2012-03-19
【ドイツ】ガウク新大統領が誕生
ウルフ前大統領が企業との癒着スキャンダルによって辞任を余儀なくされたドイツで、18日、東ドイツ出身の民主化活動家ガウク氏が大統領選出のための非常設機関の連邦会議(連邦集会、連邦総会と訳されることもある。連邦議会議員と州議会代表で構成)において新大統領に選出された。ガウク氏は前回大統領選に社会民主党(SPD、社会主義インター加盟政党)と緑の党(Grüne)の推薦で立候補したが、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟を先頭とする連立与党が推すウルフ氏に敗れていた。しかし今回、そのウルフ氏がスキャンダルで辞任するという異常事態を受けて、野党が推す大統領候補をメルケル首相が受け入れた。
ガウク氏は72歳。旧東ドイツのプロテスタントの牧師から反体制活動家となり、東独民主化に際してはリベラル派の市民運動団体「新フォーラム」に加わり、中道左派的な立場から東独の共産主義体制と秘密警察シュタージを徹底的に非難・攻撃。ドイツ統一後もシュタージが保持していた個人情報収集管理に関する監理調査を行う「ガウク機関」の長として活動した。このため反共主義者とみなされることもある。今回の大統領選出においても、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)、自由民主党(FDP)の連立与党に加え、社会民主党、緑の党、バイエルン州の「自由な有権者」、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州のデンマーク系少数民族組織「南シュレスヴィヒ選挙人同盟(SSW)」が超党派で「大連立」的に推したものの、連邦議会に議席を有する政党では旧東独共産党の流れを汲む左翼党(Linke)のみはガウク氏を支持せず、反ホロコースト活動家のクラルスフェルト女史を推した。ほかに極右のドイツ国家民主党(NPD)が候補者を擁立した。ベルリン州議会に議席を有する海賊党(Piraten)は候補者の擁立をめざしたが、最終的に断念した。
ドイツの大統領は名誉職的なポストだが、国家の象徴として道義面で大きな役割を有している。また今回のガウク新大統領誕生により、旧東独出身のメルケル首相と並びドイツは大統領・首相という国家の両枢要ポストが東独出身者で占められることとなる。
ガウク氏は72歳。旧東ドイツのプロテスタントの牧師から反体制活動家となり、東独民主化に際してはリベラル派の市民運動団体「新フォーラム」に加わり、中道左派的な立場から東独の共産主義体制と秘密警察シュタージを徹底的に非難・攻撃。ドイツ統一後もシュタージが保持していた個人情報収集管理に関する監理調査を行う「ガウク機関」の長として活動した。このため反共主義者とみなされることもある。今回の大統領選出においても、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)、自由民主党(FDP)の連立与党に加え、社会民主党、緑の党、バイエルン州の「自由な有権者」、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州のデンマーク系少数民族組織「南シュレスヴィヒ選挙人同盟(SSW)」が超党派で「大連立」的に推したものの、連邦議会に議席を有する政党では旧東独共産党の流れを汲む左翼党(Linke)のみはガウク氏を支持せず、反ホロコースト活動家のクラルスフェルト女史を推した。ほかに極右のドイツ国家民主党(NPD)が候補者を擁立した。ベルリン州議会に議席を有する海賊党(Piraten)は候補者の擁立をめざしたが、最終的に断念した。
ドイツの大統領は名誉職的なポストだが、国家の象徴として道義面で大きな役割を有している。また今回のガウク新大統領誕生により、旧東独出身のメルケル首相と並びドイツは大統領・首相という国家の両枢要ポストが東独出身者で占められることとなる。
2012-03-19
【東ティモール】大統領選で現職落選が決まる
17日、東南アジアでインドネシアから独立した東ティモールで大統領選挙(二回投票制)が行われた。候補者12名が立つ乱戦となったが、現職で1996年のノーベル平和賞受賞者としても知られるラモス・ホルタ大統領は3位にとどまって決選投票に残ることができず、敗退が決まった。1位・2位となったのはそれぞれ最大政党ながら野党の東ティモール独立革命戦線(フレティリン、社会主義インター加盟政党)党首のルオロ前議会議長と、民主社会主義的な東ティモール再建国民会議 (CNRT)のグスマン首相(前大統領)が推す無所属のルアク前国軍司令官。
選挙ではほかにアラウジョ国会議長(社会民主主義政党の民主党所属)やグティエレス副首相が立候補するなど混戦となっていた。ほかに1975年に東ティモールがポルトガルに一方的独立宣言を突きつけたとき「初代」大統領となったアマラル社会民主協会党首も立候補したが、選挙戦中の3月6日に病没している。
グスマン首相は来日中の東京で記者会見に応じ、ホルタ大統領を推さなかった理由として「国民自身の選択」を尊重したとし、ホルタ氏が有権者の支持で広がりを欠いていたことを示唆した。貧困層の解消に向けた取り組みの遅れや、治安問題など政策面での相違があったものとみられる。
東ティモールでは大統領は名誉職的なポストだが、法案の拒否権を持つなど相応の権限を持つ。しかし憲法上、実権を握っているのは首相で、今回の決選投票も、現職首相であるグスマン氏とフレティリンのアルカティリ書記長(元首相)のあいだの代理戦争の様相を呈している。
選挙ではほかにアラウジョ国会議長(社会民主主義政党の民主党所属)やグティエレス副首相が立候補するなど混戦となっていた。ほかに1975年に東ティモールがポルトガルに一方的独立宣言を突きつけたとき「初代」大統領となったアマラル社会民主協会党首も立候補したが、選挙戦中の3月6日に病没している。
グスマン首相は来日中の東京で記者会見に応じ、ホルタ大統領を推さなかった理由として「国民自身の選択」を尊重したとし、ホルタ氏が有権者の支持で広がりを欠いていたことを示唆した。貧困層の解消に向けた取り組みの遅れや、治安問題など政策面での相違があったものとみられる。
東ティモールでは大統領は名誉職的なポストだが、法案の拒否権を持つなど相応の権限を持つ。しかし憲法上、実権を握っているのは首相で、今回の決選投票も、現職首相であるグスマン氏とフレティリンのアルカティリ書記長(元首相)のあいだの代理戦争の様相を呈している。
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