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五月国立大劇場公演だより
ぽん太のお手柄
将軍が江戸を去って一と月、
三遊亭圓朝は日本橋の寄席・伊勢本のトリを勤めていた。
その晩も、浅草の自宅から出勤しようとしたが
木戸が閉まっている。
むなしく家に帰ったが、今度は寄席に詰めていた弟子たちが
日が改まっても帰ってこない。
砲声が轟き、上野の山で戦争が始まったとの噂に
気を揉む圓朝の元に一人の弟子が
皆の無事を告げた。
三遊亭ぽん太だった。
圓朝かかりつけの床屋から弟子入りしたぽん太は、
チョット愚かともいわれたが愛嬌者。
途中官軍の陣営に捕まったが、
圓朝の弟子と知っていたものが居て
解放され、大任を果たした。
翌朝動乱を見物に出掛けた大圓朝が眠るのは、
谷中の全生庵。
彰義隊の上野戦争をはじめとする
維新の犠牲者たちを弔う為に
山岡鉄舟が建てた寺で、鉄舟の墓に従うように墓石が建つ。
圓朝と鉄舟の交友は前進座上演『金木犀の花』でもおなじみの通り。
その圓朝にまた寄り添うように
ぽん太の小さな墓石がある。
喜八郎☆記
将軍が江戸を去って一と月、
三遊亭圓朝は日本橋の寄席・伊勢本のトリを勤めていた。
その晩も、浅草の自宅から出勤しようとしたが
木戸が閉まっている。
むなしく家に帰ったが、今度は寄席に詰めていた弟子たちが
日が改まっても帰ってこない。
砲声が轟き、上野の山で戦争が始まったとの噂に
気を揉む圓朝の元に一人の弟子が
皆の無事を告げた。
三遊亭ぽん太だった。
圓朝かかりつけの床屋から弟子入りしたぽん太は、
チョット愚かともいわれたが愛嬌者。
途中官軍の陣営に捕まったが、
圓朝の弟子と知っていたものが居て
解放され、大任を果たした。
翌朝動乱を見物に出掛けた大圓朝が眠るのは、
谷中の全生庵。
彰義隊の上野戦争をはじめとする
維新の犠牲者たちを弔う為に
山岡鉄舟が建てた寺で、鉄舟の墓に従うように墓石が建つ。
圓朝と鉄舟の交友は前進座上演『金木犀の花』でもおなじみの通り。
その圓朝にまた寄り添うように
ぽん太の小さな墓石がある。
喜八郎☆記
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- カテゴリ : 江戸城総攻/左の腕
- 2009-02-22
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