村野瀬玲奈の秘書課広報室

関東軍…地球史上最も罪業深い存在かと。
威張る、人体実験等犯罪者の能がない、それだけでなく
敗戦時に、本来は帰還する人民を保護しなければならないのに、このアホらは真っ先に逃げ、「中国残留民」問題、女性をロシア兵の「性具」として差し出す等、後に（センシティヴである）禍根を残す「罪人」でもあります。

蝗軍の蛮行、数えられないほどですが
しかし時の流れとともにニッポソ国内で「風化」、に抗う動きが出てきていることに一縷の希望を感じます
「ニッポソの悪しき過去は握りつぶして風化させる」という高市的な言説に抗い、「否」を叫び続けましょう！

　井上清一中尉は平頂山事件の実行責任者として知られています。井上中尉夫妻は大阪住吉区に住んでいました。井上中尉は数えの29歳、千代子夫人は岸和田高女を卒業したばかりの21歳でした。結婚した翌年の昭和6年12月13日、井上中尉は部下とともに満州へ出征することになっていました。その前日夕方、自宅に戻ると六畳の部屋に白木綿をしきつめ、刃渡り1尺の白鞘の短刀で右咽頭部を切り、ほとばしる鮮血の海によこたわって最後の息をひきとろうとしている千代子の姿を見つけました。
　遺書が3通残されて，台所には夫の首途（かどで）を祝うべく、赤飯と鯛の準備がしてあった，とのことです。

　帝国政府と皇軍は，出征するにあたって何もしてあげられない千代子が生命を差し出して励ました，軍国婦人の鑑であると激賞しました。
　井上中尉は「出発を延期することは自害した妻の意思に反する」と言って、翌13日予定通り出発しました。
　千代子の葬儀は、12月15日第37連隊将校団によって阿倍野新斎場でおこなわれました。会葬者1500余、母校の岸和田高女はこの日臨時休校とし、全職員他400名が参列し，国粋大衆党総裁の笹川良一も弔辞を述べました。こうして美談が仕立てられ、四つの映画会社が陸軍当局の許可を得て映画化されました。

　私は千代子の自決が，井上清一に中国人民へ復讐する念を強く抱かせたのではないかと推測します。

　女性史研究家の加納美紀代・元敬和学園大学特任教授（故人）が調査したところ,当時井上夫妻が暮らしていた界隈では千代子については「何を考えているか分からない女だった」「えらいことをしたとは思わない」という冷静な声があり，異様な出来事と受けとめられていたことを報告していました。
　千代子の自決は異常でグロテスクとも思えますが，何よりも千代子にそのような考え方をさせていった当時の政府．軍部が一番ひどかったのだと思います。さらに自決を美化して利用したわけです。

立憲憲政党の犬養毅首相が皇紀2592年5月15日に暗殺されて以来、国会は日中戦争や満州建国で政党政治から挙国一致内閣に移行され、軍人・斎藤実内閣が成立していたようですが当時は、日中戦争時代で、満州国建国まもなくです。斎藤実は皇紀2597年の2・26事件で、落命。

「中国侵略者の証言者たち」（岡部牧夫・荻野富士夫・吉田裕編/岩波新書）から中帰連元事務局長だった高橋哲郎さんの記述を引用します。

　1956年のある日，撫順炭鉱の講堂で，私たちは一人の女性の体験談を聞いた。壇上に立った女性は，方素栄という名の，平頂山虐殺事件の生存者だった。
　事件は1932年9月16日，撫順市にあった平頂山という町でおこされた。「写真を撮るから」といって町の人々を広場に集めた日本軍は，3000名の人々を一挙に機銃掃射で虐殺したのである。まだ幼い子どもだった方素栄さんは，自分の目の前で，両親，祖父，弟，そして生まれたばかりの赤ちゃんをあっという間に殺されてしまった。彼女は倒れた家族の体に守られて奇蹟的に命を取りとめた。
　彼女は，血を吐くような悲痛な声で訴えた。
「どうして何の罪もない弟や赤ちゃんを殺したのですか。私のお祖父さん，両親が，いったい何をしたというのですか。どうしてこんなむごたらしい殺されかたをしなければならないんですか」「私はそれから日本人を見るたびに，飛びかかって噛み殺してやりたい衝動に駆られました。日本帝国主義が降伏した時は，私のお母さんやお祖父さんがやられたのと同じように皆殺しにしてやるんだと泣き叫び，多くの人々をてこずらせました」「しかしそんな時は，日本軍国主義が悪いのであって，我々は日本人民と団結して再びここのような戦争がおきないように努力しなければならないと，中国共産党に指導を受けました」「私はもうこれ以上言うことはできません。最後にただ一つはっきり言っておきたいことは，皆さんはもう二度と他国を侵略するようなことだけは絶対にしないで下さいということです」。
　方素栄さんの話は終わった。私の頭は真っ白になった。数年間の管理所での学習のなかで，私たち日本軍が中国人民に与えた被害の罪深さの，ほんの一部を知ることはできていた。しかし，こうして生身の中国人からその体験を聞いたのは初めてだった。一瞬にして最愛の肉親をすべて奪われた。その悲しみ，怒り，憎しみ，その後の人生のなかで感じ続けてきた寂しさや，家族を奪われたがゆえの生活の苦しさ。
　軍歴が短く，一発の銃弾も撃ったことのない私でも，侵略軍の一員として軍靴を履き，銃を持って中国の領土で「軍務に勤しんだ」事実を消し去ることはできない。
　中国には2000万人の，いやそれ以上の方素栄さんが，過去の痛みをじっと我慢して，私たちに向き合っているのだということを，ようやく感情的にも理解できるようになった。被害者の痛みに，せめて半歩なりとも近づけたのではないかと思っている。