を受けて反対票を投じ、小沢一郎元代表は欠席した。元代表の支持グループは自主投票とした。

　採決に先立ち、首相は２日昼、国会内で開いた民主党代議士会で、これまでの政権運営に「不十分な点があった」と謝罪。(1)東日本大震災の復旧・復興、東京電力福島第１原子力発電所の事故の収束に全力を挙げる(2)民主党を壊さない(3)自民党に政権を戻さない――を「行動の基本」と説明。震災対応に「一定のめどがついた段階で若い世代に責任を引き継いでいただきたい」と表明した。

　鳩山氏も代議士会で「重大な決意が述べられた。一致して行動できるようお願いしたい」と、出席議員に不信任案に反対するよう呼びかけた。同日の首相との会談で「復興基本法案の成立、今年度第２次補正予算案の早期編成のめどをつけ、そのあかつきに身を捨てていただきたい」と求めたことも明らかにし「首相と私の間で合意した」と明言した。

　一方、岡田克也幹事長は首相の退陣時期に触れた鳩山氏の発言について「退陣の条件になっていない。あくまでも復興のめどがついたらということだ」と語った。首相は早ければ月内にも退陣する可能性があるが、不透明な部分が多く残っている。

　首相は２日午前、首相官邸で与党、国民新党の亀井静香代表とも会談。亀井氏も「当面の原発対応などが終わった後で、退陣する腹を固めるべきだ」と自発的辞任を求めていた。

（転載ここまで）

当時の与党内でも判断が割れていた様子が思い出されますが、政権内であれ政権の外からであれ、政治の運営に問題があれば批判にさらされるのは自然なことです。その批判が的を射ているかどうか、単なるいちゃもんではないかどうかだけが議論や判断のメインのポイントであるべきです。

その点からしたら、2018年7月の西日本豪雨後の自公政権は、2011年3月の東日本大震災、東電福島第一原発大事故後の民主党政権に比べたら相当怠慢で悪質であると言わざるをえません。私は2011年当時の民主党政権の少なくない行動には批判的でしたし、その記録はこのブログの当時の記事にたくさん残っていますが、2018年7月の自公政権は、2011年6月の自公野党が当時の民主党内閣に提出した内閣不信任案と同様の内容によって批判され退陣に追い込まれるべきだと思います。

2011年6月時点での菅民主党内閣がしたように、2018年の安倍自公内閣は、『これまでの政権運営に「不十分な点があった」と謝罪し、西日本豪雨災害の復旧・復興に全力を挙げることを「行動の基本」とし。豪雨被害対応に「一定のめどがついた段階で若い世代に責任を引き継ぐ』と表明すべきでしょう。

こう書いている現時点でも、安倍内閣が災害対策に不熱心であるニュースは次々に入ってきます。その一方で、何かやっているという演出だけは怠らないというニュースもあります。以下にもいくつかメモしておきます。

2018年現在の自公政権に対して内閣不信任案が出されるのに値するダメぶりを自公政権はさらけ出しているのです。

だれかが「社会科見学に飽きた小学生か」って言ってたけど、ほんとそんな感じ。
知性は行動に出る。 https://t.co/1mIz5qBAWr

— BASIL (@basilsauce) July 16, 2018

「社会科見学に飽きた小学生か」
「社会科見学に飽きた小学生か」
「社会科見学に飽きた小学生か」

もう、現在首相という地位にある安倍晋三についての最高に的を射た指摘。

７月９日（月）の朝でも、まだ外遊しようとしていた安倍首相の態度は、日本の政治史に深く刻み込むべきである。 / “西日本豪雨　対応が”後手後手”に回った政権幹部の発言まとめ（文春オンライン） - Yahoo!ニュース” https://t.co/VQQFjBUCJn

— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) July 15, 2018

防衛省から連絡が来ておりその都度指示を出していたとすると、状況を知りつつ酒盛りを続けていたことになるから、終会した後に連絡があったことに変更、ということですか。この政府の言うことは、何一つ信じられませんね。／小野寺防衛相が大雨対応で釈明、酒席では指示せず https://t.co/cvG4f5MTKP

— じこぼう (@kinkuma0327) July 16, 2018

あれ〜？今日も、45分間だけ災害対策本部からの話を聞いて、そそくさと私邸に帰っちゃったのか。 pic.twitter.com/praTlrEFYk

— ジョンレモン (@horiris) July 16, 2018

赤坂自民亭で初動が遅れた反省も無ければ、災害対策よりカジノ法案を優先した反省も無い。それでは野党から不信任を出される理由が理解できるわけないですよね。どんなに批判さようが議席数で抑え込んでしまえばよいという傲慢な態度は、民主主義から最も遠いところにあると思いますよ。 https://t.co/AD0vTBjE7K

— きづのぶお (@jucnag) July 16, 2018

しかし加計学園補助金31億なのに、西日本全体の水害の対策費20億円って言う数字を見て何も感じない人って何なの？

— Michael. A (@nasitaro) July 15, 2018

野党が何度も国会対応より災害対応を優先しろって言ってもカジノとか審議するから不信任の検討されているのに、国会で何が起きているか国民が知らないのをいいことに「災害中に不信任とは何事か」と言い出す。
アホによるアホに向けてのパフォーマンス。
けどこれが通じるのが今の日本。 https://t.co/jGkBHIdPBf

— はるみ (@harumi19762015) July 15, 2018

問題がある場合、問題があると指摘し続けなければ、その問題はさらに悪化するばかりですから、こうして安倍自公内閣の災害対応について批判的に観察し続けなければならないのです。

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