村野瀬玲奈の秘書課広報室

「たとえDPRK政府がどれだけ挑発的軍事行動をとっても」との認識は誤っていて、朝鮮戦争が終了していない現実、朝鮮と戦争状態にある「国連軍」に日本がどれほどコミットしているかの認識をより深く持つ必要がないでしょうか。

「敵地攻撃論」の検討なんてとんでもない話です。
敵地攻撃論とは、侵略行為以外の何物でもありません。
侵略国家日本、殺人国家日本になってしまいます。
断固反対です。
そもそも、戦前の軍国主義の反省に立って、平和憲法の下、「非武装中立」の平和国家として出発した日本ではないですか。
それがＧＨＱの逆コースにより、警察予備隊が誕生。
そして自衛隊に。
当初は専守防衛といわれていた自衛隊ですが、年々活動範囲が拡大するばかり、ＰＫＯ派遣以降は歯止めを失ってしまいました。
東西南北問わず、武器とは「生物を殺傷する道具」。軍隊とは「国家によって人殺しを許可された集団」以外の何物でもありません。
不用です。
武器のない、軍隊のない非武装中立の日本を！
そして憲法九条を世界に輸出して、
武器のない、軍隊のない非武装中立の世界を！
それこそ真の意味で積極的平和主義というものです。

経産省が作成した ” 世界が驚くニッポン ” という日本スゴイカタログの中に、出典として『日本人とユダヤ人』があるのを見て、久しぶりに『日本はなぜ破れるのか　ー敗因２１か条ー 』 山本七平（角川書店　2004 年）を読み直してみた。本の内容は作家自身の戦争体験を照らしつつ、小松真一による『虜人日記』の敗因２１か条と日記の内容を追いかけるものである。以前はただおもしろおかしく読んだのだが、読み返してみて恐ろしくなった。結局一部の日本人にとって日本は終戦しておらず、ずるずると敗戦したままの状態が続いており、軍の中枢の精神はそのまま生き延びた。そして、敗戦し憲法（議会制民主主義）を押し付けられたという挫折感に一時的にふて腐れていたものの、今また精気を取り戻し、今度は日本国憲法と戦って、大日本帝国憲法（アベ自民党法（独裁的国家主義）：アベ自民党法に日本や憲法を入れたくない）を取り返す。彼らの脳ミソは終戦のあの時のまま、一ミリも進化していないのだ。少し長いが引用する。

　” 日本軍なら、五十万をおくってだめなら百万を送り、百万を送ってだめなら、二百万をおくる。そして極限まできて自滅するとき「やるだけのことはやった、思いのこすことはない」と言うのであろう。（中略）バシー海峡ですべての船舶を喪失し、何十万という兵員を海底に沈め終わった時、軍の首脳はやはり言ったであろう。「やれるだけのことはやった」と。これらの言葉の中には「あらゆる方法を探求し、可能な方法論をすべて試みた」という意味はない。ただある一方法を一方向に極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するため投じ続けた量と、それを投ずるため払った犠牲に自己満足し、それで力を出しきったとして自己を正当化しているということだけだろう。（中略）

その第一歩は何であったのだろう。「ない」ものを「ない」と言わずに、「ない」ものを「ある」と言うか言わないかを、その人間の資格としたことであった。一言にしていえば「精兵主義はあっても精兵はいない」という事実を、一つの「事実」としてそのまま口にできない精神構造にあった。（中略）演出は実力でない。それも一種の虚数である。従って、ガ島、ニューギニア、比島、とすべてが同じ状態になったことは、当然の結果であった。そしてその根本は、精鋭主義という員数の中に、精鋭という実態がなかったことである。（中略）

（今度の戦争は、日本は物量で負けた、物量さえあれば米兵等に絶対に負けなかったと大部分の人はいっている。確かにそうであったかもしれんが、物量、物量と簡単に言うが、物量は人間の精神と力によって作られる物で物量の中には科学者の精神も農民、職工をはじめその国民の全精神が含まれている事を見落としている。こんな重大な事を見落としているのでは、物を作る事も勝つ事もとても出来ないだろう。『虜人日記』）（中略）

「物量」さえあれば勝ち得たと考える考え方そのものに、敗戦の最も大きな原因があった ”（引用終わり）

あたかも敗戦後今日にいたるまでの、自民党、財界、官僚による大小さまざまな愚策の数々について、そのまま解説したようである。ちなみにアマゾンで検索すると ”奥田碩会長が「ぜひ読むように」とトヨタ幹部に薦めた” という書評があるが、経団連の金融資本家たちはおそらく助言を守らなかったのだろう。私たち市民が今なすべき事は、国民の全精神が本当はどうあるのかという重大事には目も向けず、稚拙で時代遅れで近視眼的で自慰的な、同じ方法の繰り返しで失敗を続け、しかし犠牲が大きいがために自己満足することが可能であり、失敗を事象（転進？玉砕？）などと呼んで正当化し、そのために国民には最初から嘘、歪曲、改竄、捏造、矮小した言語で語りかける事で、結果的に自分自身が一体何をやっているのか事態を全然把握できなくなっている彼らと共に、デススパイラルに引き込まれないよう、しっぽとしてバッサリ切り落とす事だろう。私たちはそこへ行く必要などない。彼らとともにまた同じ失敗に巻き込まれる事など絶対にオコトワリだ。

重要な指摘をありがとうございます。

ご指摘の視点が私に全く無いわけではありませんが、「たとえDPRK政府がどれだけ挑発的軍事行動をとっても」という前提に立っても今回の記事のように考えるということで、今回はこのように書きました。

しかし、ご指摘は今後の記事にもっとはっきりと反映させていきたいと思います。