ワクチン副作用、初の補償せよの判決。
2022-09-20
新型コロナウイルス感染症のアストラゼネカ(AZ)ワクチン接種後、
病院で脳疾患の診断を受けた30代の男性に政府が補償すべき
だという裁判所の判決が出た。新型コロナウイルス感染症ワク
チンの副作用被害に対して政府が補償すべきだという判決が
出たのは今回が初めてだ。
ソウル行政裁判所行政6部(裁判長イ・ジュヨン)は9月20日、
30代男性A氏が「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種被害
補償申請を拒否した処分を取り消せ」と疾病管理庁長を相手
取って起こした訴訟で、最近原告勝訴判決を下したと明らかに
した。
A氏は昨年4月末、AZワクチンを打って翌日熱が出た。
翌日にはめまいや足のしびれなどの症状が現れ、大学病院
の救急室を訪れた。病院はA氏に異常反応が発生したと保健所
に申告し、追加検査の末に脳内出血と大脳海綿奇形、単発性
神経炎の診断を下した。A氏家族は診療費337万ウォン(35万円)
と介護費25万ウォン(2万6千円)の被害補償を申請したが、
疾病管理庁は予防接種被害補償専門委員会の審理の末、
「A氏が診断された脳内出血などとワクチン接種の間の因果
関係が認められない」と受け入れなかった。疾病管理庁は、
A氏の脳磁気共鳴画像装置(MRI)撮影映像で、海綿状血管
奇形が発見されたが、一方足のしびれは海綿状血管奇形の
主要症状である点に照らしてワクチン接種と疾病の間に因果
関係があるとは見難いと判断した。A氏は不服として2月に
訴訟を起こした。
裁判所は「A氏の症状とワクチン接種の間に因果関係がある
と見るのが妥当だ」とし「疾病管理庁の処分は違法だ」と判断
した。裁判所は「A氏がワクチン接種前に非常に健康で神経
学的症状や病歴も全くなかった」とし「ワクチン接種翌日に頭
痛と発熱などの症状が発生したが、これは疾病管理庁がワク
チン異常反応として言及した症状」と述べた。
それと共に「A氏の脳に血管奇形があるという事実が確認さ
れたとしても、正確にいつ発生した血管奇形なのか分から
ず、ワクチン接種前にそれと関連したいかなる症状も発現
したことがなかった」と説明した。
疾病管理庁は裁判所の判決に不服して控訴した。裁判は
まだまだ続くことになりそうだが、その行方に大きな関心が
集まっている。それまで完全に元気だった人がワクチン
接種の翌日から体がおかしくなってもなかなかワクチンとの
因果関係が認められることはなかった。
今回のA氏の訴訟によって、副作用被害の人々に救いの灯
が燈ってほしいところだ。