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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その5

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その5

村人達から、助けを求められた大助。

「困ったなや~・・・、オラはそんただ事で切る訳なえぇよな」
などと、途方にくれていたんだとさ。
歴史 12
村人も、大助と云う変わった若者に期待をしたんだが、
さっぱり行動しないもんだから、少しづつ離れだしたんだと。

「あの人は、なんじょだべ・・・」
「ふんだなや、腰に刀もないようだしな」

「本当に助け人だべか」
「祈祷の婆婆が、そう言ったんだべ」

「何だか、あてにならねぇな」

そんな、会話が流れ出したんだと。

そんな、ある日の事大助が
道を歩いていると、双眼鏡が落ちていたんだな。

「あーっ、オラのだ、良かった」

大蛇から逃げてる最中に落してたんだな。
大助は双眼鏡を拾って首からかけたんだ。
歴史 13
「ふーん、どれどれ、あっ見える見える、壊れてない」
大助は、村のあちこちにむけたんだな。

誰だあの人は、小次郎さんかカカ様に怒られてるな。
歴史 14
友彦さんは、よう稼ぐなや、薪を3っつも背負ってる。

大助は、村の人の生活を眺めるのでやんしたなや。

村の家のある所へ行くと、小次郎さんがいたんだな。
「やーっ、小次郎さん、カカ様にやれましたな」

「えっ、何で知ってるんですか」

「仲直りした方がいいですよ」
「いやぁ~、恥ずすなや、他さば黙っててけろなっす」

歴史 15
今度は、友彦さんに出会ったのでがんすよ。

「や~、友彦さんは働きもんでがんすなや、薪を沢山背負って
大変でがすね」

「えー、早く運ばねばなくては、・・あれ、何で知ってるんでがんすべ」

大助は、村人に双眼鏡で見た事を色々語ったり教えたりしたんだな。

あそこの山の栗は、丁度今いい所だとか、どこそこに実の成る木があったぞかなや。

村人の大助を見る目が変わってきたんだな。
「あの御仁は、やはりただもんじゃねえぞな」
「ふんだ、オラのことをよく知ってたもんな」

大助は、村人から一目おかれるようになったのでやんすよ。

【続く】


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コメント

[C2019] よけいなこと

ツッチーさん
おはよう御座います。

余計なことをしてしまいましたね。
このまま忘れられた方が良かったのに
また頼りにされてしまいそうです。

愛新覚羅

[C2020] Re: よけいなこと

> 愛新覚羅 さんへ
頼りにされるにはどうするかが課題でした。
まあこれで村人から頼られるようになる。
さて、次の展開ですよね。
此処は、ひらめきで行くとします。

  • 2014-03-01 20:04
  • 大坊峠のツッチー
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Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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