専門家会議会長尾身茂博士のインタビュー記事を拾いました。
長文なので貼りません。
リンク先で読んでください。
尾身博士は菅首相が五輪開催について国民への説明責任を果たさなかったと言ってます。
五輪開催を「普通ではない」というのです。
しかしワタシはこれを聞くと、逆に聞きたくなります。
それでは専門会議はなぜ五輪開催が問題なのか説明したのでしょうか?
五輪開催を「普通ではない」という根拠は何でしょうか?
東京オリンピックの開催直前まで、実効再生産数は上がり続けおり、感染者も激増を続てけていました。
だから専門家会議が感染拡大を心配するのはわかります。
しかし当時、オリンピック以外のスポーツイベントは有観客で行われていました。 プロ野球のオールスター戦では、観客席での酒類の販売も行われていました。
またオリンピックの予選や、甲子園の地区予選も全国で有観客で行われていました。
ところが専門家会議はこれに対して一言も言っていないのです。
またオリンピックを念頭に富嶽で行われたシュミレーションでも、観客がきちんとマスクをした場合、感染が増える確率は殆どゼロという結果も出ていました。
専門家会議はそれまで満員電車など様々な場所での感染拡大について、富嶽でのシュミレーションを示して、一般国民に注意を促してきました。
ところがオリンピックに関しては、富嶽のシュミレーションを完全にネグレクトしたのです。
なぜオリンピックに関するシュミレーションだけはネグレクトしたのでしょうか?
その理由を国民に説明したのでしょうか?
確かにオリンピックはプロ野球や甲子園などと違って世界的な祝祭です。
しかし世界的な祝祭であれば、それを中止するには世界中の人々が納得する理由を説明しなければなりません。
当時、日本の感染は深刻でしたが、しかしそれでも世界的には日本の感染者は僅少でした。
アメリカやヨーロッパでは人口比で日本より感染者数が一桁多かったのですが、しかしそれでも大リーグの試合やユーロ2020が満席で開催されていました。
だったら日本でもオリンピックは「普通」に開催できるはずです。
だからオリンピックが無観客で開催されたことをバッハ会長は「クレイジー」だと言いましたが、これは欧米人の「普通」の感覚でしょう?
日本国内では一般のスポーツイベントを通常通り行い、海外でも行われている。
日本の感染者は海外よりはるかに少ない。
オリンピックで感染が拡大するという科学的根拠は一切示さない。
日本は世界中にオリンピックを開催すると約束したのです。
その約束を果たせないというなら、相応の理由がなければならないのです。
しかしこれで菅総理はどうやって日本が約束を果たせない理由を説明できるのでしょうか?
尾身博士は専門家として菅総理に世界中の人々を納得させるこるような根拠を説明したのでしょうか?
オリンピック開催を待ち望んでいた選手たちや一般国民が納得できるような説明をしたのでしょうか?
当時の専門家会議の主張を見ても、今回の尾身博士のインタビュー記事でも、このような説明は一言もありません。
オリンピックに関して尾身博士が言い続けてきたことは「国民に自粛を求めているのにオリンピックを開催したら、メッセージが伝わらない」「気の緩みになる」なるなど、まったく根拠不明の精神論だけでした。
一方、専門家会議がこれまで提唱してきた感染リスク「三密」から言えば、オールスター戦や甲子園予選がオリンピックより危険だと根拠はどこにもありません。
また常識的に国民の気持ちからしても、一般のスポーツイベントが普通に行われていても気は緩まないけれど、オリンピックを開催したら気が緩むというのもなんとも奇妙な話です。
しかし尾身博士はこの論理で、今も菅政権のオリンピック開催を非難し続けているばかりか、バッハ会長のパラリンピック開会式出席まで非難しました。
国会で「バッハ会長が出席すると、気が緩むからリモート出席にしろ」と言ったのです。
だったら何で国会もリモートにしろと言わなかったのでしょうか?
国会はこれまでずうっと議員がマスクをしているぐらいで、議員の席を離すなどの処置もとらずに通常通り行われて、それがそのままテレビで中継されてきました。
4年に一度の大イベントでその会長の挨拶をリモートにしろとまで言うなら、国会だって「リモートにしろ」というべきでしょう?
国会は通常通り開催しても良いけれど、バッハ会長はリモート出席にするべきだという理由を、尾身博士はバッハ会長に説明できるのでしょうか?
さらに言えばオリンピックの後、愛知県のロックフェスティバルなど、スポーツイベントより更に感染拡大の危険性の高そうなイベントも開催されたのですが、しかし専門家会議は沈黙しています。
こうなるとホントに尾身博士の反オリンピックの根拠は全くわからなくなります。
そもそも専門家が、現実に人が接触して感染の拡大の危険性のある有観客のスポーツイベントやロックコンサートよりも、無観客で行われたオリンピックを問題視する理由が全くわかりません。
現在の科学では「気の緩み」のようなモノを客観的に評価できません。
なぜなら科学というのは客観性と再現性があって初めて成り立つのですが、しかし尾身博士の言う「気の緩み」にはそもそも明確な定義さへもないのすから、それを客観的に測定する方法などあるはずもありません。
これではオリンピックで「気が緩んだ」かどうを科学的に評価することなど全く不可能のです。
だから尾身博士の言う事は完全な精神論、尾身博士の主観による精神論なのです。
感染症の専門家として科学者としてこんなモノを振り回してよいのでしょうか?
ところがこのインタビューを見れば、今もこの精神論を振り回して菅総理を非難していいるのです。
しかもオリンピック開催が感染拡大につながらなかった事は、既に明白になっているのにです。
ワタシはこの記事でこの人に完全に幻滅しました。
元々ワタシは尾身博士を高く評価していました。
2020年初めて、コロナパンデミックが世界を襲ったとき、多くの国が安易に大量のPCR検査を行いました。 しかしこれは感染防止にはならず、事態を混乱させたり、甚だしきはPCR検査会場に大勢の人が押し掛けて、それが感染拡大の原因になったりしました。
しかし尾身茂博士の率いる日本の専門家会議は、極めて冷静に感染拡大の原因を分析し、三密の回避という方法を推奨しました。
またPCR検査を症状の出た人に絞り、感染者が出たら濃厚接触者を探して、PCR検査を行い、その人達を隔離していくという方法を採用しました。
これは大成功で、後に多くの国がこれに追随しました。
ここまでは完全な大成功です。
しかし問題はこの後です。
濃厚接触者の追跡始め、感染者の隔離や重症者の入院まで感染者の管理が全部保健所にゆだねられていた事から、2020年5月には保健所が疲弊してしまいました。
専門家会議の記者会見で尾身博士自身が「保健所が非常に疲弊している」言っていました。
保健所の人員は限られていますから、少し感染者が増えたら対応不能になるのは自明でした。
それでも6月から感染者は減少して、8月になると殆どいなくなりました。
それで政府は感染対策から経済復興への舵を切ったのですが、それでGO TOを始めたのです。 しかし尾身博士はこれにも反対していました。
感染拡大の危険性だけを考えればそれはわかります。
しかし感染拡大の危険性を考えたら、5月の時点で専門家会議の考えた方法は限界だとわかっていたはずです。 第2波以上に感染者が増えれば濃厚接触者の追跡など全く不可能だし、医療逼迫も深刻化するのは自明でした。
だから感染の拡大を心配するなら、GO TOに反対するだけでなく、保健所が仕切る感染者管理をやめて開業医を動員できる体制を作るなど、感染防止体制を根本から変える事を提言するべきでした。
また本当に感染が最悪化すれば海外と同様のロックダウンや民間病院へのコロナ患者受けれの強制なども必要になります。
全てを「お願い」しかできない現行法では対応不能なので、緊急事態での私権制限を可能にする法整備を提言するべきでした。
しかし現実に専門家会議がやったことは真逆で、東京都始め多くの都道府県が隔離用のホテルの契約を解除したり、感染者用に確保していた病床を減らすなど、むしろ医療の縮小に入ったのに、これに全く反対していません。
沖縄県など隔離用ホテルをゼロにしてしまったのです。
各都道府県もこうした判断には専門家会議が関係したのにです。
これを見れば専門家会議はこの時点で「コロナは完全終息、リバウンドはない」と判断したとしか思えません。
だったら疲弊した観光地の経済を活性化するためのGO TOに反対する理由はないはずです。
そしてこの状態で第3波を迎えたのですから、当然一気に医療逼迫が深刻化します。
勿論保健所による濃厚接触者の追跡など全く不可能になりました。
ここで最初に専門会議が構築した感染対策は完全に破綻したのです。
コロナは未知のウィルスですから、専門家と雖も判断を誤るのは仕方ありません。 ワタシはそれを責めてはいけないと思います。
しかし判断を誤ったのなら誤った事は認めて、現状に対応するための方策を提言するべきでした。
しかし尾身博士も専門家会議は、それでも感染者対応の体制の変革は一切提言せずに、代わりに「気の緩み」など精神論だけを唱えるようになりました。
一体これは何なのでしょうか?
結局専門家会議は医師会など仲間内には負担をかけたくない、マスコミや野党の反感を買って攻撃されるようなことも言いたくない、自分達の最初の作戦が破綻した責任も取りたくない、そもそも自分達の最初の作戦が破綻した事を認めたくない、だからひたすら精神論を唱えて、政府に責任を転嫁しているのではないでしょうか?
だからマスコミと野党に追随してオリンピック開催にも反対しつづけてたのではありませんか?
そしてこの記事を読む限り尾身博士は、菅総理が退陣に追い込まれたことで、その責任転嫁に成功したとほくそ笑んでいるとしか思えません。
尾身博士は元来天然痘の撲滅などにも功績があって、中国の横槍がなければテドロスではなくこの人がWHOの会長になっていたと言われる人です。
だからワタシも本当に期待していました。
しかしこういう態度を見ると本当に幻滅します。
逆に言えば、首相というのはこういう振る舞いをする連中も容認して、全ての責任を自分が引き受けなければならない職務だという事でしょう。
そして菅首相は見事にその職責を果たしました。
だからひたすら自分達の責任逃れに走る専門家会議の提言を無視して、科学的根拠のないオリンピック中止などせずに日本の国際的な地位を守りましました。
そしてワクチンの迅速な接種で、感染も終息させたのです。
日本は現在もなお一週間毎に感染者が半減しています。
このような完璧な終息状態を続けている国は、現在世界中の日本一国です。
尾身博士の醜態を見るにつけても、菅首相に感謝します。