村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

日本政府や与党や多くの日本人にとっては他人事だったから、当事者が悲痛な叫びをあげても、当事者が強い要請をしても、解決の見通しが出るのがここまで遅くなったのだろうと思いました。

何のことを言っているかというと、留学生や国際カップルや在日外国人ビジネスパーソンが日本に再入国できないという日本政府の不手際というか怠慢からきた問題です。たとえば、ツイッターを見れば、日本に再入国できないことに抗議する発信をしている人はすぐに見つかります。たとえば、この方。

●在日外国人を助けよう (@moejapon) _ Twitter
https://twitter.com/moejapon

ざっと読んでいただいたでしょうか。

どのように困っているか、いくつかの典型的な例を出してみます。

新型コロナウィルスCovid-19流行前に出国し、その間にウィルス感染拡大によって日本政府による入国制限がかかったため、日本に帰れなくなった、日本を生活、仕事の拠点とする定住外国人。日本に戻れないのに、日本の住居の家賃を払わなければならず、外国に自費での滞在を続けなければならず、仕事の拠点である日本に戻っての仕事ができないという状況。海外在住の日本人は日本に帰国できても海外在住の日本定住外国人は日本に再入国できないという不条理。

日本に長年定住し、生活の拠点も仕事の拠点も日本にあるのに、新型コロナウィルスCovid-19流行による日本政府による出入国制限のために、一度出国すると再入国ができない状態で、外国にいる家族が亡くなるなどしても葬儀などのために出国できない定住外国人。新型コロナウィルスCovid-19流行による日本政府による出入国制限下でいったん出国すると再入国ができないため、仕事で海外出張することもできません。日本在住の日本人は日本を出て帰ってくることができるのに、日本在住の定住外国人は日本を出たら帰ってくることができないという不条理。

日本の大学と文科省の奨学金を得ることができた外国人留学生が来日前に新型コロナウィルスCovid-19流行による日本政府による出入国制限で入国できなくなり、オンライン授業を受けてくれと言われたものの時差があるので出身国では授業時間は深夜、来日していないので奨学金ももらえない状態が半年続き、来日予定だったので出身国で仕事も住居もないという不条理な状態。次のような例をツイッターで目撃しました。

今年4月に来日予定だったが入国を足止めされ、しかたなくオンラインで受講を始めた国費留学生たちが、文科省から生活支援も十分なコミュニケーションもないまま、奨学金の支給期間をめぐって不利な扱いを受けている。いかにも官僚主義的で、ひどい話。 https://t.co/j5yez9lVX1

— ひらおかたかゆき (@eyebw) August 15, 2020

新型コロナウィルスCovid-19流行による移動の制限がかかるのはやむをえないとしても、これらの不合理や不条理を行政的にできるだけ小さくしようとしたり取り除こうとしたりする努力が日本政府には何か月もの間なかったわけです。

多くの人や外国ビジネス団体などが抗議をしたこともあってか、再入国ができるようになりつつあるようです。

●日本経済新聞
留学生ら再入国、8月5日から　在外公館で手続き開始
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62062370Z20C20A7PP8000/
2020/7/29 22:30

●朝日新聞デジタル
外国人留学生の入国、月内にも緩和　再入国は全面解禁へ
https://www.asahi.com/articles/ASN8P7648N8PUTFK008.html
二階堂友紀
2020年8月22日 5時00分

外国人の再入国ができるようになりつつあることは喜ぶべきではありますが、なぜこれほど時間がかかったのか、国籍によって再入国制限緩和のスピードに差を付けられることはないか、など、注視すべきことはまだまだあります。

誤解がないように付け加えたいのですが、私がここで言っているのは新型コロナウィルスCovid-19流行がおさまっていない中で出入国制限を今すぐ全面的に解禁せよということではなく、出入国制限をめぐる日本人、外国人間での不合理、不条理な差別をやめてほしいということであり、出入国制限にひっかかって困窮している人（上にあげた例で言えば、たとえば留学生）に対する行政上の支援が必要であるということです。

ですが、GoToトラベルなるウィルス拡散につながる政策を押し進めるユルユルぶりなのに、日本定住外国人再入国については不合理な差別を続けるという矛盾と不条理を生み続ける国が日本であることが、今回メモした外国人再入国制限の不条理の問題でも改めて明らかになったということでしょうか。

日本政府には、不条理、不合理な外国人差別をやめるように求めます。このような不条理や不合理が日常的になったら、今後や外国のビジネスパーソンからも外国の企業投資からも外国人留学生からも避けられて、不利をこうむるのは日本自身なのです。



追記。

相変わらず，政府は日本のマスコミにリークしたが、我々外国人特派員は政府に連絡し確認する時に「何も決定しておりません」しか言われない。
なぜいつもバカにされているの？ https://t.co/AJfW9qghJn

— Karyn NISHIMURA 🔊 (@karyn_nishi) August 21, 2020

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