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コロンとソラの嫁っ子捜し その4 1

喜太郎の嫁っ子を捜して旅をするコロンとソラです。

喜太郎は、これまで家の手伝いもせずに怠けていたのですが、

これではいけないと、奮起して嫁を貰ったら一所懸命、頑張って仕事をしようと、

決心をしたのでした。

しかし、世間は甘くはありません。

これまでの怠けが災いして、何をやっても、ドジ、失敗の連続で、

娘っ子には巡り合えるのですが、嫁取りまではにはいきません。

コロンとソラも何とかならないかとフォローするのですが、

ダメなんですね。

ワンワン

「おい、喜太郎・・、もう嫁っ子捜しはあきらめて家に帰ろうか」

ニャーン

「そうだ、そうだ、喜太郎・・・、お前に嫁取りは無理だぜ」

「えーー、何言ってるんだオマエ達は、男が一度決めたら最後までやり通すんだ

さあ・・・、行くぞーー」
コロンとソラの嫁っ子捜し その4 1
ワンワン

「本気かいな」

ニャーン

「全くな・・、自分をわかってないな」

ワンワン

「そうだな、いい性格してるよ、全く・・・」

ニャーン

「じゃ・・行くとするか」

てなわけで、喜太郎の嫁取り物語が始まります。

さて、今度はどんな展開で、どんな娘と出会うのでしょうか。

【続く】

嫁取りシリーズの4作目ですね、お楽しみに・・・。

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コロンとソラの嫁っ子捜し その4 2

さあ、喜太郎の嫁っ子捜しが始まります。

ワンワン

「喜太郎、今度こそは、しっかりやらんとな」

ニャーン

「そうだよ、他の若い衆達は、みんな真面目に働いてるからな」

「分かってるって・・・、まったく、すぐ説教みたいな口をきくんだから」


ワンワン

「お! 誰かこっちへくるぜ」

ニャーン

「ほんとだ、なんかさ・・、でっかいぜ」
コロンとソラの嫁っ子捜し その4 2
「えーと、あれは牛だな、何か運んでるんだろう」

ワンワン

「こんにちは・・」

牛を引っ張りながら近づいて来たおじさんにコロンが挨拶をしました。

「おーー、元気のいい犬コロじゃねえか、へーー、猫かい、

どうだ、ネズミを捕ってるか」

ニャーン

「ネズミ・・まかしといて・・、おじさんとこにいるなら

捕ってやるよ」

「ほんとかい、そりゃいいな、オレんとこへ来な」

ニャーン

「デモ、オレたちは・・ほれ、3人組だから」

「ほおーー、そうか、そうか、そこの若いあんちゃんがご主人さまってか、

この辺じゃ、見かけねぇ顔だけど、何処へ行くのかね」

【続く】

牛を引っ張るおじさんか、最初に出会った人だね、

でもまあ、気さくで感じ良さそうだな。

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コロンとソラの嫁っ子捜し その4 3

喜太郎と、コロン、ソラは、牛を引張って来るオジさんに出会いました。

挨拶をすると、猫のソラに興味を持ったようで、

ネズミを捕るならオレんとこへ来ないかと言います。

行ってもいいけど、3人ずれだからと応えます。

すると、オジさんは、喜太郎を犬猫の御主人様と見たのでした。

「見かけないお顔でござんすが、若旦那・・・・

この辺に何か用事でもあるんでございますか」

「いやなに、一寸この辺を歩いてるだけですから」

「もしかして、庄屋さんとこの大樹ぼっちゃんですか・・・・

やーやー・・、これは失礼な口をきいてしまいました」
コロンとソラの嫁っ子捜し その4 3
オジさんは、被っていた手拭を取って、頭を下げるのでした。

「いやいや・・オレ・・いや私はそのような人ではありません」

ワンワン

「そうだよ、喜太郎だよ、オレは、コロンでこいつはねソラって名だよ」

ニャーン

「ボク達はさ、喜太郎の嫁っ子を捜して歩いてんだ、

オジさん、何処かにさ・・・嫁さんになるような人いないかな」

「え、なに・・・、喜太郎・・、コロンにソラ・・・・

何だい、そうかい・・・ふーん嫁を捜してるってか」

オジさんは、喜太郎の顔をジロッと見るのでした。

「だったら、オレんとこへ来い、娘をくれてやるぜ」

【続く】

おーっと、とと、牛を引張るオジさんの一言・・・・。

これは、ドキッ・・・だね。



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コロンとソラの嫁っ子捜し その4 4

オジさんから、嫁っ子をくれてやると、言われて、

喜太郎達は飛び上がりました。

「えーー、嫁っ子をくれるって・・・・」

ワンワン

「ヤッターーー」

ニャーン

「喜太郎ーーー良かったのーー」

喜太郎、思わずオジさんを見つめます。

「あの~・・それ本当でしょうか」

「ああ、オレとこにゃなあ、3人いるんだよ・・・、娘がよ

だからさ、一人ぐらいはいいかなと思ってな」

「えーー、3人いるんですか」

「そうだよ、3人いるんだよ年頃がな、まあ、気に入らなきゃしょうがないけど」

「いやいや・・、その・・あの・・はぁはははは・・・

3人は、無理すけど、一人くらいはいいです・・はぁはははは・・・」

喜太郎、娘が3人いると聞いて、もうウキウキしてきました。

「あの・・、ぜひお邪魔したいです、その牛、ボクが引っ張ります」

「おーーそうか、じゃ・・頼むか・・、それじゃ行くかーー」
コロンとソラの嫁っ子捜し その4 4
ワンワン
「オジさん、ごっつい顔してるけど、3人の娘さんがいるんだ」

ニャーン
「オレ、オジさんの家に行ったらネズミ捕ってやるぜ」

さあ、喜太郎達は、出会った牛を曳くオジさんの家に行く事になりました。


【続く】

3人も、娘っ子がいる。これはいい出会いになるかも。

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コロンとソラの嫁っ子捜し その4 5

オジさんに、3人の娘が居ると云う事で、

俄然張り切り出した喜太郎です。

オジさんの牛を曳いて行くと言って、

手綱を取りました。

「ひゃーーベコ(ウシ)かい、でっかいなーお前、

えーー、力もありそうだな、オレが曳くからさ、よろしくな」

モーー・・

「あん・・、何だお前は、喜太郎だって・・・

そうか・・、まあいいや、ちゃんと誘導してな」

オジさんは、喜太郎が牛を曳くというので、

すっかり任せて、前をいきます。

喜太郎が、コロンとソラと歩調を合わせて歩いていると、

いきなり空中に舞い上がりました。

「ウワーーー」
コロンとソラの嫁っ子捜し その4 5
ワンワン

「おーー、喜太郎ーーー」

ニャーン

「どうしたーー」

喜太郎は、牛の角で突き上げられたようで、

草むらに転がり込みました。

「あーー、イデ・・イデ・・痛いよーー」

【続く】


ありゃ~、喜太郎・・大丈夫かい。

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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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