村野瀬玲奈の秘書課広報室

●労働組合ってなにするところ？
「海賊対処法案１９日成立見通し」（毎日新聞、東京新聞より）
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10277956056.html

東京新聞では海賊対処法案が１９日に成立する見込みであるということを伝える記事の横に、ソマリア沖での海上自衛隊の活動の実態について伝える記事を掲載しています。サイト上には前文しか掲載されていないので、重要部分を抜粋してご紹介したいと思います。

●東京新聞　　２００９年６月１０日
核心：海賊対処　現場の海自は
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2009061002000095.html

　護衛艦に寄り添い航行する民間船舶。頼られた護衛艦は、救助を求める外国船のもとへも駆けつける─。ソマリア沖の海賊に対処するため、派遣された海上自衛隊。月内成立が確実視される海賊対処法案、そして近く監視飛行を開始する海自のＰ３Ｃ哨戒機により、活動はどう変わるのか。　（アデン湾で、編集委員・半田滋）

（ここから手打ちになります）
　■海賊側に慣れ
　ソマリア沖では、米国主力の多国籍軍（ＣＴＦ１５１＝米英など五カ国で編成）が取り締まりに力を入れているほか、欧州連合（ＥＵ）の英仏など七カ国による船団護衛の「アタランタ作戦」が続いている。

　今月末までは北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の米独など六カ国の駆逐艦も活動中。日本、ロシア、中国、インドなど、個別対応する国も六カ国あり、ソマリア沖には海軍艦艇がひしめいている。

　「海賊が軍艦に慣れ、ひるまなくなった」と話すのは派遣部隊指令の五島浩司一等海佐。「軍艦が通過した後に襲撃したり、夜間に獲物を狙うようになっている」という。

　アデン湾に派遣された護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の任務は、日本関係の船舶を守ること。だが、これまでに六回、任務を超えて外国船の救助に駆けつけた。海賊対処法が成立すると、海賊取り締まりが可能になり、相手の出方次第では銃撃戦も起こりうる。

　■安全なのに警護
　一方、肝心の警護活動に、大きな変化は起きそうにない。船舶のアデン湾通過で、海自が護衛したのは二十五回、計八十二隻。一回平均三・ニ隻で、見込みを大きく下回る。日本船主協会によると、①世界不況の影響で通過船舶が激減した②運航スケジュールが合わない―が原因という。

　しかも、海賊が船の乗っ取りに使うはしごが五メートル程度と短いため、水面から甲板まで十メートル以上ある大型船は襲撃対象になりにくい。二十ノット（時速約三十七キロ）の高速で走るタンカーも比較的安全だが、護衛艦に守られているのは、これら大型船や高速船だ。

　同協会は「狙われやすい船はアデン湾を通らず、喜望峰へと迂回している」という。護衛艦を派遣する緊急性が、どれほど検討されたのか。
（中略）
　五島一佐は「警護中でも襲撃される可能性はある。多数の海賊船が向かってきたら、と危機感を持っている」と力説する。こうした考えの下、警護活動に専念すれば、海賊取り締まりの余力がなくなるのは自明だ。すると、新法の目玉は「海賊制圧」ではなく、「他国との連携」ということになる。
（後略）

つまり、海賊対処法案の目的は当初強調されていた「日本関係の船舶を守る」ということではなく、自衛隊が海外において諸外国の軍隊と連携して行動するという実績をつくることだというのが、半田記者の見方のようです。そして、それは小森陽一教授 や渡辺治教授 が講演で危惧されていたように、憲法９条の解釈改憲と明文改憲を進めるものです。

海賊対処法案が実際に成立されてしまう前に、もう一度立ち止まって考えてみましょう。

この法案は、自衛隊員が「正当防衛」や「緊急避難」に当てはまる場合でなくても、武器を用いて人を殺すことを可能にするものです。自衛隊員とは私たちとは関係ない特別な人たちではなく、私たちの友人の友人かもしれないし、私たちの友人の家族かもしれない人たちです。言わば、”私たち庶民の一員”です。

そして、ソマリア沖の海賊たちも、犯罪を犯すという暴挙に出たとはいえ、立場としては私たちと同じ”庶民”です。

結局、どんな武力行使も”私たち庶民”が”私たち庶民”を殺すということに他なりません。もっと突き詰めて言えば、”国家＝権力”が”私たち”に”私たち”を殺させるということに他なりません。

”自衛隊”とか、”○○軍”とか、”海賊”とか、どんな肩書きで覆ってみようと、実際に傷を負い、傷を負わせることになるのは、”私たち”であり、一人一人の人間なのです。

なぜ私たちにそのような心身の傷を負わせる”国家＝権力”の方にシンパシーを感じなければならないのでしょうか？　

”国家＝権力”ＶＳ”私＝個人”という対立図においては、私たちも自衛隊員も海賊も、同じ”私＝個人”の側にいるのです。

なぜ、同じ側にいる者同士が傷つけ合わなければならないのでしょうか？

私は、「”私たち”は誰も被害者にも加害者にもなりたくない」ということを基本としたいと思います。そして、誰も被害者にも加害者にもならない方法を探したいと思います。それは少なくとも武力行使ではあり得ません。（引用ここまで）

■海賊新法成立と憲法改悪を許さない人たちの行動（連合通信・隔日版などより）
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10279159988.html

５月１３日の「日本国憲法のつどい」の講演 で、小森陽一「九条の会」事務局長がおっしゃっていたように、現在は最悪の解釈改憲と明文改憲が同時進行で進められようとしている時代です。今年の世論調査では憲法９条を変えない方がいいと考える人が過半数となっているのですが（ａｓａｈｉ．ｃｏｍ参照 ）、政府・与党はそんなことにはお構いなしに９条改憲への策動を続け、民主党にはそれに歯止めをかけるようとする気配すら見えません。

こういった状況下で私たち、”殺し、殺されることを望まない庶民たち”にできることは、地道に改憲反対の意思表示を続け、もしも”憲法改正”の国民投票が行なわれることになったとしても、改憲を阻止するに足るだけの味方を集めておくことなのではないかと思います。（引用ここまで）

■ちょっと永田町に行ってきました（海賊対処新法反対６・１８国会前集会）
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10282861165.html

以前、「海賊対処法案１９日成立見通し」（毎日新聞、東京新聞より） というエントリーで書きましたように、明日６月１９日に参議院本会議で「海賊対処法案」は採決にかけられ、否決されて衆議院に差し戻されて再可決されることがほぼ確実になっています。そんな中で、何かしら行動が必要だなと思っていた矢先、全労連女性部のニュースで、６月１８日１２：３０～１３：３０、参議院議員会館前での集会が予定されていることを知り、今日はちょっと永田町まで行ってきました。特に組織的な参加要請があった訳ではないので、旗も持たず、隅っこでひたすら発言をメモしていただけなのですが、シュプレヒコールには唱和しましたし、反対の意思表示にはなったのではないかと思います。

集会の正式名称は「自衛隊ソマリア派兵・「海賊対処新法」反対　憲法審査会始動反対　６・１８国会前集会」といいまして、主催は５・３集会実行委員会でした。

集会開始の直前に、参議院の外交防衛委員会で「海賊対処新法」の政府案は否決されたそうで、そのことが実行委員会から報告されました。

委員会での反対討論を行なった井上哲士議員（日本共産党）が集会に駆けつけ、報告を行ないました。委員会では政府案は否決され、明日の参議院本会議でも否決される見込みですが、衆議院では４年前の選挙の結果であり、今ではハリボテのような３分の２以上の与党議席によって可決されてしまう見通しです。しかし、海賊対処法はソマリア問題の解決にはつながらないというのが井上議員の考えです。委員会での反対討論では、ソマリア問題の発生した原因について、歴史的な列強の支配から冷戦期のアメリカ・ソ連の介入、アメリカの空爆といった経過を挙げ、無政府状態になっているところに先進国の資源強奪や、危険物質の不法投棄があったことを示しました。不法投棄については委員会でも示した写真を示し（私の位置からはよく見えませんでしたが）、２００４年１２月のスマトラ沖地震の影響による津波で、海中にあった巨大なドラム缶がソマリアの海岸に打ち上げられたことを説明しました。こうした経過により、ソマリア人の間には国際社会に対する不信感があり、軍艦の派遣はソマリア人自身が望んだことではありません。むしろ、ソマリア人は外国の軍艦は不法操業を行なう船を守るために来ていると感じているのだと、ＰＫＯ担当の国連幹部が参考人質疑で述べていたそうです。軍隊を送ることはソマリア問題の解決のためには逆効果であり、むしろ問題を長期化させるものであると井上議員は主張しています。ソマリア問題を解決するためには国際社会が責任を果たし、ソマリア支援を行なっていく必要があるとも述べていました。そして、「海賊対処法案」は自衛隊の武器使用の緩和を狙ったものであり、武力の行使につながるものであるということも指摘していました。最後に、法律は成立してしまっても、自衛隊の出動を阻止し、現在の派遣を停止する取り組みを続けていくことを述べていました。

続いて、各参加団体からの発言がありました。かいつまんでご紹介します。

憲法会議の弁護士の方からは、軍隊の派遣によってソマリアの海賊は２倍に増加していること、軍艦の護衛を受けるためには待たなければならないのでソマリア沖を航行する４分の３の船舶は護衛を受けていないことが指摘されました。そして、護衛の費用は一隻当たり５０００万円掛かり、それだけの経費を用いるならソマリア問題の解決にはもっと他のやり方があるはずだと主張しました。ソマリアで必要とされているのは国家の立て直しと貧困をなくすことであり、そのために日本は力を尽くすべきだということも述べられました。また、護衛艦だけでなく偵察のためのＰ３Ｃが派遣され、そのためにジブチに自衛隊の基地が建設され、基地維持のために陸上部隊も派遣され、法案成立前に既に９００～１０００人の自衛官が派遣されていることも指摘されました。法案が通れば外国船の通報を受けて出動することになり、今までは護衛艦に向かってくる海賊船はないので発砲せずにいるが、法案が通れば発砲を行なう事態になることが予想されることも危惧されていました。

女性連からは、海賊対処に成果を挙げている海上保安庁ではなく自衛隊派遣を推し進めているのは、軍隊を海外に出したいという自民党の思惑によるものであり、憲法９条の無視であるという批判がされました。そして、次の国会でこのような法案を取り消すため、憲法を変えようとするような議員は国会に送らないような運動を進めようと呼びかけました。

憲法を生かす会からは、５・３実行委員会主催のソマリア問題についての国会前集会は今回で９回めとなり、その他にも様々な取り組みを共同して進めきたが、法案が通っても今後も憲法改悪を許さない運動を継続し、総選挙では改憲阻止を訴えようという呼びかけがされました。

キリスト者平和ネットからは、ソマリアには軍隊ではなく貧困をなくすための支援が必要であり、農業や牧畜などの支援は軍艦の１０分の１の費用でできるという指摘がされました。そして、アダム・スミスの思想を例に挙げ、人民が豊かになれば国も豊かになるという考えに立つべきだと主張しました。また、国民が知らないうちに重要な法案を通してしまわないように、国会に注目していく必要があると述べられていました。

女性の憲法年連絡会からは、海賊対処という口実で究極の解釈改憲が進められているが、憲法を変えさえない運動を改めて強くしていかなければならないという主張がされました。また、海運９条の会は、そもそも海賊の出る海域には行かないようにしており、ケープタウン回りでも費用はあまり変わらないと主張しているということも紹介されました。海賊対処法は解釈改憲を進めて憲法そのものを変えることが目的であり、法律が成立しても始動させない取り組みが必要であると述べられていました。

市民連絡会からは、これまで様々な共同行動が行なわれてきたが、今後は海賊対処法を始動させない取り組みを進めていこうという主張がされました。また、これまでの自衛隊海外派遣の根拠は全て特別措置法でしたが、今回の海賊対処法は恒久法であり、危険な法律がよく議論されずに成立していっていることへの危惧が示されました。また、北朝鮮問題については、核実験に抗議するのは当然だが、今の政府の対応は火に油を注ぐものになっており、東北アジアの平和のためには憲法９条を軸にした平和外交を進めるべきだという主張もされました。

ここで、社民党の福島党首も駆けつけ、発言しました。

福島党首は、明日海賊対処法案は参議院本会議で否決される予定であるが、今後は衆議院でもこのような法案の反対派が多数になるようにしていかなければならないと述べました。また、憲法審査会規程が強行採決されてしまったが、これを始動させない取り組みや、イラク戦争時のＯＤＡ１０００億円の使途についての検証委員会を設置させる取り組みなどを行なっていくということでした。そして、総選挙後には、憲法を変えない勢力が伸びているように頑張っていこうと呼びかけました。（追加で、飯塚事件について触れ、取調べの可視化を実現しようということも述べていました）（引用ここまで）

●天木直人のブログ
2009年06月08日　ソマリア沖の海自活動報道を垂れ流す大手新聞
http://www.amakiblog.com/archives/2009/06/08/#001407

（前略）
　海自護衛艦がソマリア沖に出かけて３ヶ月ほどたった。その間、ほとんど報じるような事件も起こらず、自衛隊員もすることがないというのに、今になって、なぜ各紙が一斉に書くのか。

　それはいうまでもなく防衛省が大手各紙の記者を護衛艦に乗船させて取材を許したからだ。

　ただでさえ情報開示を拒む自衛隊の活動について、しかも独自の取材は困難かつ危険なソマリア沖海賊取材について、防衛省丸がかりの取材ができるのだから各社が飛びつかないはずはない。
（中略）
　しかし、これほど馬鹿げた事はない。そこから得られるものは、嘘とは言わないまでも、真実の誇張である。宣伝記事である。御用報道である。

　かつてイラク戦争が始まったばかりの頃、米軍による「埋め込み」報道が盛んに世界に流されたことがあった。世界がそれにだまされた。要するに米国によるイラク攻撃の正当化報道である。

　あたかもそれを真似したような今回の海上自衛隊の「埋め込み」報道だ。
（中略）
　海自のソマリア沖派遣は違憲である。百歩譲って違憲でないとしても、明らかな不法行為だ。

　なぜならば派遣の根拠法がないままに見切り発車して海自は派遣された。根拠法がなかったから政府はあわてて国会で新法を通そうとしたのだ。

　防衛省にここまで依存して、どうして批判的な記事が書けるというのか。違法な行為に便乗した取材で、どうして正しい記事が書けるというのか。（後略）

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2009-06-09　都議選候補者への築地市場移転賛否公開質問状が提出されています
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10276313076.html

■2009-06-11　5月21日の築地市場にて、国会議員の前でぬけぬけと、お東京都様が述べ立てたこと（音声より）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10278109369.html

■2009-06-17　2009.6.27（土）今年の築地移転反対デモチラシができました！
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10282542721.html

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