村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

アベノマスクは不織布ではなくガーゼ製だからコロナウィルス感染防止のためには全くの無力だということがこれほど知られていないことを知って、がっかりしています。いくつかの新聞のアベノマスク再利用キャンペーン（？）はいろいろな意味で問題がありすぎます。

多くの新聞社の社員、そしてたぶん多くのテレビ局の社員は、アベノマスクは不織布ではなくガーゼ製だからコロナウィルス感染防止のためには全くの無力だということを知らないとしか思えません。そんな無知のままコロナウィルスに関する記事を書いたり番組を作ってているのかと薄ら寒い思いがしました。すべての報道業者は、自社の社員に、報道で取り上げる分野についてどれほど基礎知識があるのか、どれほど正しい知識を調べる能力があるのかなどをテストすべきではないかとすら思います。

そして、そのアベノマスクに刺繍などほどこしてアフリカに送ろうという運動があり、それを新聞で肯定的に紹介しているのも見ました。二重、三重にひどい報道です。その理由を説明します。

まず、アベノマスクは不織布ではなくガーゼ製だからコロナウィルス感染防止のためには全くの無力だということはすでにこの記事の中だけでも二度書きました。そのようなものを「コロナウィルス感染防止」の名目で送ったら、アベノマスクをして安心したアフリカの人が感染する現実的な危険性があります。

また、アベノマスクは汚れが入ったものが大量にあり、15%が不良品と報じられています。そのような不良品を使えるマスクであるかのように人に使わせるのは、医療的にも不潔であり、送り先の相手にもたいへんに失礼です。

さらに、アベノマスクに刺繍など飾りをつけて他人にプレゼントするというのは、手作業が加わることになります。手作業をするのに殺菌した医療用手袋をして厳密な管理のもとでやるわけではないでしょうから、手作業が加わったマスクは、一言で言って不潔です。息を通す医療用品としてのマスクに衛生管理もせずにそのような手作業を加えて他人に使わせるというのは間違いです。

それらのことに思いが至らない新聞社社員が、たとえ善意であっても清潔さや安全性が疑われるそのようなマスクをアフリカに送ろうとしている人に正しい知識を伝えずに、まるでアベノマスクが感染防止に役立つものであるかのように報道し宣伝するのは、アベノマスクは不織布ではなくガーゼ製だからコロナウィルス感染防止のためには全くの無力だということをまだ知らない人の誤った知識を強化してしまいます。

さらに、この間違った善意の運動によって、アベノマスクの愚政ロンダリングともなってしまいます。

ここまでのことは、少なからぬ人が良い新聞であると信じている東京新聞の次の記事に向けた批判です。東京新聞は、すぐにでも、全社員に対して、取材対象についてどれだけの知識や情報収集力を持っているかのテストを行なうべきでしょう。間違った知識を持った社員がダメな記事を書かないために。これは東京新聞への心からの忠告です。

ＮＰＯ法人「#なかよし学園プロジェクト」は、廃棄処分が決まった布製の「#アベノマスク」に刺しゅうを入れるなどしてオリジナルマスクに作り替えてもらい、アフリカの途上国に届ける活動を始めました。代表の中村雄一さんはマスクの製作を呼びかけています。https://t.co/nhjk5TXC4m

— 東京新聞社会部 (@tokyoshakaibu) December 29, 2021

多くの人がすでにこの記事とこの誤った善意に注意喚起をしていますが、新聞が誤った知識を伝えるなんて最悪です。この運動をしている人から東京新聞に取材依頼があったから応じたのか、東京新聞側からこの運動をしている人にアプローチしたのかわかりませんが、どちらにしても良くない記事です。私もこうツイッターで反応しました。

東京新聞の社員には #アベノマスク は防疫上効果が無く、15%がカビや虫などの不良品であったことを知る人はいないのですか。効果のないマスクを効果があると思いこんで着用するアフリカの人が気の毒すぎます。さらに、アベノマスクに効果があるかのような愚政ロンダリングの記事で、二重三重に罪です。 https://t.co/YeWMW0hmWY

— Muranose Rena (@muranose_rena) December 29, 2021

真面目な話、東京新聞を購読している人はこんな間違った知識を読まされないためにすぐに解約した方がいいとすら言いたいほどです。

刺繍などで人の手が触れたマスクは残念ながら医療用品として清潔とは言えません。また、ウィルスから身を守れないマスクを送ったらせっかくの友好がアフリカで感染拡大のきっかけになりかねません。友好のためなら、新品未開封の不織布マスクを送るのがよいです。

— Muranose Rena (@muranose_rena) December 30, 2021

廃棄のニュースに「もったいないから寄付や再利用を」という声があるけど、どこに送るにしても費用がかかるし、衛生基準を満たしてないから医療用のガーゼとしても使えないんです。そもそもウイルス通過率100%なので実際にアベノマスク使う人が増えたら感染者も増えます。ゴミは捨てるしかないんです。 https://t.co/UoUBMKoqCy

— きづのぶお (@jucnag) December 22, 2021

ほかのアベノマスク再利用促進報道としては、毎日新聞のこんなのがあります。

廃棄アベノマスクでおむつ、雑巾、野菜作り…活用法、SNSに続々 | 毎日新聞 https://t.co/ETnWHJFfdC

これ以上血税を遣わないで済む再利用ならOKだが、
血税を1円でも浪費するやつはごめんだ。
妙な浅知恵は、要らん。決してあのバカに再利用方法を訊いたりするなよ。

— ケンヤス　消費税廃止となればカメラとPCを買いに行きたい (@KenYasuMichi) December 25, 2021

個人がアベノマスクを洗って煮沸消毒してほぐして個人がガーゼとして使いたいならどうぞご自由に、と言って終わりです。そんなもの個人が勝手にやることであって、紙面やウェブニュースを使って報道することではないと思います。簡単に言えば、アベノマスクを集めて時間をかけておむつを作るよりも店でお金出して買った方が安いのではないかと思います。

>分解してガーゼや布として介護現場などで利用できるよう考えてほしい
淑徳大の結城教授はこう言うけど、再利用する為の作業にカネを投入する事になるんだから素直に廃棄しとけよ。
アベノマスク在庫、段ボール10万箱　厚労省職員「多い印象」 | 毎日新聞 https://t.co/3iWhBNOSoB

— 神宮寺龍之介 (@ryunosuke11845) December 1, 2021

「Mottainai」運動もものによっては意味がありますが、再利用のために手間や時間やコストをかけて大した再利用もできない結果に終わることの方が「Mottainai」です。

アベノマスクの利用法は、愚政であり壮大な税金の無駄遣いであり単に自民党に近いどこかの業者に多額の税金を流し込んで自民党がその業者周辺からの集票を固めたにすぎなかったという事実を広め、あわせて、ガーゼマスクは防疫には全く役に立たないという正しい知識を広めるための報道の題材にすること以外にはありません。あるいは、無駄になった税金を返すように安倍晋三と自民党に要求する怒りを燃やす燃料にするとか。

ＮＰＯ法人「なかよし学園プロジェクト」って何者でしょうか。
もったいない精神と言うならこの無駄事業に使われた金を国庫に返せ、では？

大量廃棄のアベノマスクを意味あるものに！　「世界に一つだけのマスク」にしてアフリカへ　千葉･松戸のNPOが呼びかけ：東京新聞 https://t.co/P7uRVmV4GT

— 🌈BASIL🎄 (@basilsauce) December 30, 2021

記事公開後の追記。

アベノマスクをアフリカに送る活動を美談として報じた東京新聞が話題ですが、
松井市長も「せっかく作ったものだから有効に利用すべき。国内では不織布マスクが流通していてアベノマスクのニーズがないなら、途上国にプレゼントするのも良い」と言っていたことを、改めてみんなに知ってほしい。 https://t.co/M6dLxoiBf1

— 沙和 (@katakorinaoshi1) December 31, 2021

水を汲むバケツを欲しがっている人に、ザルを渡すレベルの親切ですね。 https://t.co/29w0ysGKAH

— 風間新吾（城南信用金庫ユーザー） (@kazamazov) December 31, 2021

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