マット・ウォルシ、WPATHの知られざる暗い過去を暴露
この間もちょっとお話したこのThe WPATH Filesというリポートは凄まじいスキャンダルだ。WPATHとはthe World Professional Association for Transgender Health の頭文字。これはトランスジェンダー医療に関するガイドラインを決めている国際組織で、会長は自らも男から女へのトランスジェンダーである外科医、マーシー・バワーズ医師。このリポートはWPATHから流出した情報を元に、WPATHがどれほど悪質な組織であるかを暴くものだ。
このリポートは242ページもあり、月曜日に発表されたばかりなので、とてもとても一度にすべてをご紹介することはできない。それで本日はマット・ウォルシのポッドキャスト(The Secret History Of WPATH, The Perverse Cult That Pushed Gender Madness Into The Mainstream | The Daily Wire)で紹介されたWPATHという組織の知られざる暗い過去についてお話ししたいと思う。
WPATHといえば、性転換治療のにおいて世界各地のジェンダークリニックが指導を仰ぐガイドラインを制作していることで知られている。しかしながら彼等のいわゆる「ガイドライン」は医学に基づいたものではない。テネシー州による子どもの性転換治療禁止法は違憲であるとACLUが訴えた際、州の医療機関が元にしていたWPATHのガイドラインについて第6巡回控訴裁は、WPATHが自らも認めているように、思春期ブロッカー剤や異性ホルモンを子どもに投与した結果生じる『長期的な身体的、心理的、神経発達的転帰』に関する『限られたデータ』しか提示していないことを指摘し、禁止の法律を合憲と認めた。しかしこのWPATHファイルによれば、WPATHのデータは「限られた」などというレベルではないことが解る。
ではここでWPATHの歴史を振り返ってみよう。
WPAHの前衛はErickson Educational Foundation (EEF)という名前で、創設者は性違和を持つレズビアン女性リタ・エリクソンとその友人ゼルダ・スプリー。エリクソンは1917年にテキサスの大富豪の娘として生まれた。リタは名門お嬢様学校を卒業後エンジニアとなり、両親亡きあと稼業を継いだが、そののちビジネスを売却しさらに大金持ちとなった。
1963年、父の死後リタは女性から男性へのトランスを試み、ハリー・ベンジャミンという医師の元でFtMとなり名前もリード・エリクソンと改名した。その後エリクソンはトランスジェンダリズムを主流化するために大金を注ぎ込む力となったのだ。
1964,「……身体的、精神的、社会的に不利な条件によって人間の可能性が制限されている分野や、研究の範囲が新しすぎたり、論争的であったり、想像力に富んでいたりして、従来型の支援を受けられないような分野に援助と支援を提供する。」という目的でエリクソンはEEFを設立。
しかし彼女自身は麻薬中毒になり年と共に精神的にも身体的にも劣化し、娘が後見人を務めるに至った。しかしその間にもエリクソンのパートナー、ゼルダ・スプリー(女性)はEEFの運営者として整形手術中心のトランスジェンダー治療を続けた。
スプリーはヌーディストであることで有名でプレイボーイで初めての全裸写真のモデルとなった人だ。彼女は全国から過激派の医者を集め、旅費や支援金を払って、整形手術中心のトランスジェンダリズムを国中にひろめさせたのだ。EEFはあの悪名高きジョン・マネー博士のことを崇拝していた。
EEFは1977年ジョナスインフォーメーションファシリティー(JIF)と名前を変え、EEFとしての活動は停止した。しかしJIFがその活動を引き継ぎ、ゼルダ・スプリーはそのままJIFで活動をつづけた。JIFは性違和を持った患者に整形手術をする医者を紹介する施設となった。スプリーと共に、ジョン・マネー博士の元同僚のテキサス大学ポール・ウォーカー医師が性転換手術の主流化のために働いた。
しかしこの極端な手術の結果は全く良好とは言えなかった。手術による合併症があまりにもひどかったため、多くの患者が手術を後悔した。1982年、エールとケンタッキー大学が行った調査によると、術後合併症は、
この余りの酷さに、ある患者は外科医の男性器を撃ってやると脅迫したという。
私(カカシ)はこれを読んでいて非常に驚いた。この手術による合併症は、私が最近聞いた性転換手術体験者の話とあまり変わらない。しかしこの話は40年以上も前の手術結果なのである。
実は私はつい最近まで男性から女性への所謂性適合手術(SRS)というものを非常に簡単に考えていた。日本で最初に性転換手術をしたことで有名なのはカルーセル真紀さんだが、真紀さんがモロッコで手術を受けたのは1960年代後半だ。そしてその頃にはすでにモロッコでは男子から女子の性転換手術は行われていた。ということはMtF手術はすでに80年あまりの歴史を持つ手術だということになる。であるから私はてっきりこの手術は完成度がかなり高い手術であり、医学の発展により合併症などの問題点はすでにほぼ解決済みなのだと思っていたのだ。
ところがここ数年、手術体験者による恐ろしい合併症の話しをきくにつれ、SRSは安全でないどころか、完璧とは程遠い野蛮な手術であることを知った。何十年も歴史のあるMtFの手術ですらこれなのである。せいぜい20年くらいの歴史しかないFtMなどもっとひどいのは当然だ。(FtMのSRSにおける合併症発生率は60%と聞いている)
正直完璧な性適合手術など存在するのだろうか?私にはとてもそうは思えない。
1979年、EEFの基金からの支援を受けハリー・ベンジャミン医師がthe Harry Benjamin International Gender Dysphoria Association(国際性違和協会)を設立しJIFの運営を引き継いだ。会長は前出のウォーカー博士。ベンジャミン医師はエリクソンから年収1万8千ドル(今なら17万6千ドル)を得ていた。
そしてハリー・ベンジャミン協会はすぐに「医療基準・スタンダードケア」というガイドラインを発表。数々の失敗例を無視してこの道の専門家を気取ったのである。しかしそれでもその時は、性転換治療は大人だけとしていた。その理由は子供には同意する能力がないからという理由。
2000年、ハリー・ベンジャミン協会の初期のウェブサイトは、同協会の初期メンバーの一人で、同協会のスタンダードケア委員会の委員を務めていたアン・ローレンス博士が運営する「Transexual Women’s Resources」という別のウェブサイトと提携していた。ローレンス博士は自他共に認めるオートガイナフィリア(AGP)であり、現在もその傾向が続いている。ローレンス博士は論文の中で、AGPは「過小評価されている」性嗜好であると述べている。
ローレンスほど自分の性癖に関して正直な人もいない。1999年、ハリー・ベンジャミン協会がリンクしているサイトでローレンス博士はいかに「入れ物」になりたかったかを書いている。その例として、SRSを受けた後に医者がダイアレーターを試した時の体験話があるのだが、小さい順に試してみて最後1-1/4インチのものを試した時の感想はというと、、
1997年、ローレンスは婦人科の医師が診察室を一時去った後、意識のない女性患者の局部を無断で勝手に「診察」したとして勤めていた病院を辞任している。
いったいどれだけの「トランス女性」が単に自分を女性としてみることで興奮する性癖を持っただけの男なのだろうか、とウォルシは問う。さらにいうなら、どれだけの女性器を単に「容れ物」とみているような男たちが女性や女児のトイレや更衣室への立ち入りを許されているのだろうかと。
ローレンス博士はこのような気持ち悪い体験談を公開したにも関わらずハリー・ベンジャミン国際性違和協会のために「スタンダードケア」とは関わり続けた。彼は2001年に発表された第六版の基準の共同著者である。これは2007年に同組織が現在のWPAHとなる前の最後の改訂版だった。
WPATHと改名後も、同団体は同じ過激なジェンダー概念を促進し続けた。2012年にWPATHの名前で発表され2022年まで使われていたスタンダードケア七番目の改訂版には、かの悪名高いジョン・マネー博士や自他ともに認めるAGP容れ物男のローレンス博士の論文が引用されていた。
ほんの去年までWPATHはEEFとしの起源や1977年に活動停止した後、そのままハリー・ベンジャミン国際性違和協会が生まれ、それが今のWPATHとなった歴史を自慢げに公表していた。
このようなおどろおどろした恐ろしい過去があるにも関わらず、何故かWPATHは今やトランスジェンダーの権威として医療機関から仰がれる存在となってしまったのである。
ウォルシも言うように、WPATHが権威ある医学組織であるという詐欺行為にいつまでも我々が騙され続ける必要はない。医者も病院も保険会社もその道の専門家たちはWPATHを詐欺団体として拒絶すればいいのである。これまでにも一時期は医療として受け入れられていた治療法が、後に科学的根拠のない野蛮な治療としてどんどん廃止されていったのと同じように、トランス医療などというインチキ医療もいい加減廃止されるべき時代が来たのだ。
これまでほとんどの人がWPATHの歴史を知らなかった。多くの人は子供たちにこんな野蛮な治療が施されていることすら最近まで知らなかった。しかし、WPATHが如何に科学に基づかない詐欺団体であったかが解った今こそ、この野蛮な行為を全面廃止する時が来たのだ。
過去にも何度か書いているが、私(カカシ)は前々から性同一性障害の治療が性適合手術であるという考えに懸念を抱いてきた。これは子供だけではなく、大人にも言えることだ。性別は変えられるという概念そのものを撲滅すべきである。そして性転換手術は大人でも全面的に禁止すべきである。