村野瀬玲奈の秘書課広報室

日本会議、神社本庁、自民党集団はすでに保守系という分類から逸脱している。彼らは日本人至上主義者だ、とハッキリ言うべきではないだろうか。

白人至上主義者の主張は、おおざっぱに言えば次のようになる。国を白人の手に取り戻す。非白人、女、ゲイ、移民など、マイノリティーを敵視、蔑視、差別、排除。民主主義を嫌悪。国粋主義。国家主義。ネオナチ。歴史修正主義。移民のいない世界、非白人、女、ゲイなのど権利が認められていなかった過去の時代を夢想する。他国でこのような主張を行えば白人至上主義とみなされ、彼らが政治的活動を行えばそのように報道されるだろう。白人至上主義を極右と呼ぶことがあったとしても保守とは呼ばないし、一般市民も “なるほどこの人たちは白人至上主義者の政治団体なんだ” と普通に受け止めるだろう。日本では今なお彼らを保守と呼ぶようだが、かなり苦しい拡大解釈であり、この期におよんでは悪質なミスリーディングでしかない。外国人から見ればこれこそ ”世界が驚くニッポン” だろう。このような集団を保守に含めることで、結局は危険なものを絶対安全とよんでいた神話効果がまたしても醸成され、次なる神話の正当化に手を貸す結果になっている。現に数年前から海外で報道されるアベ自民党政権の形容は、ultra-, super-, far-, right といったものであり、保守から逸脱していると見なされている。またアベ自民党法（日本や憲法をこの法律の名前に断固入れたくない）が民主主義を放棄していることは、海外の主要メデイアには既知のものである。そして先日来のアベ小学校疑獄の報道により、保守だと考える海外メディアは消滅したと言ってよい。それを認識していないのが当の日本人だけという恐るべき状況である。

宗教は原理主義的になればなるほど、ナントカ至上主義と類似の様相を呈するようになる。以下 （気が進まないがあまり適当なものがないので）wikipedia 原理主義より引用する。

”現代の（狭義の）キリスト教ファンダメンタリストと呼ばれる人々は下記のような政治的・社会的主張を行っている。

1. いかなる理由であっても妊娠中絶に反対する。例えば、母体が病気や身体機能の障害で、妊娠や出産の負荷により死亡する危険性が高い場合、多対妊娠をした場合に母体の負担軽減や胎児の死亡確率の減少のための減数手術、性犯罪・強姦により被害者が望まない妊娠をして出産を望まない場合であっても妊娠中絶に反対する。

2. 妊娠中絶に対する反対に関連して、人工授精、代理出産などの生殖医療技術に反対する。

3. 純血運動推進。男女が結婚前に性関係を持つこと、夫や妻以外の人との恋愛や性関係を持つことに反対する。

4. 同性愛、および、同性愛者の法律上の結婚に反対する。

5. 天文学、天体物理学、地球科学、生物学などの学問を学校教育で行うことを聖書の天地創造説を根拠に反対する。

6. バイオテクノロジー、バイオビジネスに反対する。

ファンダメンタリストは上記の信条・世界観や、政治的・社会的主張を、個人の宗教的な規範や価値観としてだけではなく、国家や社会の普遍的な規範や価値観として法制化し、その規範や価値観に基づいて国家や社会を統治すべき（つまり、他人にも強要・強制する）と主張している。ファンダメンタリストは自らの信条や世界観、その信条や世界観に基づく政治的・社会的主張に誇りを持っている。ファンダメンタリスト以外の人々にとっては、宗教的にリベラルな人々にとっても、中道派の人々にとっても、保守派の人々にとっても、ファンダメンタリストが主張する信条や世界観、その信条や世界観に基づく政治的・社会的主張は、著しく極端な認識や考えなので、それ以外の人々の間では、狂信的で時代錯誤な教義を振りかざす集団と評価して、侮蔑や軽蔑の意味や感情を込めて、ファンダメンタリズム、ファンダメンタリストと表現されるようになった。”（引用終わり）

この引用はキリスト教原理主義を説明しているが、どの宗教でも原理主義の考え方は類似である。”ファンダメンタリストは上記の信条・世界観や、政治的・社会的主張を、個人の宗教的な規範や価値観としてだけではなく、国家や社会の普遍的な規範や価値観として法制化し、その規範や価値観に基づいて国家や社会を統治すべき（つまり、他人にも強要・強制する）と主張している。ファンダメンタリストは自らの信条や世界観、その信条や世界観に基づく政治的・社会的主張に誇りを持っている”　というのがポイントであり、国粋主義、国家主義的な様相を帯びる。原理主義的世界観とナントカ至上主義的世界観はこのように親和性が非常に強い。そして神社本庁の考える宗教なるものを日本以外の場所で、あるいは日本人以外に、一般的な仏教、キリスト教、イスラム教などのように、国境や言語を超え布教できるかというと、ほとんどなされていない、というか不可能なのである。つまり神社本庁の唱える宗教観には普遍性がなく、宗教といっても限りなく原理主義的な、日本国内で日本人にしか通用しない宗教観なのである。そう考えれば、日本会議、神社本庁、自民党による三位一体の日本人至上主義というのはありうる話といった可能性の問題ではなく、日本人至上主義そのものずばりだろう。

日本ではマスメディアが事実上日本会議、神社本庁、自民党関係により買い占められ統制されているため、メディアが日本人至上主義の広告広報機関と化し、日本人至上主義の主張が ”あたかも保守の見解であるかのごとく” 毎日毎日垂れ流されるという奇怪な現象が長期間継続している。また日本人の極端なマスメディア好きとTV好き（これほど毎日長時間TVを見、新聞を読む国民を他に知らない‥‥）、体の隅々にまで染み付いた村八分の伝統によって、人と異なる事に対して罪悪感を抱きやすく多数派に与し易いという体質がある。さらに日本語しか通用しないという特殊な言語環境のために、能動的に生きようとかなりの努力をし続けない限り、精神的心理的鎖国状態に陥りやすい。翻訳された情報も、日本人至上主義的バイアスやミスリーディングがかかっており、原文には無い日本（人）スゴイ感が挿入されている場合が散見される。以上の相乗効果によって、日本人至上主義は新たな保守であり正統でありこれを信じてかしずけ、という破滅的な洗脳が国民全体に及んでいる。その結果が支持率が低下しない自民党支配の呪縛なのではないだろうか。

民主主義がある程度機能していれば、それは個人の権利、自由、平等を尊重するものであり、日本人至上主義が超越する状況を打破することができただろう。ところが日本人は ”不断の努力” を怠って民主主義を自ら獲得してこなかった。個人についての探求が甘く、伝統的な村八分体質から自由にたいする罪悪感を抱きやすい傾向を持つ。また人口の半分を占める女性すら今だに排除する、未開の心理状態を脱却できずにここまできた。このような状況の下で圧倒的に多様性に欠けた社会が、全国民洗脳国家をふたたび誕生させてしまったのである。このまま事態が進行すれば、希薄な民主主義はあっけなく敗退し、独裁国家主義法アベ自民党法（この法律に日本や憲法を断固として入れたくない）が成立し、日本会議と神社本庁によって国家がのっとられ、大日本帝国が再降臨するだろう。

平野直子氏の説は大変興味深く、個人的にはとてもおもしろかった。しかし、日本会議、神社本庁、自民党による三位一体の日本人至上主義は、平野説ほど複雑でユニークな存在ではないような気がする。むしろ世界中のどこにでもころがっている、偏狭で傲慢な自慰的差別主義集団であり、そのようなものが仮にも先進国と考えられていた国で、日本国民全体という大規模集団を浸食しつくした事が稀な事態なのではないだろうか。日本会議、神社本庁、自民党による三位一体の日本人至上主義による差別主義排他主義は、自らが最高であり、他のものは間違いであり、自らの主張に沿わない小国とみなした相手に対して、小国の ”間違った” 主義を矯正するために今後は大っぴらに戦争を始めるだろう。同様に、徹底した差別と排他主義により大日本帝国では常套手段であった、リンチや逮捕、ざまざまな残虐行為による弾圧と統制が再び導入され社会を覆い尽くすだろう。保守のひとつ、などと楽天的な事を言い続けて大丈夫な地点はとっくに過ぎてしまった。世界史に後世まで名を残すカルト国家として後々の世代まで、ナチスドイツ、大日本帝国、大日本帝国２として、過ちを平気で繰り返す愚かな民族として、永遠に記憶されるだろう。そのような絶望的な状況に至ったと真実を言わねばならない。日本国憲法１２条はおそらくこの事態を予言して復讐しているのだ。