村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

自分の周囲をイエスマンだけで固めて、異議を一切聞き入れず、異議を唱えた者を左遷ばかりしている組織のトップが成功した例って、古今東西ありましたっけ？

大きな組織のトップが、自分が間違えようとしている時にそう進言してくれる者が周囲にいなければ、失敗するに決まっています。重力の法則にしたがって物が上から下に落ちるくらい自然なことです。

さて、日本の自民党政権におけるコロナ禍対応です。

「新型コロナウイルス感染症対策分科会長」という肩書の尾身茂氏が自民党政権の脇でコロナ禍とそれへの対応について煮え切らないことを今までずっと繰り返しています。尾身氏の発言が独裁的磁場の強い自民党政権の中で行なわれている以上、科学的結論が自民党政権への政治的配慮で歪められていると言わざるをえないです。

そんな状況の中で、尾身氏が少し自民党政権にとって耳に痛いことを言ったら、自民党政権中枢が不満を感じているらしいです。

●時事ドットコム
尾身氏への不満強める　政府・自民―五輪発言、逆風懸念
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060401063
2021年06月05日07時18分

尾身氏の苦言とは何かといえば、「開催に伴う感染リスクを訴える発言」ですが、別に科学者でなくても素直に納得できる内容です。自民党がそれに反発することの方がおかしいです。

自民党が理解していないことは、尾身氏を政治権力や政治的術策で黙らせることはできても、新型コロナウィルス Covid-19を黙らせることはできないということです。

「黙らせろ」。五輪の邪魔になってきた尾身氏。過去のパターンから想像すると、現在の会長から外し「個人研究」と発言機会を奪うか、文科省事務次官の時のように女性スキャンダルでもでっち上げメディアに書かすか、最悪は森友・籠池氏のように獄中にしばらくぶち込むか。独裁を許すと国はこうなる。 https://t.co/RHpK9ezFWX

— 清水 潔 (@NOSUKE0607) June 4, 2021

自民党政権は尾身氏が自民党政権の無理筋のオリンピック強行政策に科学的弁護の衣をまとわせる役割を演じることを期待していると考えられます。自民党が本当に純粋に科学的立場からだけの発言を尾身氏に期待しているのならこんな反発が政権内から出てくるはずがないからです。そういう役割を演じられる人物として尾身氏を選んでいるはずです。そして、尾身氏もそういう自民党からの期待を感じている、あるいは理解しているはずです。

そんな尾身氏ですら、「開催に伴う感染リスクを訴えざるをえない」状況が今です。尾身氏のその立場表明を自民党がねじ伏せたいのであれば、コロナ禍対策の失敗の全責任を自民党政権が負わなければなりません。というか、自民党政権は五輪開催に反対する論を無視して五輪開催強行に突き進んでいますから、尾身氏がいてもいなくても、自民党政権はコロナ禍対策の不調、あるいは失敗に対して全面的な責任を負わなければなりません。当然のことです。

「計画停電が原因で、一人でも亡くなったら(民主党)政権がふっとぶ」なら、コロナ禍での無策無能のために自民党政権は13000回吹っ飛んでいるはずだし、維新大阪府市政は2300回吹っ飛んでいることになります。自民と維新に甘い日本が人々をこんなに死なせていることが悲しい。 https://t.co/HuOZktm86A

— Muranose Rena (@muranose_rena) June 1, 2021

私のこのツイートは、コロナ禍による死者がすでに全国で13000人以上出ていること、大阪では2300人の死者が出ていることをもとにしています。この死者たちのかなりの部分は、自民党政府や大阪維新のコロナ禍対策がまともなものであったなら死ななくてすんだ人だったはずですから。

自ら選んだ尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長の苦言を受け入れる力がなく、周囲をイエスマンだけで固めたい自民党には、自らの誤りを自ら修正する力は全くなく、適切なコロナ禍対応はそもそも無理だったのです。




記事公開後の補足

「人々の移動まで止める必要はない」。尾身茂 氏、去年2月にこんなことまで言っていたのか…。この頃は情報収集がほとんど出来ていなかったから、知らなかった。

これが7月の意味不明な「移動自体は感染拡大につながらない」につながっていくわけか……：https://t.co/65rCYkF81F

— Masato IDA, PhD (@miakiza20100906) June 3, 2021

尾身茂 氏も、感染経路の問題と感染力（感染性）の大小の問題の区別がつかないのか。情けない「専門家」だ。さすが、PCRデマや３密デマを流す人なだけある：

　尾身氏「空気感染は起きていない」　現時点での専門家の“見立て” ◆THE PAGE 5/21 https://t.co/8d8vvKnD25

— Masato IDA, PhD (@miakiza20100906) May 22, 2021

専門家のみなさんがオリンピックで一番懸念しているのは、オリンピックの熱狂が社会全体で行動制限解除の空気をつくりだし、感染リスクが拡大すること、その一方で組織委員会も国もオリンピックのバブルの中の対策しか考えていないこと。 https://t.co/0LyOOAdAvZ #新型コロナウイルス

— 宮本徹 (@miyamototooru) June 4, 2021

専門家とは皆が一丸になってる時でも、空気を読まずに専門的知見を言える人のことだよ。

「専門家の立場を踏み越え勘違いしている」
「絶対に東京五輪開催と舵を切っている時、尾身先生は何を言うんだ。何のための分科会なんだ」
「黙らせろ」https://t.co/qYgfFUsOIy @dot_asahi_pubより

— 詩路（きものさん） (@farao_siro) June 4, 2021

尾身氏のこれまでの主な見解:
無症状者にPCR検査しても感染は抑えられないhttps://t.co/T56fohWTiL
空気感染は起きていないhttps://t.co/yKJ4Vzlvnc
旅行自体は感染起こさずhttps://t.co/ODGQdjPiQs

やはり、変異株(インド株)を警戒している？
五輪やるのは普通ではないhttps://t.co/6CY77phJCU https://t.co/12NmPOEUVj

— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) June 4, 2021

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