結果はこれです。
そしてこの合意を理由に、補正予算案に賛成してしまいました。
補正予算案への賛否は、現在国民民主党が持っていた唯一のカードなのですが、この紙切れ一枚でこれを切ってしまったのです。
この紙切れを喜んでいる人は沢山いました。
そもそもタマキンとライオンキング(榛葉幹事長)が大喜びしているのだから、仕方ありません。
けれどもワタシはこの紙切れには、殆ど意味がないと思います。 なるほどこれだけなら、自民党は国民民主党の減税案、基礎控除178万円までの増額も、またガソリントリガー条項の発動も呑んだとも受けれます。
しかし一読してわかりますが、どちらについても実施時期が明記されていません。
一、いわゆる「103万円の壁」は、国民民主党の主張する178万円を目指して来年度から引き上げる。
この文章では基礎控除を来年から毎年一万円ずつ引き上げて75年後に178万円にしても問題ないのです。
これでは減税としての効果は殆どありません。
一、所謂ガソリン暫定税率は廃止する。
これも廃止の時期は明記されていません。 だからこれから半世紀の廃止でも無問題なのです。
上記の各項目の具体的な実施方法については、引き続き各関係者間で誠実に協議を続ける。
イヤイヤ、誠実に協議を続けて意味があるのは、誠実な人間を相手にする場合だけです。 自民党の森山幹事長が誠実な人間だったら、そもそも石破内閣なんて成立していないし、森山だって幹事長なんかになっていません。
一方国民民主党は28議席しか持たない少数政党で、それが石破内閣の生殺与奪を握る事ができたのは、現在の衆議院の議席数から、補正予算案を成立させられるかどうかは、国民民主党の意思一つに関っていたからです。
しかし森山幹事長とすれば、これでタマとライオンキングをアッサリと騙して、補正予算案を衆議院通過させてしまったのですから、あとはもうタマとライオンキングなんかどうだって良いのです。
今後も国会では色々な法案の採決が続くし、更に来年度予算案も審議も続きます。
しかしそれまでにはそこそこ時間がありますから、立憲民主党や維新の会などを抱き込んでいけば良いのです。
立憲民主党も維新の会も、更には共産党さへも、減税には消極的です。
彼等はそれぞれの支持者に「アンタに約束した政策が成立したぜ」と言える事が第一です。 更に維新会は万博を人質に取られています。
だから万博に予算をつけてくれるとか、維新の掲げてきた教育無償化をやらせてくれるとかなら、自民党と組む事だって十分できるのです。
10月27日の選挙では公明党ともめたのですが、しかし参議院選挙は6月ですから、それを目指して和解する事も可能でしょう。
時間は自民党の味方。
これが自民党側の読みでしょう。
先日、ワタシは高橋洋一とタマキンの長時間の会談動画を紹介しました。
高橋洋一は2年余り前から、タマキンの減税政策を全面的に支持して、色々とアドバイスしてきました。
そしてこの時も、仕切りにタマキンに発破をかけていました。
でもチョッと気になった事があります。
高橋洋一は「減税と補正予算に関する議論は、国会でやれ、自民党税調内ではやらせるな。」「国民民主党の要求を完全に呑むまで、補正予算案には賛成するな。」と言い続けたのです。
ところがこれに対するタマキンの返答がどうも歯切れが悪かったのです。
この対談が12月6日ですから、今にして思えば、この時期既にライオンキングとタマは増税モンスターに篭絡されていたのではないかと思います。
増税モンスター達は、とりあえず国民民主党の要求を呑んだように見せかけて、最初に紹介した紙切れのように実効性ゼロの空証文を与えて、とりあえず補正予算を通したのです。
タマキンもライオンキングも人が良いのか、馬鹿なのか、まんまとこれに嵌められてしまったのです。
ライオンキングはイスラエルのヘブライ大学に留学しているんだから、少しはユダヤ式の強かさを学んでいると思ったんですけどね。
とにかくこれで二人は国民民主党の要求を呑ませるたった一枚のカードを溝へ捨ててしまったのです。
けれども国民に全く希望がないわけではありません。
と、言うか自民党が自滅に向かっているとしか思えないのです。
自民党はこれで国民民主党他、他の野党も次々と篭絡して、防衛増税を皮切りに大増税を目指しているのです。
これはもう驚異としか言えません。
民主主義国家で、少数与党に転落した政党が、更なる増税に狂奔した例って歴史上存在したのでしょうか?
ところが自民党は前回の選挙で大敗して尚、増税を叫ぶのです。
どうやら自民党は完全に増税モンスター軍団に乗っ取られて、誰もこのモンスター達を調伏できない状況のようです。
宮沢洋一始め増税モンスター達は、財務省と組んで予算を握った事で、自民党内では大きな力を持っていました。 それでも安倍総理の存命中、菅総理が健康な間は、二人の力でその存在自体を封印されてきました。
ところが安倍総理が亡くなり、菅総理が病気で倒れ、もうこのモンスター達を封印したり調伏したりすることのできる人はいなくなったのです。
そこでモンスターは自民党の正面に出て来て大暴れをし始めたのです。
このモンスター達は自分達が選挙で選ばれたという事を忘れているのでしょう。
だって2012年の政権交代以降、自民党は連戦連勝を続けたのです。 それは国民が安倍総理の政策を支持したからです。 安倍総理の下での選挙なら自民党から出馬すれば、増税モンスターでも関係なく当選したのです。
でもこの間にモンスター達は、自分達が当選できた理由を綺麗に忘れて、そもそも選挙自体を綺麗に忘れてしまったのでしょう。
そして自民党が大敗した10月27日の選挙でも、落選した犠牲者の多くが安倍派だった事から、むしろ党内の敵を抹殺できたことで舞い上がっているのです。
だからもう自民党内には彼等を抑制する人は誰もいません。
しかしどこの世界に増税を喜ぶ有権者がいるのでしょうか?
だからマトモな総理なら、次の選挙の為に、こんな連中は封印していたのです。 けれども現在の総理はマトモではないので、彼等を封印できません。
それでモンスター達が白昼堂々跳梁跋扈している状態なのです。
この状態で次の参議院選挙を迎えたらどうなるか?
もしこれで衆参同時選挙にでもなったら?
今度こそホントに自民党の息の根が止まります。
でも増税モンスター以外はそんなの真っ平だろうし、増税モンスターの城となった自民党に留まらなければならない理由もありません。
それまでには色々な動きがあるんじゃないかと思います。