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「ゆはず文文」作品を紹介 松根油取り
今回は、岩手町文芸サークル「ゆはず文文」の、
作品から「松根油取り」を紹介します。
じっちゃん、ばっちゃん語りのコーナーを
設けての作品です。
松根油取り
サダばぁ （９１歳）
太平洋戦争中の、昭和十九年頃だったと思います。
私は、尋常小学校の５年生だったかな。
お国から、松の根から油を搾って、納めろとか何とかで、
割り当てが来ました。
地域の人が集まって、
話合いを、随分してました。
父親が、責任者に選ばれました。
「大変な事になった」
などと、言ってました。
資材などが来て、製油所ができました。
大人達が、山に入って松の木を切って根っ子を集めてました。
父親は、製油所に泊り込みになりました。
私は、弁当を届ける役目になりました。
日本は、戦争しているから皆して、頑張らねばと、
思ったもんです。
【続く】
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作品から「松根油取り」を紹介します。
じっちゃん、ばっちゃん語りのコーナーを
設けての作品です。
松根油取り
サダばぁ （９１歳）
太平洋戦争中の、昭和十九年頃だったと思います。
私は、尋常小学校の５年生だったかな。
お国から、松の根から油を搾って、納めろとか何とかで、
割り当てが来ました。
地域の人が集まって、
話合いを、随分してました。
父親が、責任者に選ばれました。
「大変な事になった」
などと、言ってました。
資材などが来て、製油所ができました。
大人達が、山に入って松の木を切って根っ子を集めてました。
父親は、製油所に泊り込みになりました。
私は、弁当を届ける役目になりました。
日本は、戦争しているから皆して、頑張らねばと、
思ったもんです。
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松根油取り ２
松根油取り ２ サダばぁ
我が地域で松の根から油を取る作業が始まりました。
父は、製油所の責任者で、泊まり込んで仕事をしました。
私は、弁当を届けます。
「父ちゃん、弁当持って来たヨ」
「サダぁかぁ～・・、よう、きたのう・・・ありがとう」
製油所までは、距離があるので、大変なのですが、
父の、ありがとうの言葉で、届けて良かったなと
思ったものです。
さあて、これからが大変です。
学校へ行かなければなりません。
学校は、製油所とは反対方向です
【続く】
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我が地域で松の根から油を取る作業が始まりました。
父は、製油所の責任者で、泊まり込んで仕事をしました。
私は、弁当を届けます。
「父ちゃん、弁当持って来たヨ」
「サダぁかぁ～・・、よう、きたのう・・・ありがとう」
製油所までは、距離があるので、大変なのですが、
父の、ありがとうの言葉で、届けて良かったなと
思ったものです。
さあて、これからが大変です。
学校へ行かなければなりません。
学校は、製油所とは反対方向です
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松根油取り ３
松根油取り ３ サダばぁ
父に弁当を届けたら、今度は学校です。
走ったり、歩いたりして、ようやく到着です。
だけど、どうじても遅くなってしまいました。
先生が、怒ります。
「また、遅刻して、何回言ったら分るの
廊下で、立ってなさい」
私は、理由を言いそびれて、
何時も下を向いて、もじもじするのです。
女の先生でした。
廊下に立たせたことを、忘れて昼まで、いた事があります。
今でも、思い出します。
戦争は負けました。
父は、製油所を解散し、家に帰りました。
私は、ホッとしました。
【お終い】
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父に弁当を届けたら、今度は学校です。
走ったり、歩いたりして、ようやく到着です。
だけど、どうじても遅くなってしまいました。
先生が、怒ります。
「また、遅刻して、何回言ったら分るの
廊下で、立ってなさい」
私は、理由を言いそびれて、
何時も下を向いて、もじもじするのです。
女の先生でした。
廊下に立たせたことを、忘れて昼まで、いた事があります。
今でも、思い出します。
戦争は負けました。
父は、製油所を解散し、家に帰りました。
私は、ホッとしました。
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松根油取り 雑感
松根油取りについて
これは、ネットで見つけた、当時の資料です。
全国各地から、集めたような感じですね。
９０代のお婆さんの話だと、海軍の制服を着た兵隊さんが、
街を、「松根油取りの協力」を訴えて歩いてたそうだ。
若い女達が、格好良い制服姿の海軍兵に見とれてたと言う。
又、同年代の爺さんは、仲間と松の根を取りに、山に行ったと話を
していた。
松の根は、盆とかの墓参りに使うので、各家庭にあった。
墓のあちこちで、松の根を燃やすものだから、黒い煙が上がっていたものだ。
今は、その様な光景も、見ることがなくなった。
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これは、ネットで見つけた、当時の資料です。
全国各地から、集めたような感じですね。
９０代のお婆さんの話だと、海軍の制服を着た兵隊さんが、
街を、「松根油取りの協力」を訴えて歩いてたそうだ。
若い女達が、格好良い制服姿の海軍兵に見とれてたと言う。
又、同年代の爺さんは、仲間と松の根を取りに、山に行ったと話を
していた。
松の根は、盆とかの墓参りに使うので、各家庭にあった。
墓のあちこちで、松の根を燃やすものだから、黒い煙が上がっていたものだ。
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