村野瀬玲奈の秘書課広報室

1945年8月15日に朝鮮が大日本帝国（日本帝国主義）の植民地統治から脱して独立を取り戻したこの日を日本人として心から祝いたいと思います。
さて、連合国により大日本帝国の一般国民も、全体主義の軍国主義独裁政府から解放してもらったにもかかわらず、日本の安倍自民党政権は、せっかく回復された光を再び消して大日本帝国の暗黒に戻そうとしています。
またそういった安倍自民党政権を日本国民は選挙の度に圧勝させ、高支持率で支え続けています。
実に憂慮すべき事態です。

　最近では拉致被害者問題についての情報や議論が，まったくなくなりました。
　参議院議員選挙でもまったくとりあげられることはなかったように思います，

　韓日関係はかつてないほど悪化しています。
　拉致被害者問題解決のためには，韓国の協力が絶対必要なはずです。
韓国との関係が険悪であれば，拉致被害者問題解決にとって百害あって一利なしです。

　結局拉致被害者問題は，投票をよびよせるだけの材料になっているだけです。

　「反日」などと言って，政権と同じように韓国に対して憎悪をかりたてている
マスコミは，拉致被害者問題解決を困難にしていることを強く自覚すべきです。

　歴史的事実として1945年8月15日に終結した戦争は存在しません。

　8月14日　20時　御前会議においてポツダム宣言受諾を決定し,昭和天皇は終　　　　　戦詔書に署名。23時　全国務大臣が副署，外務省が連合国への回答公　　　　　電をスイス及びスウェーデンに向けて発信。

　8月15日　玉音放送　朝鮮半島の光復節

　9月2日　戦艦ミズーリ号において降伏文書調印

　9月3日　ソ連，中国，モンゴルの「抗日戦勝記念日」，フィリピンで日本軍が　　　　降伏

　9月7日　沖縄の日本軍の降伏文書調印

　9月12日　シンガポール，マレーシアで日本軍降伏
　
　9月13日　タイ,ビルマで日本軍降伏

　10月25日　台湾総督の降伏文書調印（台湾の光複節）

　1951年9月8日　サンフランシスコ講和条約署名

　1953年4月28日　サンフランシスコ講和条約発効


　国際標準としては東京湾上の戦艦ミズーリ号で降伏文書が調印された9月2日
がVJデイ（対日戦勝記念日）であり，8月15日は「忠良ナル爾臣民」に向けた
国内向きの録音放送があった日に過ぎないとされています。

　天皇の決断で日本民族の破滅が回避され，軍閥支配からも解放されたという神話が物語れるようになりました。
　これに対して強烈な違和感を表明したのは坂口安吾でした。

　昨年8月15日，天皇の名によって終戦となり，天皇によって救われたと人々は
言うけれども，日本歴史の証するところを見れば，常に天皇とはかかる非常の処理に対して日本歴史のあみだした独創的な作品であり,方策であり，奥の手であり，軍部はこの奥の手を本能的に知っており，我々国民又この奥の手を本能的に待ちかまえており，かくして軍部日本人合作の大詰の一幕が8月15日となった。
　たえがたきを忍び,忍びがたきを忍んで,朕の命令に服してくれという。すると国民は泣いて，外ならぬ陛下の命令だから,忍びがたいけれども忍んで負けよう，と言う。嘘をつけ！　嘘をつけ！　嘘をつけ！
　我等国民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか。竹槍をしごいて戦車に立ちむかい，土人形の如くにバタバタ死ぬのが嫌でたまらなかったのではないか。戦争の終わることを最も切に欲していた、そのくせ，それが言えないのだ。そして大義名分と云い，又，天皇の命令という。忍びがたきを忍ぶという。何というカラクリだろう。惨めとも又なさけない歴史的大欺瞞ではないか，しかも我等はその欺瞞を知らぬ。天皇の停戦命令がなければ，実際戦車に体当たりをし，厭々ながら勇壮に土人形となってバタバタ死んだのだ。最も天皇を冒涜する軍人が天皇を崇拝するが如くに，我々国民はさのみ天皇を崇拝しないが，天皇を利用することには狎れており，その自らの狡猾さ，大義名分というずるい看板をさとらずに，天皇の尊厳の御利益を謳歌している。何たるカラクリ，又，狡猾さであろうか。我々はこの歴史的なカラクリに憑かれ，そして，人間の，人性の,正しい姿を失ったのである（坂口安吾「続堕落論」『文学季刊』）

　世論の高い支持を得ながら採択されなかった「お盆」，「平和を記念する日」，「国のためになくなった人々を追憶する日」は,なしくずし的に8月15日，すなわち「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に重ねられていきました。

　以上，「東アジアの終戦記念日」佐藤卓己・孫安石編・ちくま新書」から一部引用しました。

　なお8月15日は聖母被昇天の祭日になっています。プロテスタントと比べてカトリックの方が8月15日の終戦観を受け入れやすかっただろうと言われています。

　朝鮮人はメディアによって日本の敗戦を知ったものの，多くの朝鮮人は日本の敗戦を確信できなかったそうです。8月15日のソウルには解放を喜ぶ人々の姿はなく，静まり返っていたそうです。
　一方，ピョンヤンでは8月15日の午後には太極旗があふれ，人々は万歳を叫びながらデモ行進を始めていたそうです。

　解放の翌日の8月16日には全国の刑務所から約16000名の収監者が解放されたにもかかわらず,日本人に対する報復行為がほとんどなかったことが驚きに値すると言われていました。

　8月17日，18日のほとんどの新聞紙面で,「朝鮮内の日本人を保護しよう」，「慎重に行動し，解放国の国民として誇りを持とう」というスローガンが繰り返し登場したそうです。

　ピョンヤンなどでは8月15日はソ連軍によって成し遂げられた朝鮮解放の日であるとともに，国家建設のスタートラインの日として理解されていたようです。

　台湾では10月25日が「光復」の日として位置ずけられました。

　台湾の名望家として知られ，9月8日に台湾同胞代表として南京に赴いていた林献堂が9月20日に台中で講演し，次のように述べました。


　8月15日の放送によって日本人は非常に驚いた。中国人民はきっと日本人に報復することだろうと心配していた。この点において蒋委員長も非常に憂慮されて命令を発した。
　われわれ中国人はなるほど9年間の間非常な苦難を味わったが，しかし怨に報いてはならない。徳を以て怨に報いるべきである。これで行かなければ真の東洋平和は望めない。


　台湾ではあらゆる中国大陸時代の記念日がもたらされたわけではありませんでした。7月7日，9月18日といった日中戦争に関連する記念日はしだいに強調されなくなってきました。7月7日は陸軍節，日本が降伏した8月14日は空軍節と位置ずけられ，最終的に9月3日の軍事節に統合されていきました。

　1930年10月に発生した霧社事件の指導者であった莫那魯道（モーナ・ルーダオ）の遺体が台湾大学で発見され，埋葬されるにともない,その死を悼む儀式が毎年10月27日に霧社で行われるようになりました。

　以上，「東アジアの終戦記念日」（佐藤卓己・孫安石著/ちくま書房）から情報を得た個所を紹介しました。