村野瀬玲奈の秘書課広報室

　 葛西健の人種差別発言とは，

　フィリピンにある事務局での地元フィリピン人スタッフに詰問。
「太平洋地域の人々を何人殺してきたんだ?そして，さらに何人殺したいんだ?」
　WH0の高官は葛西健が複数の会議で中国，フィリピン，マレーシアなどの人々を軽蔑するような発言を何回も行ったと証言したそうです。
「彼らの劣った文化，人種や社会面経済面での能力不足のせいだ」。

　過去には，

　アメリカはプエルトリコ人がいて知的レベルが低い（中曽根康弘）。

　黒人は破産してもケロケロケロ，アッケラカンのカーだ（渡辺美智雄）。

　黒人，奴隷が大統領になる（丸山和也）。

　悪貨は良貨を駆逐するというが，アメリカにクロが出てシロが追い出されている（梶山静六）。

　何であんな黒いのが好きなんだ（山本幸三）。

　あ，犬だ（脳みそ夫）。

　三国人，外国人が凶悪な犯罪を繰り返しており，大きな災害では騒擾事件
すら想定される（石原慎太郎）。

　（朝鮮植民地支配について）私たちは決して武力で侵犯したんじゃない。
　むしろ朝鮮半島の国々が分裂してまとまらないから，彼らの総意で…近代
化著しい同じ顔色をした日本人に手助けを得ようということで世界中が合意
した中で行われた（石原慎太郎）。

　弊社Daisyで中国人は採用しません（大澤昇平）。

　中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えないっすね（大澤昇平）。

　中国は易姓革命，皆殺し文化だ（大道芸W杯プロデューサー　奥野晃士）。

　いくつかの点では，動物の方がこのような汚い朝鮮人よりましだと思いま
す。…彼らの習慣は下劣で，何もかもが汚く粗野なのです（津田梅子）。

　河岸の上には人が澤山並んでいる。けれども其大部分は支那のクーリーで，一人見ても汚らしいが，二人寄ると猶見苦しい。斯う澤山塊ると更に不體裁である（夏目漱石）。


　ヘイトスピーチの元祖である福沢諭吉
　朝鮮，小野蛮国にして，彼より来朝して我属国と為るも之を悦ぶに足らず。
　朝鮮人は未開民…極めて頑愚，凶暴
　朝鮮人…頑迷倨傲，無気力無定見
　朝鮮人…人民は正しく牛馬豚犬

　【女性差別】
　文明がもたらした最も悪しき有害なものはババアなんだそうだ。女性が生殖能力を失って生きているってのは無駄で罪ですって（石原慎太郎）。

　女性は子供を産む機械である（柳沢伯夫）。

　コロナが収束したら絶対面白いことがあるんですよ。美人さんがお嬢やります。短時間で稼がないと苦しいですから（岡村隆史）。

　田舎ら出てきた右も左も分からない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒
にする（伊東正明）。

　女性はいくらでもウソがつける（杉田水脈）。

　【障がい者差別】
　（重度障がい者を見て）ああいう人ってのは人格あるのかね（石原慎太郎）。

　【LGBTQ差別】
　草津の赤鬼が，最近はLGBTQがかなり地獄にきていると言っている（大川隆法）。

　【難民差別】
　そうだ。難民しよう！（はすみとしこ）
　

　日本は1995年にアメリカに次ぐ146番目に人種差別撤廃条約を批准しました。日本は条約が義務付ける包括的差別禁止法を作らず，差別統計もとらないままの条約違反の状態が続いています。2015年に最新調査が公表された正規滞在外国人の権利保障に関する国際比較である移民統合政策指数は，総合指数44で38ヶ国中で27位と低くなっています。特に低いのが差別禁止項目で日本は22点の37位で下から2番目になっています。敗戦直後から60万人と言われる在日コリアンを抱え，年間受入数では世界4位とされる「移民国家」の日本には公的な移民政策（入管政策＋統合政策）がありません。

　村上正直氏によれば，憲法14条1項に関する憲法学説では，日本に人種差別は存在しないとされてきたとのことです。

　「「人種」とは，人間の人類学的な種類をいう。ー「人種」を理由とする差別とは，たとえばアイヌ人には選挙権を与えないとか，ニグロは公務員になれないとするとか，ユダヤ人の権利能力を制限するとかであるが，日本国民のあいだには，「人種」のちがいがすくないから，「人種」にもとづく差別は，実際には問題になることはあるまい」（宮澤俊義（芦部信義改定）「全訂　日本国憲法」（日本評論社，1978年）

　「種々の人種が混在する国家に比べれば，現在わが国では国民のなかに人類学的意味の人種の対立は比較的少ない」（覚道豊治「憲法」改訂版（ミネルバ書房，1973年）

　「わが国はこれまで人種的には比較的まとまりのある国であり，人種差別が大きな問題となることはなかった。アイヌ人問題はその例外であり，今後は帰化人が問題となりうる」（芦部信義編「憲法Ⅱ―
人権」（有斐閣，1978年）

　「わが国民のなかには異人種が極めて少ないから，人種差別が問題となった事例はほとんどない」（橋本公旦「日本国憲法」（有斐閣，1980年）

　「わが国では異人種がきわめて少ないことが関係してか，人種差別が大きな社会的問題にされたことはない」（佐藤幸治「憲法（新版）」（青林書房，1990年）

　これらが憲法の教科書に書かれたのは1973年から90年までですが，この時期は在日コリアンに限定しても深刻なレイシズムが吹き荒れていました。高名な憲法学者は社会で起きている事象をまったく理解していなかったようです。

　

「レイシズムとは何か」（梁英聖（リャン・ヨンソン）/ちくま新書）から一部引用します。

　「反日」の「レッテルを貼ればマイノリティであろうとそうでなかろうと，日本人であろうと容赦なく「死ぬべき人間」という人種にマークされ殲滅の対象になる。
　
　欧米のように反レイシズム規範を社会運動が勝ち取り，差別を社会的に定義する第一の反差別ブレーキ（差別を区別と線引きすること。差別する自由を規制することこそ真の自由である）がある社会では，差別か否かのモノサシを客観的な社会規範や法に求めることができる。だが日本のように反差別ブレーキのない社会では，差別判別のモノサシが社会規範にも法にも存在しない。
　このことは日本でヘイトスピーチや極右台頭を妨げない最大の理由となっているがそれだけではない。反差別運動が社会正義として反レイシズム規範を勝ち取れなかった代わりに，マイノリティや被害者の告白に過度に依存する傾向（「被害者が傷つけられるから」「被害者が反対しているから」というだけで重視しようとする傾向）を生んだ。
　このように，何が差別で何がそうでないのかという真理の基準を，法や規範として打ち立てようとする困難と責任を避けて，被害者の告発や証言にの依存する日本型反差別こそ，戦後70年以上経とうとも差別禁止法ひとつつくれられない基本原因である。日本型反差別は被害者の声を聴くことや被害者に寄り添う必要を訴えながらも，加害者の差別する権利や自由には一切手を触れない。そのため，結局は加害者の差別をとめることができず21世紀のヘイトスピーチ頻発と極右台頭を防げなかった。

　日本では反右翼という反差別ブレーキが存在しないため，欧州のように極右に「適合ジレンマ」（極右規制のある社会では，自分は極右でなないと言い，穏健な右翼でないと公的な政党や議会進出は不可能。そうすると組織メンバーから裏切者と糾弾される）が発生しない。そのため一方では極右になることのハードルが恐ろしく低く，極右にならなくとも自民党や保守的市民として簡単に差別ができる。このことが極右にとって日本社会が欧米では考えられないほど自由に人種差別とその煽動そして最悪レベルの歴史否定を拡散しうる「天国」となっている。だからこそ誰もが欧州なら逮捕や政治的生命を一瞬で奪われるレベルの犯罪になる人種差別でさえ，絶対的安全圏から遊び半分で加担することができる。

　以上で引用を終わります。ヘイトスピーチは言論の自由であるとして，レイシズムの跋扈を事実上黙認してきた憲法学者の責任は重いと考えます。

　

NGO反レイシズム情報センター（ARIC）はレイシズムに関する日本初のヘイトウオッチNGOとして，人種差別撤廃条約に違反する（あるいは違反するおそれのある）政治家等公人の言動をデータベースにして公開しています。
本データベースは2016年6月22日の参院選公示日に合わせて本公開されました。ARICの学生ボランティアチームの調査によって判明した政治家のレイシズムだけで8330件に上ります（2023年7月31日現在）。

ここからごらんください。
https://antiracism-info.com/database_home/

　2020年5月25日にジョージ・フロイド殺害事件をきっかけにBLM運動が世界中に広まりました。2016年「♯ブラック・ライブズから黒人解放へ」を書いた黒人女性のキアンガ＝ヤマッタ・テイラーは，アメリカの警察が黒人に対して「殺人の許可を与えられていると言っても過言ではない」と断言しました。問題なのはそれが監獄ビジネスと呼ばれる産獄複合体に結びついた必然的なレイシズム暴力としていることだそうです。
　アメリカは世界の人口のおよそ５%を占め，世界の刑務所人口の約25%を占める。黒人が白人の6倍投獄され，100万人以上の黒人が囚人になっています。2014年にBLM運動が爆発したミズーリ州ファーガソンについて「黒人の抗議者たち」が「市長と市議会が指揮するファーガソン警察が，町の主要な収入源として黒人人口を標的にしていた」と明らかにしました。

　黒人世帯には，罰金，違反金，交通違反切符，逮捕者があふれ．その収入は町の第二の収入源となるほどであった。自動車の交通違反に起因する裁判所の罰金は収入の21%を占め，「時間外労働を含まない警察官の給与の81%以上に相当する」とされています。交通違反切符の支払いや裁判所への出頭ができないとすぐに逮捕状が執行されます。テイラーによると「車両停止（交通違反車両を停止し職質を行う）の95%が黒人運転手でした。逮捕すればするほど，囚人を増やせば増やすほど，儲かる監獄関連企業があり，税収を増やせる行政があります。黒人を監獄や死においやった結果，ファーガソンにおける黒人男性は激減しました。
　
　アメリカ国政調査局によると，ファーガソンに住む25歳から34歳までのアフリカ系アメリカ人女性は1182人であるのに対し，この年齢層のアフリカ系アメリカ人男性は577人しかいません。ファーガソンの20～24歳と35～54歳の黒人男性の40%以上が行方不明です。アメリカ全土では150万人の黒人男性が「行方不明」になっています。

　なんともひどい実態です。1988年，渡辺美智雄政調会長（当時）は，「黒人は破産してもケロケロケロ，アッケラカンのカーだ」と言い，日本製品の不買運動を引き起こしました。