村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

組織として腐っていたり無能だったり民主主義への理解が欠けていたりする報道業者の中にも、まともな人はいるでしょう。だけど、まともな人がいるからといって、腐った組織全体を支持することはできません。そもそも、まともな人は報道業者の中にどちらかといえば少ないのではないでしょうか。

まずは、記者会見の会場でパソコンを打ってメモするのではなく、その場で鋭い質問をすべきです。発言内容を確かめたいのなら、記者会見の様子を録音しておいて必要に応じて音声認識ソフトで文字起こしする方がより報道としての仕事になるのではないでしょうか。

ネット中継で記者会見のようすを見ると、大手メディア記者のやっているのがまさにこれ。相手の言うことをカタカタとＰＣに打ち込むだけで、論理矛盾や論点すり替えの指摘もしなければ、核心に踏み込む質問もしない。ＡＩに代替可能な仕事内容だろう。https://t.co/PWFefRceXo

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) June 7, 2017

首相や官房長官の記者会見で「更問い禁止」という一方的な「言いつけ」に唯々諾々と従い、権力側の不正や失政を追及する社会的役割を放棄している新聞記者が、野党を批判するのはお笑い種でしかない。政府側の人間が質問にちゃんと答えるまで執拗に問い質すのは記者として当然の仕事。それをやらない。

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) December 18, 2021

民主主義国の記者会見で、記者が自国の政府トップに厳しい質問を日常的に浴びせるのは、相手がその地位に必要とされる思考力や判断力を備えているかの「テスト」。

日本では9年ほど前から、そのテストを真剣にやらなくなった。答えを事前に教え、政治家の能力を衰えさせ続けた。その結果が今の惨状。 pic.twitter.com/tJScdT9wpp

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) July 27, 2021

報道機関は政府の言うことを書き写す仕事ではなく、政治や社会や文化についての一定以上の見識をもって政府の言動や政策、社会や文化を深掘りする仕事であることを今一度思い出したいです。そのことに無自覚な報道業者の中の人々を見れば見るほど、そのような報道ごっこにカネを払う気はないとはっきり言わせていただきたいです。

さて、ここからが今回の本論ですが、そのような無自覚な報道業者の中に、報道機関としての姿勢を鋭く問う人は次の例のようにいます。このような人は自民党政権追従の報道ごっこしかしない報道業者の組織の中にいつまでもいてはいけないと思います。

【安倍氏国葬問題】
共同通信政治部の名物記者が
「社長の参列」痛烈批判メールを社内に送信していた

政治部記者A氏が実名で、政治部全員が参加するメーリングリストに水谷亨・社長の国葬参列に抗議する内容のメールを送ったのだ#NEWSポストセブン#安倍晋三 #国葬https://t.co/o9l2cuWaBK

— NEWSポストセブン (@news_postseven) October 28, 2022

●NEWSポストセブン
【安倍氏国葬問題】共同通信政治部の名物記者が「社長の参列」痛烈批判メールを社内に送信していた
https://www.news-postseven.com/archives/20221028_1807615.html?DETAIL
https://www.news-postseven.com/archives/20221028_1807615.html/2
https://www.news-postseven.com/archives/20221028_1807615.html/3
https://www.news-postseven.com/archives/20221028_1807615.html/4
2022.10.28 16:00

（前略）
　その“事件”が起きたのは国葬の1週間後、臨時国会が召集された10月3日だった。新聞・テレビをはじめ多くの報道機関に記事を配信する大手通信社・共同通信社の政治部記者A氏が実名で、政治部全員が参加するメーリングリストに、同社の水谷亨・社長の国葬参列に抗議する内容のメールを送ったのだ。

「共同通信社社長の国葬対応に関する私の所感」という表題がつけられたA氏のメールはこう始まる。

〈見て見ぬふりはできない　社長国葬参列に反対　臨時国会召集日に考える〉

（中略）

　そしてメールを送った動機を次のように書き、仲間の記者に呼びかけている。

〈政治報道に携わる皆さんに対し、私が社長国葬参列への反対と抗議の意思表示をしたのは「黙っていることは、国葬を追認することにほかならない」と感じたためだ。同じような思いを抱き、動揺している仲間が必ずいるという確信に基づき「怒り、失望を覚えている社員は、決してあなただけではない」というメッセージを、特に若手の皆さんに届けたいという思いもある〉

　A氏のメールは記者たちの大きな反響を呼んでいる。共同通信関係者が語る。

「Aさんは役職も高く、社内では政治部長と同じくらいの影響力がある名物記者です。常に反権力、権力を監視するという姿勢で記事を書き、国内政治だけでなく人権問題や外交にも造詣が深い。言論で戦うという昔ながらの記者魂を持った人物で、国葬を問題視する記事もかなり書いていました。

　政治部内での受け止めは、『我々にはできないことをやってくれた！』という感じだそうです。Aさんがメールに綴っていたことは彼らからしたら『まさにその通り』という感じで、『よくやってくれた』と言っている人が多かった。Aさんがやったこと、メールに書いたことに反対している人は一人もいなかったようです。（中略）」
（後略）

（引用ここまで）


共同通信内部にはこういう骨太の記者がいることはわかりました。この記者の活躍を祈りますが、政府の記者会見をコピーペーストするだけの共同通信発の記事もどきがこのようなジャーナリスト魂のある記者の存在によって減ったり、安倍晋三氏の「国葬」に出席した社長が反省したりしなければ、意味がありません。

この社内メールが共同通信の報道姿勢全般にどのような良い影響を与えるのか、あるいは与えないのか、それを注視したいと思います。




記事公開前の追記。何気なくしたツイートがいくつかリツイートやいいねをいただいたので、ここにもメモ。

#マスメディアへの不満 案件。こういう安易で無批判な決まり文句記事は、その報道業者について「じわり不信感」を増大させます。 https://t.co/OBjkuB6arl

— Muranose Rena (@muranose_rena) October 30, 2022

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