村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

2021年6月11日の参議院本会議で、国民投票法改正案という名の、自民党改憲案国民投票賛成票獲得推進手続き容易化法案、あるいはもう少し短く、自民党改憲手続き容易化法案が採決される予定とのこと。

明日の参院本会議で #国民投票法改正案 の採決が予定されています。最低投票率も広告規制さえも盛り込まれない「改正案」に私は反対します。https://t.co/uyGaVhpq6u#国民投票法改正案に抗議します

— EMIL (@emil418) June 10, 2021

「コロナ禍という危機の中で「改憲ごっこ」、「政治ごっこ」に興じる自公政権と閣外協力勢力の維新、国民民主、そして、政治ごっこを拒否できない立憲民主」という記事でも書いたように、そして、それ以前の多くの記事でも書いたように、国民投票法改正案という名の、自民党改憲案国民投票賛成票獲得推進手続き容易化法案、あるいはもう少し短く、自民党改憲手続き容易化法案には絶対賛成できません。そのことを書き留めておきます。

本当の企みを隠して自分の身勝手な欲望（自民党改憲案）を遂げようとする自民党には、恐怖と警戒しか感じません。次の記事に書いたように。

■自民党とは、「何もしないから」と言いながらホテルに連れ込みたがる男である
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-7965.html
2021/06/02 12:00

私は自民党が連れ込みたがるホテルになんか、絶対に行きたくありません。「何もしないから」と自民党に言われても、過去の自民党を見ればそんなの信用できるわけないことは明らかです。抵抗の手段をすべて奪われて、自分で同意したかのようなことにされて、絶対レイプされるというのが私の悲しい予測です。なので、そうされないために、自民党の改憲につながる道を全身で全力で拒否します。自民党が連れて行きたがる場所には一歩も近づきたくありません。

この国民投票法改正案というのも、自民党が連れ込みたがるホテルの一つです。日本国民は特に自民党と一緒にホテルに行きたい、つまりどうしても自民党の意向に沿った改憲をしたいとは思っていないのにもかかわらず。

憲法審査会で国民投票法改正案について質問しました。
国民は、現行憲法を75年にわたり受け入れてきた。その事実は動かしがたいと指摘。
発議者も「国民の間で充分にこれを認識し、また実行していると評価しています」と答弁せざるをえませんでした。 pic.twitter.com/iGw2gsLcUx

— 山添 拓 事務所 (@yamazoejimusyo) June 9, 2021

今の国民投票法改正案について、ここでは、明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) さんの連続ツイートを見てください。

①「憲法改正」は国会が「発議」して「国民投票」で過半数の賛成があれば改正されます（憲法９６条１項）。憲法を変えるのかどうか、最終的には私たち国民の「投票」次第。まずは国民投票の仕組みを知って、憲法改正案の内容を良く調べ、賛成ｏｒ反対を決める必要があります。 https://t.co/v9mbuyXH59 pic.twitter.com/Scs47p9d41

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

②憲法改正国民投票の仕組みや国民投票運動のルールは「国民投票法」が定めています。ところが、この「国民投票法」にはいくつもの重大な欠陥が！このままでの国民投票はあまりにもアンフェア💦改憲したいなら、まず国民投票法の致命的な欠陥を直して、公正・公平な手続きを整えることが先決です。 pic.twitter.com/m1LUgpIFzU

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

③総務省HPに掲載されている、憲法改正国民投票の投票用紙です。
今の国民投票法では賛成票が「有効投票」の過半数に届けば「賛成多数」となる、とても低いハードル設定💦改正案について投票した全ての人の意思を反映させた「白票その他無効票も含めた投票総数の過半数」を土台にすべきです。 pic.twitter.com/1DG0Sbm09D

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

④今の国民投票法では、「国会の発議」から「国民投票」までの期間は最短でたったの６０日（２か月）！仕事・家事・育児・介護と並行してそんな短期間で憲法改正案を吟味し、投票運動に参加して、賛成するか反対するか決められますか？本の出版すら間に合わない💦熟慮にはもっと時間が必要です。 pic.twitter.com/KIDqaauCzC

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

⑤今の国民投票法には、最低投票率（投票が少なすぎるので国民投票は無効、というボーダーライン）の定めがありません。どんなに投票数が少なくても（例えば投票率３０％でも！）過半数の賛成で憲法改正が可能⚡そんなんじゃ到底「国民全員で決めた改正」とは言えません…最低投票率の定めは必須です！ pic.twitter.com/eqW8tkMyPx

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

⑥今の国民投票法には、ＣＭなど有料広告の規制はほぼゼロ。資金力ある側がゴールデンタイムのCMの枠を買い占めて、人気タレントを起用したCMを流し続ければ、世論が操作されて国民は冷静な判断がしにくくなります。表現の自由に配慮しつつ、広告の公平性やフェアな投票運動を守る規制が必要です。 pic.twitter.com/xySdzhd4ht

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

⑦条文ごとに賛成か反対か投票できる個別投票が、原則になっていません！今の国民投票法は「内容において関連する事項ごとに区分して行なう」としか定めておらず、改憲の項目が複数あったとしても、まとめて「賛成」か「反対」か投票を迫られる可能性があります。「条文ごとに個別投票」の原則を！ pic.twitter.com/gmXTa4IZ75

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

⑧今の国民投票法では、公務員と教員の「国民投票運動を効果的に行いうる影響力又は便宜を利用し」た国民投票運動が禁止されています。曖昧すぎて意味不明…💦こんな書き方では、何が許されるのか分からず、処罰を恐れて委縮してしまいます。表現の自由・学問の自由・教育の自由の過度な制限です。 pic.twitter.com/pqzdO3ikvB

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

⑨今、通そうとされている改正案は、⑧までの致命的な欠陥についてほぼノータッチ。法律家や学者がずっと前から指摘してきたのに今すぐ修繕する気がないのはなぜ…？これで「国民投票法の修繕は済んだ」ことにされたら、最高法規である憲法が、めちゃくちゃな手続きで改正されかねません。 pic.twitter.com/hfwLPz4a6t

— 明日の自由を守る若手弁護士の会／あすわか (@asuno_jiyuu) June 10, 2021

この国民投票改正案は、自民党が出す改憲案について少しでも多くの人の少しでも深い合意を積み重ねるための改憲手続きではなくて、人々が何もわからないうちに、人々に深く考えさせないように、できるだけ低いハードルで容易に自民党が目指す改憲を実現させたいだけの手続きを定めているだけです。だから、自民党改憲案国民投票賛成票獲得推進手続き容易化法案、あるいは、自民党改憲手続き容易化法案だと表現しました。

「何もしないから」と言いながら自民党改憲案というホテルに連れ込んで、あなたをレイプ、あるいは現憲法を蹂躙しやすくするための法律。この国民投票法改正案によって、あなたは民主主義・国民主権・基本的人権・平和主義を縮小、無効化する改憲に同意したつもりがなくても、いつの間にか自民党による改憲、あるいは現憲法へのレイプに同意したことにされてしまうのです。

自民党が連れ込みたがるホテル、やりたい改憲はたとえばこちらに解説されています。自民党改憲草案と現憲法の比較です。

憲法改正ってどうなの？　（短縮版）
https://drive.google.com/file/d/1eU71V68RdoWizd6aODnG8jmJMEhNPmO1/view

憲法改正ってどうなの？　（完全版）
https://drive.google.com/file/d/10sc-7OqOEptL5tsyJK8T5d88DhgI1xLI/view


知れば知るほど、考えれば考えるほど、自民党のやり方を分析すれば分析するほど、自民党のやり方はもろに、「何もしないから」と言いながらホテルに連れ込みたがる男の手口に似ていると思わざるをえないのです。

最後にもう一つ。

菅政権下の学術会議の委員の任命拒否、デジタル庁法案と憲法改正手続き法案の成立強行、審議中の重要土地規制法案の重大な共通点

内閣総理大臣への情報集中と独裁権限の強化
学問の軽視
情報とメディアによる市民の操作
市民活動への敵視と威迫

重要土地規制法案は、絶対に廃案にしなければならない pic.twitter.com/WYQUowKyut

— 海渡雄一 (@kidkaido) June 10, 2021

立憲民主党の、この国民投票法改正案に「賛成」という対応についても疑問。

立憲さんは、国民投票法改正案に賛成した経緯を、ちゃんと説明する義務があるのではないか。国体マターなどと言う言葉が飛び交っているが、私達の人権に関わる重大な法案をその様な裏取引をしてよいのか。戦術だと言うならば、説明責任がある筈だ。志位さんの助け船の言葉に、甘えている場合では無い。

— カズキ　ルーペ (@nichey7) June 10, 2021

最後に、14年前のこんな記事も読み直しましょうか。

■「日本国憲法の改正手続に関する法律」を報じるフランスの記事
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-218.html
2007/05/16 13:18

原文記事を保存しておけばよかったのだけど、すでにこのフランス語原文の記事はネットから消えています。私の和訳だけが残っている状態。

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●国会議員への投書のための「議員一覧ポータルサイト」 (1)→国会議員いちらんリスト - 政治家（衆議院議員475名 & 参議院議員242名）に声を届けたい人のためのサイト ; (2)→http://publistella.jp/
●メディア一覧 - 私たちの声を国会へ→http://rpj-action.jimdo.com/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E4%B8%80%E8%A6%A7/
●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集　（適宜更新）」経由で→http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html

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