村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

「立法事実がなく、あいまいすぎて人権保障を侵害する危険性の高い #重要土地規制法案に抗議します #重要土地規制法案に反対します 。特に、強行採決に反対します。」の記事の続きとして。

この重要土地規制法案について知れば知るほど、土地の売買についてなぜ基地周辺の住民などの際限ない個人情報収集をするのか、民主主義の観点から全く理解できません。民主主義を無視して独裁的に自民党政府が国民を管理して国民から政府や自民党への異議や反対や抗議を許さないという自民党らしい発想であることは理解できますが。自民党が自由でも民主でもないことがよくわかる法案であり、審議過程です。

以下、この件について民主主義の視点から、監視され蹂躙される国民の側の視点から、最も真剣に報道、論説を展開しているメディアのいくつかをかいつまんでメモして紹介します。全文はリンク先でごらんください。

さすがの5月26日付｢しんぶん赤旗｣。

｢重要土地調査規制法案｣について、院内集会や緊急声明の紹介を含む大展開。

一般紙にここまでは望みませんが、せめてベタ記事でいいので、院内集会くらいは報じてほしかった。

本来なら、連日反対キャンペーンを張ってもおかしくない稀代の超悪法のはず。 pic.twitter.com/JhA1pikAjc

— 杉原こうじ（NAJAT・緑の党） (@kojiskojis) May 26, 2021

●しんぶん赤旗
主張
土地利用規制法案
国民監視の違憲立法は廃案に
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-05-21/2021052101_05_1.html
2021年5月21日(金)

（前略）
　防衛省は２０１３年度から２０年度にかけて２度にわたり、全国約６５０の米軍・自衛隊基地の隣接地を対象に、約６万筆、８万人近くの所有者らを調査しています。外国人の所有とみられる土地が７筆確認されたものの、「これまで防衛施設周辺における土地の所有等により自衛隊や米軍の運用等に具体的に支障が生じるような事態は確認されていない」(４月１５日の参院外交防衛委員会、土本英樹防衛省整備計画局長）としています。法案の必要性が存在しません。

　法案の重大な問題は、「どこで誰をどのように調査・規制するのかという核心部分をすべて政府に白紙委任している」（５月１１日、衆院本会議、日本共産党の赤嶺政賢議員）ことです。「注視区域」や「特別注視区域」をどういう基準で指定するのか、「重要施設」や国境離島の「機能を阻害する行為」やその「明らかなおそれ」をどう判断するのか、住民にどんな調査・規制を行うのか具体的なことは法案にまったく書かれておらず、政府の裁量任せです。

（中略）

　政府は「土地等の利用に関連しない思想信条等に関わる情報を収集することは想定していない」「単に座り込みを続けている場合など、重要施設の機能を阻害する明らかなおそれがない態様で行われているものについては、勧告・命令の対象となるとは考えていない」（同、小此木八郎領土問題担当相）と答弁しています。しかし、法案にそれを担保する規定はありません。

基本的人権踏みにじる

　基地周辺住民は軍用機の事故や爆音、環境汚染、軍関係者の犯罪などの被害に苦しめられています。特に沖縄の住民は米軍の占領により住んでいた土地を奪われ、基地周辺での暮らしを余儀なくされてきました。そうした住民を監視対象にするなどもってのほかです。

　法案は憲法の平和主義や基本的人権を踏みにじる違憲立法であり、廃案にすべきです。

（引用ここまで）

神奈川新聞と沖縄二紙は頑張っていましたね。基地県だからですね。
法的な素養のある記者が、法案を読み、内閣委員会での杉田水脈議員による質疑をビデオで確認すれば、この法案の邪悪な意図は、たちどころにわかるはずです。
全国紙の政治部記者たちの良心に期待します。 https://t.co/RSR10BNU7P

— 海渡雄一 (@kidkaido) May 26, 2021

●琉球新報デジタル｜沖縄のニュース速報・情報サイト
■＜社説＞土地規制新法案　私権侵害は認められない
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1282514.html
2021年3月7日 06:01

　戦前に戻ったかのような法案が明らかになった。米軍基地などの施設周辺で土地売買を規制するという内容だ。
（後略）

■＜社説＞土地規制閣議決定　権利侵害の悪法は廃案に
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1293720.html
2021年3月27日 06:01

（前略）
　政府は、重要な施設周辺の土地を外国資本に買い占められ安全保障上の問題が生じることを防ぐのが法律の狙いだとしている。だが、調査や規制の対象は国籍を問わない。
（中略）
　表現や思想・良心の自由をも侵害する恐れがある。２００７年に、自衛隊の情報保全隊がイラク派遣に反対する個人や団体を監視し、氏名や勤務先などプライバシー侵害に当たる違法な情報収集をしていたことが発覚した。今回の法案は、そうした情報収集を法的に可能とする。情報保全隊は、宮古島市と与那国町への陸自配備に伴って両島で発足している。

　国に調査されるかもしれないというだけで、政府への批判的な言動を萎縮させ、施設から起きる騒音や環境汚染に抗議することをためらう空気を生むだろう。安全保障を脅かす行為が対象の法律だから一般市民には関係がない、ということは決してない。
（後略）

■＜社説＞土地規制法審議入り　立法事実なく廃案にせよ
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1327019.html
2021年5月25日 05:00

（前略）
　規制区域や「阻害する行為」に関する具体的な記載がない。法案成立後に政府が決めるため、国会のチェックが働かない。いったん成立すると規制区域の対象が次々と拡大される恐れがある。「阻害する行為」があいまいなため、政府の解釈次第で市民運動などの萎縮や弾圧につながりかねない。

　衆院内閣委員会で、自民の杉田水脈氏は名護市の辺野古新基地建設工事に対する反対運動を名指しした上、「一見して直ちに重要施設の機能を阻害しているように見えなくても、そこから派生する影響も十分に考慮し（防衛施設を守る法案の）本来の目的を果たしてほしい」と法案の適用拡大を求めた。「本来の目的」とは基地に反対する住民を排除することなのか。
（後略）

（引用ここまで）

●沖縄タイムス
■社説［土地規制法案］市民の権利　侵害の恐れ
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/728624
2021年3月28日 05:00

（前略）
　実際の運用の際、最も懸念されるのは、「注視区域」においても「特別注視区域」においても、土地建物の所有者や賃借人らの氏名、住所、国籍、土地の利用状況などを調査する権限を政府に与えていることだ。

　思想信条、所属団体、友人関係、海外渡航歴などに至るまで、個人情報が際限なく収集・蓄積される恐れがある。

　公明党は当初、私権制限を懸念し、法案に慎重だった。自民党との調整の結果、「特別注視区域の指定を最小限にとどめる」「個人情報の保護に配慮する」ことを新たに盛り込んだが、配慮規定だけでは、調査権の乱用を防ぐのは難しい。
（後略）

■社説［土地規制法案］懸念だらけ　廃案にせよ
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/760315
2021年5月27日 07:00

（前略）
　沖縄弁護士会は法案に反対する会長声明を発表した。沖縄は県土そのものが国境離島で、米軍基地も多く抱え「県民誰もが調査規制対象となってもおかしくない」と訴えた。

　弁護士会として反対声明を出し廃案を求めたのは、法案が沖縄へ及ぼす影響の大きさを示すものである。

　自民党の杉田水脈議員は法案審議で、名護市辺野古の新基地建設に対する抗議活動に参加する市民が食べる弁当のごみが、米軍基地の機能を阻害する恐れがあると指摘した。

　県民が基地の過重負担によってどれほど苦しみ続けてきたのか理解が及ばぬ発言である。

　法案は、そもそも肝心の「機能阻害行為」とは何か、が明らかにされていない。

　どのような行為が該当するのかは、法成立後に閣議決定される「基本方針」などで規定するという。罰則も設けられた厳しい措置にもかかわらず、国会の承認を必要としないのは疑問だ。

　自民、立憲民主両党は運用に関し国会や自治体の関与と、私権制限に配慮することを求める付帯決議に大筋で合意した。だが、この程度では政府に歯止めはかけられない。やはり廃案しかない。

（引用ここまで）

沖縄弁護士会が反対しているという事実も重いです。弁護士会という法律の専門家にこれほど強く反対される「法案」とは何なのでしょうか。「法」は法律の専門家から見て妥当なものでなければならないという当たり前の考え方を自民党や公明党、そして、この法案に賛成する維新などは持っていないからこういう暴挙がなされるのです。

野党の中心である立憲民主党には、民主主義を擁護する立場から、この法案の問題点を妥協なく追及してもらいたいと思いますし、各報道業者と各報道機関もこの法案の危険性と反民主性をよく理解したうえで批判的に力を入れて報道してもらいたいと思います。

なお、今回メモしたメディアは報道機関であるというのが私の認識です。

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