きつねにつままれたような数学の話_ S= 1+2+3+4+5+6+7+8+ …… の答えは?
久々に数学の話で。
A=1-1+1-1+1-1+……
まずはこのAの値を求めたい。このままだとわからないので、
はじめの1を一つずらした場所から書いてみる。
A=1-1+1-1+1-1+…… ①式
A= 1-1+1-1+1-1+…… ②式
①式と②式をそれぞれ足し算すると、左辺はエーが二つだから2Aとなり、
右辺はマイナス1とプラス1らがそれぞれ相殺して残るのはいちばん前の1だけとなる。
つまり、
2A=1
より、A=1/2 (にぶんのいち) となる。
また、
B=1-2+3-4+5-6+7-8+9-…… ③式
として、この値を求める。
このままだと求められないので、上とおなじように、書く位置をひとつずらして書いてみる。つまり、
B=1-2+3-4+5-6+7-8+9-…… ③式
B= 1-2+3-4+5-6+7-8+9-…… ④式
として、③式と④式を足し合わせる。すると、左辺はビーが二つだから2Bとなるし、右辺は
2B=1-1+1-1+1-1+1-1+…… ⑤式
となる。これの右辺は上ですでに求めた。1/2 (にぶんのいち)である。
つまり、
2B=1/2 より、 B= 1/4 (よんぶんのいち)となる。
ここでさらに、
S= 1+2+3+4+5+6+7+8+ …… ⑥式
を考えてみる。これは当然無限大に発散すると思うのだが、そうならないのである。この式の両辺を4倍してみる。すると当然
4S= 4+8+12+16+20+ …… ⑦式
となる。上でやったと同じように、この式の右辺の数字を一つ飛びにずらして書いてみる。
つまり、2の下に4、3の下はなにもなし、一つ飛んで4の下に8、5の下はなしで6の下に12のように書いていくわけだ。
S= 1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+ …… ⑥式
4S= 4+ 8+ 12+ 16+ 20+ …… ⑧式
この⑧式は、実は⑦式と同じものである。書き方を一つ飛びに記しただけなのだから。
第2項からそれぞれ4、8、12、16、20、24、、、、、と一つ飛びにかいていくのである。
で、⑥式から⑧式を引いてみる。
S= 1+2+3+4+5+6+ 7+ 8+ 9+ 10+ …… ⑥式
4S= 4+ 8+ 12+ 16+ 20+ …… ⑧式
すると、左辺はマイナス3Sとなる。
右辺はどうなるか。右辺の第1項は1。第2項は2から4を引いてマイナス2。第3項は3。第4項は4から8を引いてマイナス4。
つまり、
右辺=1-2+3-4+5-6+7-8+9……
これは上の③式 と同じ形であるから 1/4 とわかる。
すると、左辺はマイナス3S で右辺は1/4 となるから、-3S=1/4 となる
-3S = 1/4 より、 S = -1/12 。
つまり、S= 1+2+3+4+5+6+7+8+ …… の答えは -1/12(マイナス十二分の一)というわけだ。
そんなばかな。自然数をずっと足していったら、マイナス十二分の一だと!。あほな。
でも、上の式の運びで間違っている部分がどこかあるだろうか。
しかもネットを見ると、有名な数学や量子力学などの論文の中に、
この 1+2+3+4+5+6+7+8+ …… =-1/12
という式が出てきているらしいのだ。
読者のみなさん、このどこがおかしいのか、筆者にご教示お願い申す。