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2011-05-08

【シンガポール】総選挙で与党大勝も野党が過去最多に

シンガポールで7日、国会の解散に伴う総選挙(任命等を除く選挙区定数87、中・小選挙区制だが勝者総取り方式)が行われた。リー・シェンロン首相率いる与党・人民行動党(PAP)は81議席を獲得し勝利したが、野党で民主社会主義的な労働者党(WP)が初めてグループ選挙区(GRC、勝者総取り式の中選挙区)を制するなど、野党としては過去最多となる6議席を獲得した。
シンガポールの国父とされるリー・クアンユー元首相(現・顧問相、リー・シェンロン現首相の父)が1954年に創設した与党・人民行動党は当初は英領マラヤにおける華人系の民主社会主義政党だったが、マレーシアからシンガポールが独立した後はヘゲモニー政党的な一党支配色を強め、1976年には社会主義インターから脱退した。以後は経済発展と社会政策充実を旨とした中道保守政党視されることが多い(ただし現在も公式には「(共産主義とは異なる)社会主義的民主主義」の旗を降ろしていない)。なおシンガポールでは野党の活動は長いこと低調だったが、1990年のリー・クアンユーの首相退任後は活発化をはじめ、今回の総選挙では労働者党、人民党、民主党、国民団結党などの野党が選挙区をほぼ住み分ける協力体制をしいてほとんどの選挙区で人民行動党に対抗する候補者を出馬させ(これまでは野党の候補者不足のため無投票で人民行動党の当選が決まる選挙区が非常に多かった)、物価上昇や外国人出稼ぎ労働者問題を取り上げて成果を挙げた。逆に人民行動党は過去最低の得票率約60%にとどまり、ヨー外相が落選する波乱もあった。

詳しい選挙結果は次の通り(カッコ内は選挙前比、選挙区定数3増)。
人民行動党 81(-1)
労働者党 6(+5)および非選挙区議員2
人民党 0(-1)および非選挙区議員1
#非選挙区議員は予算案および憲法改正案への議決権を持たない。ほかに任命議員9名。

人民行動党 公式サイト(英語)
http://www.pap.org.sg/index.php
労働者党 公式サイト(英語)
http://wp.sg/
#シンガポールは英語・中国語・マレー語・タミル語が公用語だが、英語優先政策の結果が著しい。

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プロフィール

西形公一

Author:西形公一
もと「民社ゆーす」(旧民社党全国青年部系)事務局長。昔は漫画と法律のことなどをやっていましたが、その後にインド・ネパール・タイなど熱帯アジアの国ぐにとパシュミナを軸とする小口貿易やNPO、研究活動など人とのつながりなどの縁ができて、今に至っています。写真は夕刻のゴア(インド)にて。

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