毎日新聞の「安倍語」研究会? |
↓長~い記事ですが、ちょっと辛抱ください。
特集ワイド:続報真相 集団的自衛権行使で犠牲は? なぜ解釈の変更でいいのか? 核心答えぬ「安倍語」 毎日新聞 2014年07月11日 東京夕刊
「私には国民の命と平和な暮らしを守る責任がある」。安倍晋三首 相は集団的自衛権を巡る議論の中で再三、そう強調した。だが、もう 一つの重要な責任、国民に丁寧に説明して理解を得る義務は果たして いるだろうか。国会や記者会見では、質問と首相の答えがかみ合わな い場面も目立つ。「安倍語」を分析した。
◇党内盤石、リスク避け
今月1日、集団的自衛権の行使などを認める閣議決定後の首相記者 会見で、こんなやりとりがあった。
記者「自衛隊員が戦闘に巻き込まれ、血を流す可能性が高まるとい う指摘があるが、どう考えるか」
首相「今次閣議決定を受けて、あらゆる事態に対処できる法整備を 進めることによりまして、隙間(すきま)のない対応が可能となり、 抑止力が強化されます。我が国の平和と安全をそのことによって、抑 止力が強化されたことによって、一層確かなものにすることができる と考えています」
自衛隊員が実際の戦闘で死傷したことは一度もない。だからこそこ の記者の質問は重みを持つのだが、安倍首相の答えはズレている。あ えて解釈すれば「抑止力が強化されて平和と安全が確かになるから自 衛隊員の血も流れない」ということなのか。外国通信社の記者も「平 和を守るためには犠牲を伴う可能性もある。国民はどんな覚悟を持つ 必要があるか」と尋ねたが、やはり直接の答えはなく、首相は「彼ら (自衛隊)は私の誇りであります。今後とも日本の国民を守るために、 命を守るために活動していただけると確信をしております」。犠牲に 触れる質問には正面から答えないと、決めているかのようだ。
さかのぼれば6月11日の党首討論でも似たような問答があった。 攻める民主党の海江田万里代表。「油(石油)のために自衛隊員に命 を捨てろというんですか」。少し色をなして応じた首相の言葉はこう だ。「機雷の除去は危険な任務であります(中略)自衛隊の諸君は身 を危険にさらしながら日本人の命を守っているんです」「彼らに愛す る家族がいることを私は知っています」。かみ合っているだろうか。
「首相は野党が国民の感情に訴えようとしている、記者が戦争の危 険を強調したがっていると見て、『同じ土俵に乗ってはいけない』と 警戒しているのでしょう」。名古屋外国語大の高瀬淳一教授(情報政 治学)が解説する。
高瀬教授はかつて、高支持率を維持した小泉純一郎元首相の政治手 法を「言葉政治」と名付けた。党内基盤がさほど強くない小泉元首相 が大目標の郵政民営化を成し遂げるには、世論の支持が不可欠だった。 「劇場型」と呼ばれるほどインパクトのある言葉で国民に語りかけた のは、そのためだ。「安倍首相は違う。党内に自らを脅かす存在はお らず、国会でも自民1強状態だから、あえてリスクを取る必要はない。 安保問題は国民に悪いイメージを与えかねませんから。とにかく丁寧 な言葉遣いを保ち、失言せぬよう淡々と答弁することを心がけている ようです。そのうちに国民の理解が得られる、あるいは反対の声が静 まるのを待つ姿勢なのでしょう」
しかし、それでいいのか。歴代首相の発言を分析した「政治家の日 本語力」の著書がある信州大の都築勉教授(政治学)は「論点をずら すのではなく、例えば『安全保障上のさまざまな事態が想定されるか ら、心積もりをしてほしい』といった言い方で国民の理解を求めるこ とが首相の役割なのでは」と言うのだ。
◇結論だけ、飛び石話法
「自衛隊員の犠牲」とともにもう一つ、「首相は正面から答えよう としない」と批判される問いがある。<なぜ憲法改正ではなく解釈の 変更なのか>である。
再び6月11日の党首討論。
海江田代表「どうして憲法改正の手続きを取る必要がない、閣議で の変更だけでいいとお考えなのか」
首相「アジア太平洋の安全保障上の状況は厳しさを増しています (中略)安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会) から出された報告書について、与党において真剣に議論しております。 議論の結果、政府として立場を決定し、閣議決定します(中略)自衛 隊が行動できるようにするためには法改正が必要であります。法改正 の際には当然、国会でご審議いただくことになります」
「質問に真正面から答えず、必要のないことを時間を使ってだらだ らとお答えになった」。ぶぜんとした海江田氏にそう言われても首相 は動じなかった。
かつては「言語明瞭、意味不明瞭」と評された首相もいた。ときに は言葉をあいまいにするのも一つの政治テクニックだろう。だが、こ とは国の針路に関わる。
「安倍さんの説明方法は、まるで『飛び石』を渡っているようなん ですね。自分の信念から導かれた結論をぽんぽんと断片的に提示する が、それぞれがどうつながっているかの説明が乏しいんです」。前出 の都築教授は言う。
「例えば『自分には国民の命を守る責任』があり『日本を取り巻く 安全保障環境が変わった』から『憲法解釈を変更して集団的自衛権を 行使できるようにする』と言う。しかし、どんな変化があり、なぜ解 釈の変更という方法を選ぶのかはよく分からない。野党やメディアは 論理の一貫性を求めているのだから、かみ合うはずがありません」
NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子さんは、 1日の会見での首相の「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくな っていく。再び戦争をする国になることは断じてありえない」という 言葉を聞き、「あの時と同じだ……」と思った。
特定秘密保護法案を審議する昨年11月26日の衆院国家安全保障 特別委員会。「秘密が際限なく広がっていくという懸念は全く当たり ません」と首相は胸を張った。12月9日の記者会見でも「知る権利 が奪われる、通常の生活が脅かされるといった懸念の声もいただいた が、そのようなことは断じてありえない」と言い切った。「あの時と 今、首相の言葉に共通しているのは『私が言うのだから信用してくれ』 と訴えるだけで、その根拠ははっきりしないことです。これでは首相 を支持している人以外には届かない」
◇「憲法73条違反」を問え
情緒に訴えようとする「安倍語」の特徴は会見で使われるパネルに も表れている。首相は1日の会見で、日本人を運ぶ米国艦船と幼子を 抱く母親の姿を重ねたイラストを使った。「またか」と思った人も多 かったろう。同パネルを掲げるのは5月15日に続き2回目。「日本 人の命を守るため自衛隊が米艦を守れるようにするのが今回の閣議決 定だ」と首相は訴えた。「閣議決定では、集団的自衛権の行使が可能 なのは邦人救助のケースに限らない。あのパネルで国民の情を揺さぶ ることで、本当にやりたいことを隠しているようにもみえる。私は 『情緒的煙幕』と呼んでいます」と都築教授。
14、15日には、今回の閣議決定についての集中審理が衆参両院 である。いずれは関連法案が政府から提出され、本格審議も始まる。 野党は「安倍語」の壁をどう乗り越えればいいのか。
高瀬教授は「首相が唱える『積極的平和主義』とは何かを、きちん と説明させるべきです。首相自身が持ち出した新しい概念なのだから、 最終的に何を目指しているかを引き出さなければならない」と指摘す る。
「私だったら、集団的自衛権による武力行使は憲法違反ではないか、 と質問しますね」。そう語るのは首都大学東京の木村草太准教授(憲 法学)だ。「内閣の事務を定めた憲法73条には、一般行政事務に加 え、外交や条約締結はあるが、集団的自衛権が行使された場合の対外 軍事活動はどこにも書かれていません」
そもそも今回の憲法解釈変更は「憲法が権力を縛る立憲主義に背く」 と批判されてきたが、安倍首相は「立憲主義にのっとって政治を行っ ていく、当然のことであります。その上で、私たち政治家はこうした ことができない現状から目を背けていいのかを皆さんに考えていただ きたい」(5月15日の会見)。「首相は立憲主義と矛盾しないと考 えているのだから、どこまで行っても平行線」(木村准教授)なのだ。 「それよりも『73条に反し違憲ではないか』と具体的に問えば、首 相は困ると思いますよ」
とはいえ野党がよほど腰を据えなければ「安倍語」を突き崩すのは 難しそうだ。
「安倍語」とは、安倍っち(安倍晋三・首相)の会見などで、きちんと質 問に答えない会話法という意味でしょうか。
その例として、「安倍首相の答えはズレている」というのが出てます けど、、、。 ホンネはあまり言わないというのは、歴史認識のところですでに出 てるのでは。
何度「先の大戦は侵略戦争でしたか?」と質問しても、「安倍政権とし て侵略戦争を否定したことは一度もありません」とか。「村山談話を 踏襲します」と答えるんですが、、、。
逆に、一度も「侵略戦争でした」と認めたことはないんですよねぇ。 「村山談話を踏襲します」と言っても、 >わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩ん >で国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国 >々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えま >した という村山談話から、侵略や植民地という言葉を抜いて >多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛 >を与えました この反省から、自由と民主主義、人権尊重、法の支配を尊ぶ道を歩ん できました。 などと言うんですよ~。
で、記事には、純ちゃん(小泉純一郎・元総理)の名前も出てますが。 純ちゃんも、記者会見では、記者の質問に答えてないときがあり ましたよ。 ここのブログでも取り上げてたと思いますけど。
下から3段落目、 >「内閣の事務を定めた憲法73条には、一般行政事務に加え、外交 >や条約締結はあるが、集団的自衛権が行使された場合の対外軍事活 >動はどこにも書かれていません」 と質問したらいいという首都大学東京の木村草太准教授ですが。
まぁ、木村草太准教授なら、それでいいかもしれませんけど、質問す るのは海江田万里・民主党代表ですからねぇ。(?) 海江田万里代表だと、見事な返り討ちにあうのでは、、、?
「民主党の立ち位置がよくわからなかったのですが、自衛隊は違憲と いう立場になったんですか?」 「安部総理は、相変わらず質問にまともに答えず、はぐらかすんです ねぇ~」 「いや、答えてますよ。民主党は自衛権まで放棄したということで しょ?」 「何を言ってるんですか、ちゃんと答えて下さい」 「ですから、日本が海外から攻撃を受けた場合、自衛隊法に基づき 自衛隊を出動させます。個別的自衛権です。 憲法のどこにその規定がありますか?」 「いや~、それは、、、」 「私の質問にちゃんと答えて下さい。」 「まぁ、私は憲法学者ではないので、、、外交かなぁ~、、、」 「憲法の規定にないからできないというのなら、外国からの侵略をど うやって止めるんですか? だから、民主党は自衛隊を違憲とする ことに決めたんですか?とさっきから聞いてるじゃないですか。 答えて下さいよ!」
肩を落として委員会室を出て行く海江田万里代表の姿が目に浮かび ますよ~。(>_<)
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