fc2ブログ

Entries

五月国立大劇場公演だより

 『元禄忠臣蔵』殺人事件
                         大坂城の梅園

 新派、新国劇、歌舞伎と幅広く上演された真山作品だが、
大統領・二世左團次が初めて上演したのが
『江戸城総攻』第一部。

 第一部が発表された時点で、
勝・西郷会談までの三部作構想が語られていたが、
ほぼ十年をかけて昭和9(1934)年
『将軍江戸を去る』で完結。
大当たりをとった。

 同じ年、青果は『大石最後の一日』を発表、
このあと書き継がれる『元禄忠臣蔵』連作も、
次々と二世左團次が上演した。
              梅園のお客

 そのラストとなった『御浜御殿綱豊卿』の脚本を受け取った
左團次は、
「憶えるだけで死んでしまいそうだ」と珍しく弱音を吐いた。
 肝臓癌に蝕まれた身体が限界を迎えていたが、
舞台は好評を博した。

 翌月不帰の人となった葬儀の日、
やはり真山作品を幾つも上演した
新派の井上正夫が弔問後、
松山訛りでつぶやくように言った

「左團次さんを殺したのは、真山さんの脚本ですわ。
よう、あれだけ憶えられたものと思うとりましたが…」
         





      喜八郎☆記
関連記事
※前進座メールマガジン会員募集中です!チケット先行受付・プレゼント企画など、メルマガ会員限定のお得情報が満載。★登録・購読もちろん無料★ 【前進座メールマガジン】⇦登録はこちらから空メールを送るだけ。

0件のコメント

コメントの投稿

新規

投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

劇団前進座



前進座動画

恋するフォーチュンクッキー 前進座Ver.

QRコード

QRコード

Extra

前進座公演だより

前進座だより

Author:前進座だより
劇団員が書き綴る、前進座公式ブログです。

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター