村野瀬玲奈の秘書課広報室

　

経団連に代表される日本の財界あるいは日本の（大企業中心の）企業社会が求める「国際競争力」という「概念」がありますね。（ただの「競争力」でも同じことだと思いますけど。）

お財界様によると、「国際競争力」がないとグローバル競争の中で生き残れないのだそうです。

では、日本の財界あるいは日本の企業社会はどのようにして「国際競争力」をつけたがっているのでしょうか。個々の企業や個々の業界や個々の経営者の考え方にはある程度バリエーションがあるはずですが、経団連など大手経済団体のトップあたりから出てくる方針はだいたい次のようなものです。大手経済団体から出てくる文書ではオブラートに包まれた言葉や表現が使われることもありますが、ここではあえて、その本質を直接えぐるえげつない言葉づかいをしましょう。

法人税下げなど、企業減税。

消費税上げ。

高額所得者層への増税は行なわない。なぜなら、高額所得者層が海外に逃げるから。

労働者の賃金をあらゆる方法で抑制する。

雇用の非正規化による使い捨て労働者の確保。

社会保障の企業負担分の軽減。

国家が国民を代表して税金によって運営するべき福祉・社会保障など公共部門の民営化あるいは「私物化」。

これらの方針をまとめて新自由主義と呼ぶこともありますが、これらの方針をすすめるということでどのような結果が生み出されるでしょうか。一言でいってしまうと、『民主社会から奴隷制社会への移行　（「志村建世のブログ」から）』という記事でも書いたとおり、個々の人々から人間的に生きるための権利や可能性を一つ一つはぎとって、個々の人々から生きるためのいろいろな力を奪ってゆく、ということにほかなりません。これらの方針は、人間的な尊厳ある生活をめざすということは全く意味しないのです。

それはとりもなおさず、「個人」の地位をお財界様の奴隷として名実ともに固定することを意味することになるのです。

お財界様は「国際競争」という戦いの中、「国際競争力」という言葉を武器にして、人々が人間的な生活を求める力を無効化してゆきます。そのように、お財界様が個々人から上手に利益をしぼりとる競争がおこなわれているのです。

お財界様がそう直接的なえげつない表現で言わなくても、現実の事態はそういうことです。

そのような新自由主義的方針をお財界様がすすめたいのであれば、私たちはいくつかの問いをお財界様にぶつけなければなりません。

その一。これらのえげつない方針を忠実に、徹底的に実施しているのはどこの国、どこの経済圏、どこの企業でしょうか。アメリカでしょうか、西欧でしょうか、北欧でしょうか、中国でしょうか、アフリカでしょうか、新興国、...でしょうか。

その二。日本国と日本のお財界様は、どこの国、どこの経済圏、どこの企業と「競争」しているのでしょうか。アメリカでしょうか、西欧でしょうか、北欧でしょうか、中国でしょうか、アフリカでしょうか、新興国、...でしょうか。

その三。これらのえげつない方針を忠実に、徹底的に実施することで「国際競争力」をつけることによってグローバル競争の中で生き残るのはどこの国の人、どこの経済圏の人でしょうか。アメリカでしょうか、西欧でしょうか、北欧でしょうか、中国でしょうか、アフリカでしょうか、新興国、...でしょうか。

その四。その「国際競争」に勝った状態とはどんな状態のことをいうのでしょうか。

その五。日本に「競争力」というものがあるとして、その競争力は誰が所有しているのでしょうか。お財界様でしょうか、それぞれの個人でしょうか。

その六。その「競争力」を行使することによって、誰が真っ先に得するのでしょうか。お財界様でしょうか、それぞれの個人でしょうか。

問いはまだまだありますが、このくらいにしましょう。

「競争力」という魔法の呪文、もしくはお財界様が個々人に「財力収奪戦争」を仕掛けるときの武器についてこのような本質的な問いを重ねてゆくと、「競争力」、というか、「競争」が個々人の生活を破壊しているのではないかということに気付きます。

たぶん、このテーマでまた記事を書きたくなると思います。


参考記事。私に今回の問いかけをさせることになった記事です。

●身近な一歩が社会を変える♪
小飼弾　『働かざるもの、飢えるべからず。』
http://newmoon555.jugem.jp/?eid=147

●Ａｆｔｅｒｎｏｏｎ　Ｃａｆｅ
労働者に我慢を強いて企業を優遇することが国際競争力をつけることになるのでしょうか？
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-442.html

●志村建世のブログ
「分かち合いの経済学」を読む
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1772.html

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2010-06-12
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ＜７＞（新たな都議開示資料は全面墨塗り！）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10560994806.html

■2010-06-16
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ＜８＞（実験の中止はありえない、と都知事）
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10564421790.html

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そこに存在する美しい人生と生命と生活を守る切実な要望を民主党に聞かせるために、アブナイ日本が壊れる前にとりあえず生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどどうしたらいいかkimeraれない人の役にたちたくて、イル・サンジェルマンの散歩道の午後のカフェの窓辺でお茶しながら虹の日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや世界の片隅で税制についてのニュースを読んで、消費税と社会保障と国家予算についての『知られざる真実』を大脇道場と言ノ葉工房とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座で1947年教育基本法の理念に賛同して超左翼おじさんやカナダの日本語の先生から学んだ後で、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら戸倉多香子さんや保坂展人さんのためにみんななかよくスクラム組んで多文化・多民族・多国籍社会で「人として」情報流通を促進できるかとか、雪裏の梅花や古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書く、国会議員定数削減・比例削減に反対してきまぐれな日々を転がるひよこ豆のように過ごすサイバー政治団体秘書のおしごと日誌。
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