村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

経済成長って、何のためでしょうか。今の日本の政治に不満を持っている人、特に「景気対策をやってほしい」と思っている人は、少なくとも一度は「そもそも経済成長って何のためなのか」と真剣に考えてみるべきです。

経済成長とは、「社会とすべての人々が豊かになるため」と思っている人が多いようです。

しかし、現実を見ると、それは誤解であり、実は全然ちがうことに気づきます。

「日本政財界用語辞典 (1)」という記事でも書いたように、経済活動とは「貧しい人のお金をあらゆる手段で探し出して、それを金持ちの人に移し替える方法の総称」です。つまり、経済成長とは、「貧しい人のお金をもっともっと探し出して、それを金持ちの人にもっともっと移し替えるのに成功すること」を言います。

この定義に首をかしげる人も、実際に今の日本の現実を見ると、経済成長とは「財界とその取り巻きだけ」が豊かになるためであり、それ以外の人々はむしろ、財界とその取り巻きが豊かになるために、積極的に貧しくさせられていることを否定できないはずです。

お財界様の大企業は、お政府様の景気対策によってエコカー減税などの恩恵を受けながら、内部留保も着々と積み上げて大企業の経営者報酬も増えているのに対して、一般の人は、何年にもわたる給与の低下と雇用の不安定化を甘受させられています。それに加えて、お民主党様・お政府様、お財界様はわざわざ担税力の弱いところを狙って「広く薄く」と手垢のついた決まり文句を唱えながら消費税増税を仕掛けようとしています。しっかり法人税を下げる路線を敷きながら。

税制カイカクを主張するときに「広く薄く」と言いたがる人は、まさに、担税力の低い貧しい層にも税負担をさせることを狙い、担税力の高い富裕層の税負担を薄くしようとしているのです。「貧しい人のお金をあらゆる手段で探し出して、それを金持ちの人に移し替える方法」そのものです。

こういう状況のなか、労働者の雇用や賃金を支えるための組合の一つである連合は賃金改善を求めないのだそうです。大手のおマスコミ様もそれに同調しているかのようです。

もしあなたがこれらの政財界の組織のどれか一つに属しているのなら、笑いが止まらないかもしれませんね。世の中の政治力、財力、広報力を握っている者たちが手を組んで利益を自分たちだけのものにしようとしているのですから。そして、労働者の代表者であるはずの連合もそれに対して何もしないというのですから。

●五十嵐仁の転成仁語
賃上げこそ景気回復のカギ。それなのに何故……　[春闘]
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-01-18
2011-01-18 14:25

　今年の春闘は、始まった途端に、終わりそうな気配です。経営側は、「賃金改善は争点にならない」と言い、連合の主要組合は「賃金改善を求めない」と言うのですから……。
　これこそ、典型的な労使協調でしょう。労使が足並みを揃えて、「賃金改善」を避けているというわけですから……。
　それが春闘に向けての方針だというのですから、笑止千万です。何のための労働組合なのでしょうか、これで景気が回復するとでも考えているのでしょうか。

（引用ここまで）

五十嵐先生の記事全文はリンク先で読んでいただくことにして、お財界様の言い分に（いつものように）見逃せないことが含まれているので、一言。

●時事通信 - Yahoo!ニュース
連合の「給与総額1％上げ」要求に難色＝今春闘、定昇は容認の構え―経団連
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110117-00000076-jij-bus_all
時事通信 2011年1月17日(月)17時17分配信

　日本経団連は17日、今春闘の経営側の指針となる2011年版「経営労働者政策委員会報告」を発表した。基本給に一時金などを加えた「給与総額」の1％引き上げを求める連合に対し、同報告は「国内事業の維持には、賃金より雇用重視が必要」などと難色を示した。一方、自動車・電機を中心とした企業収益の回復を受け、年齢などに応じて賃金を増やす定期昇給（定昇）は「維持の交渉を行う企業が大半」として、容認する構えだ。
　今春闘の労使交渉は、米倉弘昌日本経団連会長と古賀伸明連合会長による19日のトップ会談で本格スタートする。賃金のベースアップ要求を断念する方針の労組が相次いでおり、一時金などが焦点となる見通しだ。
　経団連の報告は、国際競争の激化や円高、デフレで企業経営の先行きが不透明なことを理由に「総額人件費の増加を招く要求には慎重に対応する企業が大半」と指摘。国内雇用優先の観点から、賃金と一時金や手当などを合計した給与総額の上積みをけん制した。特に中堅・中小企業では「賃金改善交渉を行う企業が少ない」としている。
　ただ「企業を取り巻く環境は多少、改善した」（大橋洋治副会長）ことを考慮し、定昇については「維持するかどうか話し合いが必要」とした昨年よりも姿勢を和らげた。　
最終更新:1月17日(月)20時36分

（転載ここまで）

本当に「総額人件費の増加を招く要求には慎重に対応する企業が大半」なら、役員報酬も一般労働者と同じく、大幅に削るべきですよね。それをしていないということは、経済活動とは「貧しい人のお金をあらゆる手段で探し出して、それを金持ちの人に移し替える方法の総称」だという定義の正しさを裏付けることになります。お財界様は何自分勝手なことを言っているのやら。

結局、お財界様とお民主党様・お政府様が手を結んで利益を自分たちのために独占してそれ以外の人を貧しくしており、大手の労働組合の一つである連合もそれを容認しているという、ある意味で救いのない状況です。

つまり、ごく一般の人は「経済成長」を求めれば求めるほど、貧しくさせられるのです。それなのに、「経済成長」が自分を豊かにすると信じているのです。

しかし、上のように見てくれば、経済成長はごく普通の人にとっては有害だという考えをどうしても否定することができないことに気づきます。

前にもこの趣旨で何度か書いたことがあったけど、お民主党様が内閣改造をして与謝野馨や海江田万里らを押し立てて国民生活への宣戦布告をしている今、何度でも繰り返しましょう。

経済成長よりも、担税力に応じた課税と、富の再分配を、と。

財界だけが利益をあげて繁栄しても、富める層から貧しい層へと富の再分配がなければそれは意味のある経済成長とは言えません。

これは、単なる「減税」では日本は救われないということも意味します。担税力の高い大企業や富裕層に減税しても、お金は社会の中を回らないのです。

kojitakenさんが2011年2月12日の記事のタイトルでうまいことを言っています。「消費税増税日本ＶＳ金持ち減税日本が新自由主義者の内紛図式だ」と。

...と、ここまで書いてきて、前にも似た記事を書いたことがあったっけと思い出しました。w

■普通の人は『経済成長』を求めてはいけない。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2046.html



ところで、税制カイカクバナーを別のものにしてみました。かなり派手ですが、こういうのもいいでしょう。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-02-11
監査請求人の方☆12日まで☆投函を：豊洲市場用地購入の予算執行差止のための東京都職員措置請求裁判
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10791688075.html

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

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身近な一歩が社会を変えるきまぐれな日々の中でそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうしたらいいかkimeraれない人と、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れてみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状を読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と言ノ葉工房と内田樹の研究室と知られざるアフガン・イラク・北朝鮮と日本とカナダde日本語をはげしく学び、はげしく遊んだところで、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんのために団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けたくないと「どこへ行く、日本。」とつぶやくおしごと日誌。
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