最悪の日韓関係の底で日本語が一番人気。
2019-08-26
韓国に国立外交院という組織がある。
1963年に創設された外務公務員の教育・訓練を目的とする「外務公務員教育院」が母体となっている。
さらに外交人材の養成および国家の中長期外交政策研究や開発もまかなえるように2012年から「国立外交院」という名に改め現在に至っている。
以下は朝鮮日報にあった内容である。
今年の夏、国立外交院が外交官らの申請を受けて開設した「第2外国語講義」のうち、
日本語の講義が一番人気が高いことが分かった。
日韓両国の関係が最悪のような状態に陥っているけれど、日本語を勉強しようとする外交官がむしろ増えるという珍しい現象が見られている。不思議だ。
8月25日の国立外交院の発表にによると、
今年の夏(6~8月)、第2外国語の講義を申請して授業を聞く外交部の職員は約150人。
20代の事務官から50代の局長級まですべて無料で授業を聞いているわけだけれど、
全体の約30%にあたる40人余りが日本語の受講生という。
外交院関係者が言うには、「通常、中国語やスペイン語の受講申請が多かったが、日本語申請者が大きく増えた」という。
毎年多少の偏差はあるものの、東日本大震災につづき福島原発の爆発事故の後、
日本勤務を嫌っていた雰囲気もなくはなかったけれども、このような現象が起きてとても特異な現象だということだ。
具体的に受講生に聞いてみた。
韓国外務省書記官のAさんは「日本は特に韓国と近くて時差がないうえ、食べ物、住居、医療など生活条件もよい」とし
「対日外交は難しい昨今だけれど、業務以外の生活も重要」と語る。
30代の外交官B氏は「さらに遠い未来を眺め、趣味・旅行などのために、日本語を学ぶ若い職員が少なくない」と述べる。
日本語の一番人気に続き、中国語(30人)、スペイン語・フランス語(各20人余り)、アラブ語(10人余り)などが次に続いており、
ドイツ語とロシア語の受講生は一桁にとどまっているもよう。
外交院関係者は
「スペイン語は通常、中南米公館勤務を希望する行政職の職員からの受講申請が多く、アラビア語は今回、関連部署(中東)の職員が集中申請した」と述べた。
国立外交院は今年初めて、夏の講習(6~8月)を正規学期にいれて開設して運営している。
昨年、姜京華(カン・ギョンファ)外交部長官が、外交官たちの外国語能力を強化せよとの指示が出て以来、強化されているようだ。
韓国という国は、総論は日本嫌いだけれど、各論は日本好き、という以前書いた文章が真実であることを、改めて思った次第だ。(筆者の感想)。
親日派とチンイルパ
2019-08-08
きのうのお昼、筆者の住む忠清南道・天安市にある梨花フェニックス病院の理事長(経営者)である
ハン・ジュヒさんという方と昼ごはんを共にした。ハンさんは、60代後半くらいの男性である。
大手企業の会社員勤めをしたあとで退職してから病院の経営をはじめた人である。本人は医者ではない。
日本では病院の理事長といえばたいていは本人も医者である場合が多いかもしれないが、
韓国ではそうでないケースもけっこうある。
東京に位置するある病院と姉妹血縁の関係を結んでいて、
最近その病院を見学してきていろいろのアイディアを得たという。
筆者はハンさんと東京の病院との姉妹血縁を結ぶときの橋渡しをしただけである。
見学の際、病院の方々から手厚いおもてなしを受けたみたいで、
あまりにも感謝の気持ちが大きかったゆえ、
誰かとその気持ちを分かち合いたいということで筆者に連絡がきたのであった。
食事をしながら現在の日韓関係、会社員時代の話、病院見学時の話、1代目の大統領から現在までの大統領の話などなど、
話題は次から次へと尽きなかった。
そんな話の中から、読者の方々にもおもしろそうだと思えるようなことを書いて見たい。
まずは孫の話。
東京で仕事(見学、会議)をする前に、大阪に行った。孫をつれて。
ハンさんは自分の子どもたちをアメリカで数年育て、中国でも2年過ごしたという。
アメリカ駐在員や中国駐在員をやったからである。
出張なら、ドイツ、イギリス、オランダ、シンガポール、ベトナムなど、
世界の主な国はだいたい行っているというほど、あちこち足を運んでいる。
世界のいろんな国を知ってそのうえで、孫の教育はなんと日本で受けさせたいと考えている。
孫の親(つまり自分の息子・嫁さん)の了解は勿論得ている。
なぜ日本なのか。特に今のこの最悪の日韓関係のときに。
誰でもそう聞く。筆者も聞いた。そのたびに彼はこう答えているという。
「ノーベル賞をバンバン取っている日本という国でひとつ教育を受けたら
なんであんなにノーベル賞が取れているのか、すこしでもわかるのではないか」と。
日本の教育のせいでノーベル賞が輩出しているのではないような気もするのであるが、
京都大の理系あたりで教育をうければ、あるいは何かがちがっているのかもしれないな、
なんていう気もするので、あながちこのハンさんの考えが理不尽だとは思わないし、
是非日本で教育を受けてノーベル賞をとってほしいと筆者はまじめに思っているのだけれど、
お孫さんはまだ小学入学前。
大阪で、小学校の入学についてあちこち出向いて行ってかけあってみたけれど、
小学校はちょっと難しいということがわかったという。
親でも誰でもいいけど保護者がいっしょに住むということが条件になっているみたいなのだ。
中学、高校からなら条件がもすこしソフトになるので、中高からかな、といっていた。
(この部分、筆者にもよくはわからない。確認したわけでもないので右から左と読んでいただきたい。)
お孫さんの話からわかるように、この方は完全に親日派である。
親日派は韓国語の発音ではチンイルパとなる。
「わたしは、チンイルパです」
とはっきりと言う。
親日派。日本の人が見れば「あ、そう、日本が好きなんだね」という軽い気持ちでこの漢字語を読むはずだ。
ところでこちら韓国では「チンイルパ」という語は、タブー中のタブーなのである。
禁句中の禁句なのだ。
知人友人ら数人の前でだったら「ナヌン チンイルパヤ(オレは親日派だ)」ということはあるいは
ありうるかもしれない。
しかし、大学の教室とか会社の会議室あるいは市民がおおぜい集まっている場でそんなことを言ったら
半殺しに遭うかもしれない。それほど、危うい語なのである。(半殺しというのはやや誇張である。)
日本の植民地の時代(1945年までのだいたい40年くらいの間)に、独立運動をやるのか、チンイルパでやるのかが
韓国では一人の人間の生き方においての一大岐路だったからだ。
チンイル(親日)でやっていくということは、その当時はほとんど同胞を裏切って金や利益のために
日本に身も心も売ってしまったという烙印を押されるようなものだったからだ。
その伝統が今でも色濃く残っているため、チンイルパという語は無条件で嫌われる語になっている。
そのチンイルパという語を、ハンさんは口に出して言うのだ。
もちろん聞いているのは筆者一人だからなんの問題もないのだけれど。
ところで、彼の言うチンイルパというのは、
優れているものは優れているものとして素直に学ぶべきであるし、
進んでいることがあれば、それを習い、教えてもらうべきである。
悪いものは悪いけれど、よきことはいいのである。たとえそれが日本のものであったとしても。
ミソもくそもみんないっしょくたにして、日本否定、日本製品不買と叫ぶ韓国の同胞らが
ちょっとおかしいと感じている。
今回の安部氏のやり方には、さすがのハンさんもあれはちょっとやりすぎじゃない、
という気持ちがあるけれども、だからといってデモを先導して日本否定にやっきとなっている人々にも
納得がいかないという気持ちを強くもっている。
だから筆者とも非常にウマが合って、2時間3時間の昼飯があっという間に過ぎてしまった。
ほかにもいろいろの話があるのだが、今回の文章はこれくらいにしようかと思う。
ハンさんのような人がこちら韓国にどれくらいいるだろうか。
筆者の完全な独断と偏見なんだけれど、おそらく20から30パーセントは下らないと考えている。
日本否定の同胞たちをおかしい、こりゃちがう、と考えている韓国の人は結構多いのだ。
このことを日本の方々にはぜひ忘れないでいただきたい。
安部氏は今完全に感情的になっている。あんなヒステリックな仕打ちをなんでやってしまったのか。
弱いものいじめのようなことをやってはならない。ニッポンの武士道が泣いている。
聖なる国日本の恥になるようなことをやらないでほしい。
日本に泥を塗るようなことはやらないでほしい。
あ、ところで『聖なる国日本』という本が存在するのをご存知だろうか。
エハン・デラヴィというイギリスの人が書いた本である。
韓国漬けになっている今日この頃、第三国の方が書いた日本論、ご一読を強くお勧めいたします。