ふるさとの大先輩からうれしいメール。
2024-12-14
ふるさと米沢に住む高橋寛さん(山形大学名誉教授)から
うれしい便りがきた。
高橋さんは常に人類の未来を考えながら生きていらっしゃる。
今年日本の原爆被団協がノーベル平和賞を受けたように、
子や孫たちが光を見つけられるような世の中を残してやりたいと
常々考えている。
常々考えている。
金がなくても、スーパーから食料がなくなっても、
生きて行けるんだということを実証したくて、
家庭菜園に精を出して来られたという。
家庭菜園に精を出して来られたという。
放置林からクルミを拾い、実を剥いて、人付き合いの潤滑油として使ってきた。
食料自給を支えるべき有機農業者が日本から絶滅しようとしている昨今、
全ての人が自分で食べるものは自分で採取すべきだと考えるようになった。
その過程で勉強したモゾ語りを同封したいとして
添付で送られてきたのが以下に掲載する文章である。
生きていく上での参考になるので、全文を掲載したい。
「微生物の働き」
土を必要としない水耕栽培に漠然とした不信感を持っていたが、
何が問題なのかわからなかった。
何が問題なのかわからなかった。
「土と脂ー微生物が回すフードシステム(築地書館)」を読んで、
土壌細菌、腸内細菌の世界に魅了された。難解でよく理解できなかったが、
頭を整理するために、間違いを覚悟で私なりに解釈してみた。
土壌細菌、腸内細菌の世界に魅了された。難解でよく理解できなかったが、
頭を整理するために、間違いを覚悟で私なりに解釈してみた。
植物は葉緑素(緑色の色素、マグネシウム Mg が主成分)を持っている。
この生みの親である“シアノバクテリア”という細菌が光合成を行う。
太陽光の高エネルギーの紫外線で炭酸ガス CO2 と水 H20 から活性酸素 O を
剥ぎとり、安定な酸素ガス O2 にする。
残りの炭素 C と水素 H を合成して糖分を作る。
この生みの親である“シアノバクテリア”という細菌が光合成を行う。
太陽光の高エネルギーの紫外線で炭酸ガス CO2 と水 H20 から活性酸素 O を
剥ぎとり、安定な酸素ガス O2 にする。
残りの炭素 C と水素 H を合成して糖分を作る。
緑の植物を動物が食べると、葉緑素と鉄 Fe が結びついて、赤血球の
ヘモグロビンとなる。動物の細胞に住みついているミトコンドリアという細菌が、
ヘモグロビンから活性酸素 O を受け取り、食べ物から吸収した糖分などを燃焼させて、
動物の活力となるエネルギーを生む。
ヘモグロビンとなる。動物の細胞に住みついているミトコンドリアという細菌が、
ヘモグロビンから活性酸素 O を受け取り、食べ物から吸収した糖分などを燃焼させて、
動物の活力となるエネルギーを生む。
この様に、生命活動の根底である植物の炭酸同化作用と、動物の呼吸・消化作用を
担っているのは細菌である。どんなに科学が発達しても、この二つの作用を人間が
人工的に再現できないということに、我々は謙虚でなければならない。
担っているのは細菌である。どんなに科学が発達しても、この二つの作用を人間が
人工的に再現できないということに、我々は謙虚でなければならない。
さて炭酸同化作用と呼吸・消化作用に共通して、活性酸素の授受が行われている。
活性酸素が過剰に発生すると、細胞自身を傷つけて、病気や老化の原因になる。
活性酸素が過剰に発生すると、細胞自身を傷つけて、病気や老化の原因になる。
そこで、この過剰な活性酸素を無害化する抗酸化作用を担うものとして、
ほとんどの植物がポリフェノール(フラボノイド)という苦味や色素の成分を持っている。
5000種以上あると言われ、作物によって名前が変わる。
ほとんどの植物がポリフェノール(フラボノイド)という苦味や色素の成分を持っている。
5000種以上あると言われ、作物によって名前が変わる。
イソフラミン(大豆)、アントシアニン(ベリー、黒豆)、カテキン(茶)、
セサミン(ごま)、ケルセチン(玉ねぎ)、ルテオリン(春菊、しそ)など。
セサミン(ごま)、ケルセチン(玉ねぎ)、ルテオリン(春菊、しそ)など。
これらを人間が摂取すると、ガン予防、抗アレルギー、抗炎症作用、精神安定などの
効果があるという。色、苦み、辛味、渋みは作物の表面に集まる。
したがって皮ごと食べるのが良い。米や麦もあまり精白しないのが良い。
日本人に前立腺がんと乳がんが少ないのは、あまり加工しない大豆を多く食べている
ためだと言われている。
効果があるという。色、苦み、辛味、渋みは作物の表面に集まる。
したがって皮ごと食べるのが良い。米や麦もあまり精白しないのが良い。
日本人に前立腺がんと乳がんが少ないのは、あまり加工しない大豆を多く食べている
ためだと言われている。
さて葉緑素にはMg、ヘモグロビンにはFe が必須である様に、微量な無機栄養素として
ミネラルが、植物・動物にとって重要な意味を持っている。
ミネラルが、植物・動物にとって重要な意味を持っている。
カルシュウムCa は骨の材料としてだけでなく、筋肉にも含まれていて、脳からくる
電気信号で筋肉を収縮させる働きをする。亜鉛 Zn は傷の治療や味覚臭覚の働きを助ける。
銅 Cu は細胞の呼吸に必須。モリブデン Mo は植物が窒素を取り込む役をする。
電気信号で筋肉を収縮させる働きをする。亜鉛 Zn は傷の治療や味覚臭覚の働きを助ける。
銅 Cu は細胞の呼吸に必須。モリブデン Mo は植物が窒素を取り込む役をする。
リン P は骨・歯やDNA・細胞膜の材料であるだけでなく、体内でのエネルギー利用・
貯蔵に寄与する。
ミネラルは通常岩石に含まれ、酸化物として、水に溶けない化学的に安定な状態で
存在している。ところが土の中にいる土壌細菌や菌類(キノコ)が酵素と酸をだし、
水溶性に変えるため、植物が吸収できる様になる。
土を使わない水耕栽培や、農薬で無菌状態になった大規模農地の場合、
微生物の働きがなく、ミネラル不足に陥ることになる。
存在している。ところが土の中にいる土壌細菌や菌類(キノコ)が酵素と酸をだし、
水溶性に変えるため、植物が吸収できる様になる。
土を使わない水耕栽培や、農薬で無菌状態になった大規模農地の場合、
微生物の働きがなく、ミネラル不足に陥ることになる。
動物の場合は、腸内細菌がこの働きをする。もし腸内細菌が不足していると、
煮干の骨を食べても Ca として吸収できない。放し飼いの鶏は土中のミミズをつつき、
腸内細菌を補充する。哺乳類動物は出産の際、母親の産道で細菌を受け取り、
その後食べ物から補充される。
煮干の骨を食べても Ca として吸収できない。放し飼いの鶏は土中のミミズをつつき、
腸内細菌を補充する。哺乳類動物は出産の際、母親の産道で細菌を受け取り、
その後食べ物から補充される。
17世紀末パスツール・コッホ・北里らが、病気の原因が細菌であることを突き止めた。
そして今、コロナウイルスが猛威をふるっている。
このため、細菌やウイルスは悪者だというイメージが定着してきた。作物に虫がついたり、
病気になったら、農薬を使って無菌状態にしようという農業が、
これまでの農業の主流となってきた。
そして今、コロナウイルスが猛威をふるっている。
このため、細菌やウイルスは悪者だというイメージが定着してきた。作物に虫がついたり、
病気になったら、農薬を使って無菌状態にしようという農業が、
これまでの農業の主流となってきた。
ところが一旦農薬と肥料を施してしまうと、収量は上がるが、その後農薬を止める
ことができなくなる。昆虫や鳥もいなくなり、人間の健康にも影響を及ぼす(発達障害)。
ことができなくなる。昆虫や鳥もいなくなり、人間の健康にも影響を及ぼす(発達障害)。
植物は本来、身体の表面に苦味・辛味・渋みをつけて草食の動物から身を守ったり、
病原体を撃退する物質(ファイトケミカル)を用意したり、
害虫の天敵となる益虫を呼び寄せる花を咲かせたりして、身を守るすべを身につけてきた。
山の中の自然本来のフカフカの土で育ったリンゴは、農薬も肥料も不要でリンゴ本来の味を
取り戻したという報告がある(“奇跡のリンゴ”石川拓治、幻冬社)。
病原体を撃退する物質(ファイトケミカル)を用意したり、
害虫の天敵となる益虫を呼び寄せる花を咲かせたりして、身を守るすべを身につけてきた。
山の中の自然本来のフカフカの土で育ったリンゴは、農薬も肥料も不要でリンゴ本来の味を
取り戻したという報告がある(“奇跡のリンゴ”石川拓治、幻冬社)。
動物の場合、病気と戦う力(免疫力)が植物から引き継がれる。腸内のビフィズス菌が
作る醋酸(=酢酸)が、免疫細胞に働きかけて、免疫グロブリンを生成する。
これが口や鼻に移動して、外から侵入してくる病原体と闘う。
作る醋酸(=酢酸)が、免疫細胞に働きかけて、免疫グロブリンを生成する。
これが口や鼻に移動して、外から侵入してくる病原体と闘う。
下水道が完備して畑に下肥を使わなくなり、お腹に回虫がいなくなったら、花粉症や
アトピー性皮膚炎が増えたという報告がある(“笑うカイチュウ”藤田浩一郎、講談社)。
アトピー性皮膚炎が増えたという報告がある(“笑うカイチュウ”藤田浩一郎、講談社)。
植物の細胞膜を形成しているのは、周囲と反応しやすい不飽和脂肪酸である。
これが動物に食べられると、動物の免疫作用の ON・OFFを司ることになる。米・豆など
タネ類の脂肪酸は ON、葉緑体の脂肪酸は OFF のスイッチを入れる。
これが動物に食べられると、動物の免疫作用の ON・OFFを司ることになる。米・豆など
タネ類の脂肪酸は ON、葉緑体の脂肪酸は OFF のスイッチを入れる。
スイッチが ON のままだと、免疫系が暴走状態となり、外敵だけでなく、
自分自身をも傷つける。したがって両者のバランスが重要である。
牧草地で生きた草を食べた牛は、健康で病気に対する免疫力を持っている。
しかし牧草を干し草にしてしまうと、葉緑素が消え、OFF作用も消える。
自分自身をも傷つける。したがって両者のバランスが重要である。
牧草地で生きた草を食べた牛は、健康で病気に対する免疫力を持っている。
しかし牧草を干し草にしてしまうと、葉緑素が消え、OFF作用も消える。
干し草や配合飼料(タネ類)だけで飼育された牛は、成長は早いが、
病気に対する抵抗力が弱い。抗生物質を与えると、腸内細菌も死滅する。
鶏舎飼いで配合飼料だけの鶏は、インフルエンザなどに抵抗出来ない。
病気に対する抵抗力が弱い。抗生物質を与えると、腸内細菌も死滅する。
鶏舎飼いで配合飼料だけの鶏は、インフルエンザなどに抵抗出来ない。
たね由来の脂肪(トウモロコシ、大豆、オリーブなど)やマーガリンは肥満に
繋がりやすい。緑の野菜由来の脂肪(牛乳、卵)や、クルミ、
魚(鮭、鯖、イワシなど)の脂肪は肥満の心配がなく、成人病を抑制し、
コロナウイルスにも免疫力があるという。
繋がりやすい。緑の野菜由来の脂肪(牛乳、卵)や、クルミ、
魚(鮭、鯖、イワシなど)の脂肪は肥満の心配がなく、成人病を抑制し、
コロナウイルスにも免疫力があるという。
以上、何万年と続いてきた生命の連鎖の神秘は奥深く、容易にうかがい知る
ことができない。微生物は我々にとって、時に害となったり、益となったりする。
微生物と共存し、そのバランスを図ることが大切なのだろうと思う。
ことができない。微生物は我々にとって、時に害となったり、益となったりする。
微生物と共存し、そのバランスを図ることが大切なのだろうと思う。
畑も自然の山林の様に微生物の住処となるよう、表面を常に作物や雑草や落ち葉で覆い、
保湿・保温を心がけ、過度な耕起は控えたほうが良いと言われる。 (文・高橋寛氏)
保湿・保温を心がけ、過度な耕起は控えたほうが良いと言われる。 (文・高橋寛氏)
古希クラス会
2024-10-19
ブログ筆者も70歳。
今年10月12日に、わがふるさと米沢市立M小学校(中学校)の
元気でいてくれや^^。
今年10月12日に、わがふるさと米沢市立M小学校(中学校)の
古希の同窓会があった。
(筆者はどうしても抜けられない仕事のためにここ韓国の地に
居残っていたのだが・・・。)
コロナのせいで、今回のクラス会は6年ぶりくらいになる。
今まで1回もクラス会に出たことがなかったので
今回くらいは出てみようかなと思っていたのだが、
上記のようにどうしても抜けられなくて、
しかたなくメッセージだけを前もって幹事(M君)に送り
欠席のことをわびた。
学年全体で120人余の卒業生だったが、
集まったのは30人ほどだったようだ。
嵐の「ふるさと」の曲をBGMに進められた。
幹事からすぐその日の夜に写真が送られてきた。
30人のうち、男連中は比較的わかりやすかったが、
女性連は、ほとんどわからない。
写真のところに「名前」が書かれてあるのだが、
その名前を見てもどうしてもわからない。
女性のほうが、「変化」が激しいのだろうか。
昔はクラス会のたびに「担任の先生」を
お呼びしていたらしいのだが、今では皆さん
虹の橋を渡って行かれて「先生」は誰も参加できなかった。
クラス会が開かれるかどうかは、やはり幹事のやる気次第のようだ。
われわれの場合は、幹事(M君を中心に5,6人がやってるらしい)が
しっかりしていて、終わればすぐにメールで写真や消息などを
すぐに送ってくれたりして、とにかく頼りになる幹事連中なのだ。
彼らが健在で頑張ってくれてる限り、われらのクラス会は
ずっと続いていくものと思われる。
次のクラス会のときには、是非とも参加してみようと思っている。
くれぐれも幹事連をはじめ、同級生連中の安寧を祈るばかりだ。
元気でいてくれや^^。
「命の農業」(5) _ アリ・キリの法則
2024-07-15
(5)アリ・キリの法則
ウクライナ・ロシアとパレスチナ・イスラエルの戦争は、出口のない
袋小路に入っているように見えます。
お前が先に仕掛けたと非難し、仕返しをしてやると息巻いています。
大人の意地の張り合いの中で、庶民や子供が命を落としています。
相手の絶滅を達成するまでやめないというのであれば、永久に戦争は終わりません。
戦争をやめるには、どんなにけしからん相手でも、共存を図るしかありません。
悪者といかに共存を図るかというのは、古来人類の永遠の課題でした。
キリストは「右の頬を叩かれたら、左の頬を差し出せ」と説きました。
ブッダは「人の残酷ささえも、憎しみの対象とはならず、相手を変える手助けができる」
と説きました。( “ブッダ” テイク・ナット・ハーン著、池田久代訳、春秋社)
世の中が全てアリ族ならば、殺し合いの戦争は起こらないはずです。
しかしキリギリス族がいなくなることはありません。
何故なら全ての人がアリ心(美しいものに憧れるアリ族の心)と
キリ心(現実に流されるキリギリス族の心)を合わせて持っているからです。
キリギリス族の強制的な絶滅を願うことは正しくないことなのでしょう。
どんなに悪人でも、消えかかったアリ心に火がつく時があるかもしれません(死刑廃止論)。
力学の世界に熱力学第2法則というものがあります。
自然現象というものは、外から干渉しなければ、秩序のある有用なエネルギーが、
乱雑で無用なエネルギーに変わる方向に起こる、というものです。
一例として、熱は温度の高い方から低い方へ流れます。
人間の心の中でも放置しておくと、美しいアリ心が気楽なキリ心に変わって
しまうという、「アリ・キリの法則」があるのではないでしょうか。
この法則は強力で、あらゆる CM がこれをテコにものを売ろうとしています。
政治家や NHKまでもが、人を集めるために、キリ心に媚びています。
あらゆる人々の品性が下がってきました。
ところが、植物・動物の生命というものは、太陽光など外部から有用な
エネルギーの助けを借りて、熱力学第2法則に必死に逆らって、自
らの秩序を保っていると言います。
同じようにアリ・キリの法則に抵抗するには、“魂に響くような美しいもの”に
触れて、アリ心を絶えず勇気づけることが必要なのだと思います。
それは宗教かもしれません。芸術かもしれません。自然との交流かもしれません。
スポーツ(かつてのアマチュアオリンピック)かもしれません。
中村哲さんのような立派なアリ族の先輩に接することかもしれません。
中村さんほどには立派になれなくとも、憧れることはできます。
ブッダは「“気づき”の生活によって、周りで起こることの本質が分かり、
全宇宙が自分の体に入り込む一体感を通して、愛(慈悲)が生まれる」と説きます。
ブッダがもし今生きていたら、プーチンとゼレンスキーのところに行って、
双方の話を魂に触れるまで聞き取っていたに違いありません。
私はブッダを本当に理解することはできませんが、分からなくとも美しい話を
聴き続けていたいと思います。
私たちは、絶えず美しいものに接して、自分を高めることが、天から課された
使命なのだと思います。
それがたとえ迂遠でも、殺し合いのない社会を実現する王道となります。
普段の沢山の人との付き合いの中から、少数の魂の話のできるアリ族を
見つけましょう。お互いに励ましあいながら、凛としたアリ族の世界の
素晴らしさを周りに訴えましょう。
「美しいものに憧れるその心が、調和と平和と愛の世界を呼び寄せる」
「命の農業」(4) _ 自分で育てたものを食べる
2024-07-13
(4)自分で育てたものを食べる
モラル破壊の口火を切ったのは、トランプであり、安倍であり、
プーチンです。しかし彼らを押し上げた沢山の人がいたのです。
命の循環の道徳を見失った、三だけ主義(今だけ・自分だけ・金だけ)の
人々です。
原発、軍事費、国債乱発などなど、旨味だけを貪り、その後始末は
ズルズルと先延ばしにして、次世代の富を貪る人々です。
イソップ物語に、冬に備えて夏せっせと働くアリと、
夏中遊んで暮らすキリギリスの話があります。
人間社会でも、命の循環を知り祖先や子孫の幸せを考えるアリ族と、
三だけ主義しかわからないキリギリス族がいます。
アリ族には「謙虚な金持ち」と「誇り高き貧乏人」がいます。
謙虚な金持ちの代表は“目刺しの朝飯”で有名な石川島・東芝・
経団連会長の土光敏夫氏です。 4
また誇り高き貧乏人の代表は、終戦後ヤミ米を拒否して栄養失調
で餓死した裁判官の山口良忠氏です。
このアリ族こそが道徳の担い手です。
一方キリギリス族には「傲慢な金持ち」と「さもしい貧乏人」
がいます。具体的に名を挙げなくとも、身の回りにうじゃうじゃ
いるはずです。
今の時代世界中で、政治・経済・マスコミ・教育・裁判・医療までもが
キリギリス族に席巻されています。
毎日新聞の記者が、今の世の中を“底の抜けた社会”と評しています。
警官が盗みをし、消防夫が火付けをし、殺人をする子を親が手伝っています。
日本の工業製品の信頼の象徴であった自動車までもが認証不正を行って
います。資本家は利潤を求めますが、安全を守る最後の砦は、
技術者の矜持であったはずです。
異常気象・戦争・経済破綻・人心の荒廃など、今後この世の中を再生
する道が見つからないままに、人類と地球が滅びる心配に駆られます。
そこでこの辺で一度リセットすることを考えて見ませんか。
全ての人が、自分で育てたもの、あるいは自分で採取してきたものを
食べて、その美味しさに目覚め、喜びと感謝を思い出すのです。
金がなくとも生きられるんだということを実感したいのです。
これこそが“生命力”と言われるものではないでしょうか。
小・中学生が「いじめられて自殺」などというニュースをよく聞きます。
どれほど苦しかったかと想像すると、いじめた側やそれを見過ごしてきた
周囲の責任を糾弾したくなります。
しかし「いじめられた位でなんで死ぬんだ、何故逃げなかったのか」と
いう疑問を感じ、強い生命力を持って欲しかったと思います。
今の子供達は「生きてゆくのに金を稼がなければならない。
そのためには世の中に受け入れられなければならない。」と教え込まれて
います。そうすると人間社会の中で行き詰まると、
後は絶望しか思いつかないのかもしれません。
しかし人間社会の中で行き詰っても、人間には自然界との命の交流の広い
世界があるのです。これを端的に実感するのが、自然界から食べ物を得る
時ではないでしょうか。
金がなくとも、人に頼らずとも、畑や野や山や川や海から食べ物を得る術
を知っていれば生きる大きな自信になります。戦争や災害や経済破綻の時
でも、うろたえないための安心の支えになります。
たとえベランダの鉢植えでも良いから、採りたてのネギの美味しさに
目覚め、ネギに愛情を感じて欲しいと思います。
買ってくるネギの方がずっと見栄えも良く安いはずです。
しかし自分で作ったネギの方が、よく育ってくれたなあという感謝も込めて、
心の底から美味しいはずです。これが分かる人がアリ族です。
金を稼ごうとすると、否応無く競争社会に足を踏み入れることになります。
人と人とがバラバラになり、子育ても介護も、煩わしい余計な仕事になります。
少子化が進み、ロボット化が進み、生命の喜びは無くなります。
一方、食べ物そのものを育てようとすると、人手が必要となり、人が集
まってきて、それが喜びにもなるのです。子育ても介護も、命の循環の喜びに
なります。江戸時代のように、貧困ではない貧乏人が沢山増えることになるで
しょう。
上杉鷹山の藩改革の骨子は、分業化に慣れきった士族に対して、
農業の大切さを説き、食べ物を自分で育てることを強いたことです。
「自分で育てた食べ物を食べる」ことの重要性を、特に子どもに教えて、
たくましく優しいアリ族に育てたいと思います。
「命の農業」 (3) _ 有機米をただの商品にしてはならない
2024-07-11
「命の農業」、今日は(3)章をお届けします。
(3)有機米をただの商品にしてはならない
(3)有機米をただの商品にしてはならない
有機米は、単に食べて安全な米というだけではなく、有機肥料という
命の循環から生まれた農作物であり、草取りなど手間のかかった“行”
としての成果です。
これを普通の商品として簡単に金に代えてしまってはいけません。
金持ちが大金を積んで来たとしても断固断わって、その価値が分かる
人にだけ売って欲しいと思います。
人が生きるのに絶対必要な仕事があります。
食料・エネルギー・医療・教育・保育・介護などで、これを実業と呼ぶ
ことにします。この実業で得たお金には、汗と心が詰まって
いるので、これを“命の金”と呼ぶことにします。
一方、株・カジノ・麻薬・武器・石油・保険・ネットなど仕事は、
自然の命の循環とは無縁なもので、これを虚業と呼ぶことにします。
この虚業で得たお金には、心がこもっておらず、
狐がくれるようなものなので、 これを“木っ葉金”と呼ぶことにします。
株の売買で利益を得ようとする人達は、株価が上昇していると安心
して利益を得ることができます。このため常に経済が成長し
国民総生産 GDP が増加することは良いことだという神話が生まれました。
次から次へと虚業が開発され、流通する金の増大に応えて国債という名で
紙幣が無制限に印刷されてきました。
この結果途方も無い所得格差が起こっています。
そして巨大な木っ葉金で、人間が生きるに必要な食料やエネルギーや
医療や教育などを蹂躙(じゅうりん)しています。
これが現代社会の病気の根本的な原因です。
木っ葉金で、冬のさなか一箱 100万円のサクランボを買うのは、
どうぞ好きにして下さい。
また人工の光と化学肥料による水耕栽培の産物や、海外からの輸入食品
を買のも自由です。
しかし有機米のような命の農産物を、木っ葉金の餌食にしてはいけません。
命の金を集結して、有機農業を支える仕組みを作りたいと思います。
福島県喜多方市熱塩加納町は有機農業の里として、
学校給食を中心に地産地消の地域づくりを30年来行ってきました。
今後どのような困難な時代になっても、ここだけは自活可能な、
どっしりとした安心の地域になってゆくものと思います。
今の政治家は自民党だけでなく野党も広く木っ葉金に汚染されて
います。何か問題が起こるとすぐに木っ葉金を配ろうとします。
農業問題も効率化だと称して大規模農場整備に木っ葉金を配っています。
命の農業の再生を、近頃の政治家に期待するのは望み薄だと思われます。
選挙で選ばれる政治家は、国民以上には賢くなれません。