私はサッカーはどちらかといえば好きですが、大ファンというほどでもありません。入場料を払って試合を見たことがありませんし、せいぜいテレビで世界的大会やハイレベルの試合があって私の予定が合えばときどき見る、という程度です。オフサイドは理解しているつもりですが、戦術論はよく知りません。テレビ放送時間に合わせて試合を見るためにテレビにかじりつくことも少ないです。
ですので、これから書くことはサッカー論やサッカーの感想というよりも、サッカーを通じた個人的な日本社会論のようなものだとご理解ください。
2018年ロシアW杯のグループリーグ予選の日本対ポーランド戦の、多くの論争を呼んでいるラスト約10分の無気力部分についてです。
いろいろな意見がネット上で読めるのですが、私のサッカーに対する基本的スタンスは、特定のチームや特定の選手や特定の監督や特定の国にこだわらず、ただただ良い試合、エキサイティングな試合、達人のすごいプレイ、標準的選手の懸命のプレイを見たい、というものであるということをまず言っておいて、以下に書き進めます。
あ、もう一つ言っておきます。私は日本対ポーランド戦、放映時間が私の生活リズムと合わず、録画もしていないので実は見ていません。試合運びについて活字情報を読んだだけです。では、以下に書き進めます。
私にとっては、あのパス回しの10分間は日本チームにとって良くないものであったと思います。つまり、決勝トーナメントに進むために同グループ内のもう一つのセネガル対コロンビアの試合の結果に依存するという選択をして、日本の攻撃が相手の反撃を食って失点する可能性を消すためにパス回しに逃げたあの「戦術」に批判的です。日本の決勝トーナメント進出を取り消すべきだとまでは思いませんが、あの「戦術」には批判的であることに変わりありません。
確かに、日本チームが決勝トーナメントに進むためにはそれが最も合理的な戦術だったのでしょう。それは私のもわかりました。自然に日本チームを応援する日本人ファンとしては、特に、日本でテレビ観戦をしている日本人ファンであれば、それが合理的な戦術であったと納得すれば、あの「戦術」を支持する気持ちは私も理解します。そして、その「戦術」が合理的とはいえ大きな賭けであってそのための西野朗監督の「決断」にある種の覚悟がいると考えれば、あの「戦術」を肯定する日本人ファンが多いことは私も理解します。だって、あの決断が裏目に出て、セネガルが点を入れたら日本はグループリーグ予選を敗退していたわけで、そうなっていたら日本のファンから大ブーイングだったでしょう。
しかし、私個人はあのラスト約10分の「パス回し戦術」と「ぬるい試合態度」には批判的です。日本の全サッカーファンが私と同じ意見を持たなければならないとは思いませんが、私のように考える人が少しだけでも増えればいいな、というくらいは思います。
私がそういう批判的な立場をとる理由の一つは、安くない入場料を払ってスタジアムで観戦していた人を裏切り、失望させる「戦術」であり「試合態度」だったからです。このことは、たとえ日本チームの決勝トーナメント進出を喜ぶ人であっても、事実として認めるはずです。スタジアムの観客の失望や怒りに日本のファンがどのくらい「同意」するかはわかりませんけれど。
私がこう考えながらいろいろな意見をざっと読んでいくうちに、私が理解したことがあります。それは、一つの試合は立場によっていろいろな見方があるということです。
そのチーム（日本チーム）を自国チームだという理由で応援する同国人（日本人）にとっては、チームのとった選択が良いものであったと思いたいという傾向があること。
大会の上のステージに行くことを使命として課せられた監督は、スタジアムで入場料を払って観戦する観客のことは真っ先に考えることはある意味で許されず、自チームのことしか考えられないということ。
日本のサッカー協会やスポンサーや放送局にとっては、日本チームが勝つことによってより儲かるので、それが試合を応援する大きな動機であること。
そして、自国チームの勝利や予選突破のことよありも単純に良い試合を見たいと思う者、スタジアムで入場料を払って観戦する観客にとっては、あの日本チームの「戦術」はブーイングの対象であること。
これらの異なる人々を等しく満足させることは確かに難しいです。
だけど、試合の間中、全力でプレイする、必死に勝ちに行くということを、たとえ試合の一部の時間帯とはいえ、放棄した試合を「これでよい」として認めてしまうことは私にはできませんでした。
チームがどこまで勝ち進んだかによって賞金がどれだけ違うかという情報をどこかで見ました。決勝トーナメント進出すれば賞金の額はかなり増えることを知りました。そうなればスポンサーも満足するでしょう。日本チーム、それを束ねる代表監督、そしてそれを管理する日本サッカー協会、そしてスポンサーによってはカネのためのサッカーなのだろうかと身も蓋もないことすら思いました。私はカネのためのサッカーに興味はありません。良いプレイ、良い試合を見たいだけです。勝ち進むことによって経済的報奨が大きくなることは当然のことと思いますが、経済的報奨が動機となっているのかと思ってしまうのはちょっと辛いです。カネや協会、スポンサーのことまで考えなければならない監督はたいへんです。
一方、日本チームの決勝トーナメント進出を喜ぶ日本人ファンの中に、私のようにあの「戦術」への批判的な立場を表明した人に対してあの「戦術」を正当化する言葉を一所懸命見つけようとしている人が多いことにも驚きました。どれだけあの「戦術」を批判されても、日本チームの決勝トーナメント進出が取り消されるわけでもないでしょうに。私が思うに、これはナショナリズムなのでしょう。自分の応援する対象が批判されると弁護して批判をすべて跳ね返そうとする心理。日本という社会にある問題が指摘されると一所懸命になってその指摘を否定しようとするナショナリズムに通じると思いました。そういう批判もあると受け止めて、そういう批判をされないためにはどうしたらいいか考えるのではなく、その批判を封じてしまおうという態度。
「
私は『自分の国籍に誇りを持っていないこと』を誇りに思っています。」という記事を書く私はあまりにもドライなのかもしれません。でも、良くない試合態度だと思ったら、それが自国チームの試合であれ、ブーイングして差し支えないし、そのブーイングに十分な根拠があれば、そのブーイングを正面から受け入れればよいのではないでしょうか。ブーイングの理由を理解することによって、次の機会にはブーイングされないための試合をすることができるようになる。自分が応援するチームの行動を全肯定することは「ひいきの引き倒し」になるのではないか。そう考える人が少しでも増えればいいなと私は思います。
自国チームを応援することは自然なことであり、それを全面的に否定するつもりはありません。だけど、自国チームを応援することだけを考え、手段を問わず決勝トーナメント進出のことだけを考えると、入場料を払ってスタジアムで観戦している人の怒りや不満に思いをはせることができなくなる、全力を尽くすというスポーツの倫理を忘れてしまう、そんな意見の例を多く見ました。過剰なナショナリズムが思考を狭くしてしまい、判断力を歪めるという、日本社会にありがちの欠点というか問題だと思いました。
さらに言えば、この日本の「戦術」あるいは「無気力な態度」は、世界の多くから批判的に語られることになったことを軽視すべきではないと強く感じました。あの「戦術」に肯定的な評価を与えたスポーツジャーナリズムもあったのでしょうが、日本チームへの批判はかなり辛辣なものでした。言ってみれば、日本のサッカーチームは海外のサッカー界からの信頼を失ったのではないかと思います。決勝トーナメント1回戦の対ベルギー戦での戦いぶりが良ければ、その失われた信頼は取り戻せるものでしょうか。たとえ対ベルギー戦で日本が勝ったとしても、海外のサッカージャーナリズムやサッカーファンから日本のサッカーとはこういうものだと思われてしまったことは、たいへんまずいことだと思います。日本チームが失った信頼というか評判は意外に大きいのではないでしょうか。日本チームは、数億円の賞金増額と引き換えに、日本のサッカーの評判を自ら傷つけてしまった、という意識を日本人ファン自ら持たないと、今後日本のサッカー文化の行く先が心配になります。
というところまではサッカー素人の私が思ったことですが、いろいろな意見を見ながら、樋渡類さんという方のツイートを通じて大切なことを知りました。それは、FIFA（国際サッカー連盟）や日本サッカー協会（JFA）の行動規範には「勝つためにプレイする（Play to Win）」という規範があるということ。サッカーに疎い私はそのことを知りませんでしたが、今回それを知ることができたことはよかったです。上に書いた私の個人的感想は、サッカーの行動規範に合致した意見であり、自信をもってよいと裏付けを与えてくれました。
自国愛は他者や他国への思いやりを消し去る危険な力があるということ、自国愛は判断力をにぶらせるということ、目先の勝利や決勝トーナメント進出よりも大切な無形のものがあるかもしれないということ、罰則がなければ何をしてもよいという感覚が日本人には大きすぎて問題なのではないかという問い、日本人に「原理原則規範」への尊重の姿勢が弱いことは社会を少しずつダメにしていくのではないかという問いなど、いろいろなことをこの日本対ポーランド戦とそれに対するたくさんの意見から考えました。試合を見もせずにこんなことを考えて文章にする私も十分におかしな人かもしれないとも思いました。これもサッカーの楽しみ方の一つということで。
できるだけ短く書くつもりでしたが、一つ一つ説明していったら長くなってしまいました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。以下には、上でふれた樋渡類さんのためになったツイートや試合の戦術を論じる記事など、いくつかメモしておきます。
●国会議員への投書のための「議員一覧ポータルサイト」 (1)→
国会議員いちらんリスト - 政治家（衆議院議員475名 & 参議院議員242名）に声を届けたい人のためのサイト ; (2)→
http://publistella.jp/●メディア一覧 - 私たちの声を国会へ→
http://rpj-action.jimdo.com/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E4%B8%80%E8%A6%A7/●他の社会系ブログに行くにはうちの「私的リンク集 （適宜更新）」経由で→
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-136.html
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大阪空港騒音公害訴訟上Takeshi婚外女性を玉木の輿に乗せて、自分に都合が悪くなったら切り捨てた #玉木雄一郎に騙されるな #玉木代表の議員辞職を要求する #国民民主党に騙されるな橋下徹のずれた発言橋下徹が小泉みゆき嬢を国民生活党で職員として雇うことを提案したそうです。いくら不倫を擁護するにせよ、橋下徹の発言はやはりずれています。Takeshi玉を衒いて維新を売る立憲民主党の誤り @edanoyukio0531 @izmkenta @okada_katsuya @nagatsumaakira @tsujimotokiyomi @OogushiHiroshi @junyaog @kikuta_official @s_mizuoka @shigetoku2 @hirofumi_ryu @sokuno2 @masayo_tanabu @saito_yoshitakaNo title 野田代表の政治センスの無さは相変わらずのようです。一応リベラルな政党という事になっている立憲民主党がバリバリ保守の維新の会と組めば政党の理念が死んでしまいますクテシフォン新型コロナウィルス感染症は終わっていません。不織布マスク着用による最大限の予防を。 #感染症から子どもを守れ #学校園は流行期の対策をNo titleさらに「リンゴ病」も流行っているそうですね。
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それに「インフルエンザ」と「マイコプラズマ肺炎」が終息するどころか「これからじゃないか」と間違いアンドリュー・バルトフェルド