fc2ブログ

天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

新しい素数を発見。

神学者のマラン・メルセンヌヌ(1588~1648)はフランスのレオナルド・ダ・ヴィンチ
だった。数学、物理学、哲学を行き来しながら偉大な業績を残した。 メルセンヌは修道
院にフェルマ、デカルト、ガリレイのような学者を集め、定期的な討論会を開いた。
この集まりはパリ科学アカデミーに発展した。メルセンヌは情報交流のための冊子も作
ったが、これらはサイエンス、ネイチャーのような科学学術誌の始まりになった。メル
センヌは、学会と学術誌という科学システムの根幹を築いた。
メルセンヌは素數(prime number)に没頭した。素数は、2、3、5、7、11など、1と自
分だけで割り切れる数を意味する。4は2で、6は2と3にも分かれるので、素数ではない。
素数を除いたすべての数は素数の積で表示できるので、数学者たちは素数を「数の原子」
と呼ぶ。

紀元前ユークリッドが「素数の数が無限だ」ということを証明した以後、数多くの学者
たちが素数にとりつかれたのだが、素数を作り出したり判別する公式はまだない。新し
い素数を見つけることさえ容易ではない。ある数が素数であることを確認するには、
1ではなく他の数の積で割り切れないことを証明しなければならないが、すべての数を掛
けてみる以外に方法がない。当然、数が大きくなるほど難度は指数関数的に高くなる。
リーマン予想のような数学最高の難題の多くが素数と関係しているのもむべなるかなだ。
メルセンヌは3、7、31のように「2のn乗から1を引いた」数字の中で素数が特に多いと
いう事実に着目し、特別な規則を探そうとした。今日、「2のn乗-1に該当する数をメル
センヌ数、このうち素数をメルセンヌ素数と呼ぶ。メルセンヌは夢を叶えられなかったが、
彼のやり方で素数を探す努力は今も続いている。むやみに巨大素数を探すより、メルセン
ヌ数の中から素数を探す方がはるかに確率が高いからだ。
1986年、国際会議「インターネットメルセンヌ素数探し(GIMPS)」が設立された。探索
する素数の桁数が大きくなり、人の計算が不可能になっただけに、インターネットでコ
ンピューターを連結して素数を探そうという趣旨だった。誰でもパソコンの電源を入れ
てGIMPSプログラムをダウンロードして実行させればいい。

GIMPSは10月21日「2の1億3627万9841乗から1を引いた数が新しいメルセンヌ素数
確認された」と明らかにした。4100万桁を超える数字で、2018年に発見された51番目
のメルセンヌ素数より1600万桁多く、1秒に1桁ずつ読んでも読み終えるのに475日かか
るレベルだ。
GIMPSの発表が特別な話題を集めたのは、素数を探したルーク・デュラン(NVIDIAエ
ンジニア)が数学者ではないだけでなく、彼の方式が素数探索の未来を変える可能性が
高いためだ。NVIDIAでグラフィック処理装置(GPU)の開発者として働いたデュランは、
ビッグテックデータセンターがフル稼働しない点に注目した。

彼は昨年、17局24データセンターのGPU数千個をクラウドで連結し、スーパーコンピュ
ーターを構築した。順次情報を処理する中央処理装置(CPU)より大量の情報を同時に処
理するGPUが素数探索に有利だというデュランの考えは正しかった。GIMPSは「会員た
ちが一日平均300個の結果(特定メルセンヌ数が素数だったり素数ではないという答)を送
るが、デュラン参加以後3500件に増えた」とし「GIMPSでCPU以外の方式を使った初め
ての事例」と話した。
GIMPSは新しいメルセンヌ素数を発見すれば3000ドルの賞金を与えるが、デュランは
GPUスーパーコンピューター活用に200万ドルを使った。経済的にだけ考えると、この
ような損害はない(コストパフォーマンスが低い)といえる。GIMPS設立者のジョージ
・ウォルトマンは「このように巨大な数はすぐには役に立たない」とし「今としては珍
しく美しい物(新しい素数)を収集しようとする数学の変人たちのエンターテインメント
に過ぎない」と話した。ただ、将来も素数探しがエンターテインメントとして残るかど
うかはわからない。
何千年もの間、素数の探索は簡潔な数の法則を見つけようとする数学者の無駄な執着と
見なされていた。だが、1977年MITのリベスト・シャミール・アドルマンが数百桁の素
数で暗号化技術を開発した。

インターネットとモバイル世界の標準である暗号化アルゴリズム「RSA暗号」が彼らの
名前の頭文字を取った。 素数を研究していた昔の数学者たちがインターネットバンキン
グや電子商取引を予見したはずもない。素数探索と研究をあきらめない人がいれば、
私たちは素数が作り出すまた別の文明の時代を生きることになるだろう。量子コンピュ
ータの登場が、決定的な役割を果たすことになるはずだ。[朝鮮日報参照]
<audio src="貼り付けたい音声ファイルのurl" controls>

コメント

どろんこさん、コメント、感謝です。
素数の話は、どんなことでも関心があります。
NVIDIAの社員がコンピュータという「腕力」で
(たぶん)52番目のメルセンヌ素数を発見した
という内容ですよね。
素数を求める一般式がないだけに
数学者だけでなく多くの一般人(筆者も)も
素数にはどうしても関心がいきますよね^^。
筆者が思うにリーマン予想の解決がおそらく今の
数学界の最大の難問だと思っています。
テレンス・タオとかジェームズ・メイナードとかが
解決するんじゃないかと思ってるんですが、
どうでしょうかね。

役に立つ素数

数学が趣味の天安さん、やはりこれを記事にされましたね。
日本でも先日これがネットニュースに出ていました。もっとも、ごくあっさりと紹介されていただけですが。200万ドルもの大金をつぎ込んだ方があったとは驚き!
あまりに桁数が多すぎて、こんなの何に使うの?となるのですが、今現在、数百桁の素数で暗号化技術が開発されているのですから、将来、思いもよらない技術に使われるようになるかもしれませんね。
数学の面白い話がまたありましたら、ご紹介ください。
小生もけっこう数学に興味を持っていますゆえ。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://cheonan.blog.fc2.com/tb.php/588-5a12530f

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

treenamu

Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

愛する日本 (2)
ふるさと (70)
韓流 (279)
クールコリア (11)
釜山さむらい (11)
学生エッセイ (89)
心と体 (14)
韓国のジョーク (5)
詩 (12)
数学 (14)
サッカー (13)
筆者のエッセイ (31)
ランの窓 (2)
未分類 (42)

カレンダー

12 | 2025/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索メニュー

RSS リンクの表示

リンク

이 블로그 링크에 추가하기

ブロとも申請フォーム

블로그친구신청

Template by たけやん

動画ランキング