志位和夫「中国の軍事大国化に対し、こちらも軍事で対応すれば悪循環で危険。外交的な批判をすべき」
立花孝志「志位さんは『話し合え』と言うが、相手はしっかりとした武力を背景にしなければ、話し合いに乗ってくる相手ではない。相手の武力の合わせた自衛力を持つ事が生命・財産を守る為に必要」
昨日の日曜討論での論争です。
ワタシは全面的に立花氏を支持します。
武力ではなく話し合いで解決するべき。
これは理想です。
ワタシも戦後生まれですから、学校でも新聞やテレビなどのマスコミ報道でも、ひたすらこの理想を教え込まれてきました。
またこれは一般の日本人の日常感覚、日常生活での対人関係をトラブルの解決法でもあります。
普通の日本人は他人ともめたときにはひたすら話し合いをします。 幾ら相手の言い分が理不尽でも、自分から暴力を使えば犯罪になりますし、逆に相手が暴力に訴えてきたら、警察を呼べばよいのですから。
こういう日常生活が定着しているので、中国とも「話し合えばよい」という意見が、一定の支持を得続けたのだと思います。
しかし国際社会の現実は、日本人同士のもめ事とは違うのです。
今、中国共産党政権はウィグル人のジェノサイトを行っています。
志位氏の言う通り、中国との問題が全て話し合いで解決できるのなら、何でウィグル人はジェノサイトに遭っているのでしょうか?
ウィグル人はちゃんと中国と話し合いをしなかったのでしょうか?
中国共産党はチベット人もジェノサイトしています。
既にチベット人の3分の1は殺害されたと言われます。
チベット人が大切してきた寺も大量に破壊されました。
ダライラマはこうした中国にいられずインドに亡命しました。
チベット人がこのような状態に追い込まれたのは、チベット人が中国共産党と話し合いをしなかったからでしょうか?
日本共産党は対中防衛の為の自衛隊の強化にも反対しています。
自衛隊を強化したら戦争になるというのです。
日本が武装を強化することで、中国が危機感を持つので、かえって戦争を招くというのです。
だったらチベットやウィグルは対中防衛の為の武力を強化したのでしょうか?
チベットやウィグルが中国共産党政権の危機感を煽る程の武力を持った事があるのでしょうか?
そういう事は全くありません。
チベットはダライラマの支配する国でしたが、これはバチカンのような宗教国家で、損な強大な武力など持った事はありません。
バチカンと同様、武力がない故に、ダライラマの宗教的権威と古来強かな外交で自国を守ってきたのです。
しかし中国共産党はダライラマの宗教的権威など認めなかったので、武力のないチベットはアッという間に侵略支配されて、ダライラマは亡命を余儀なくされ、亡命できないチベット人達はドンドン殺されているのです。
こうやって現実に近隣に、侵略支配されてジェノサイトに遭っている国があるのに、「話し合えばよい」というのはナンセンスです。
そして中国は現在、周辺諸国の多くと武力衝突を起こしています。
インドやベトナムとも紛争が起きています。
インドもベトナムも大変外交にはたけた国ですが、しかし中国が相手では武力紛争になるのです。
これをインドやベトナムが「話し合いをしなかったから」というのは無理でしょう?
逆に話し合えば戦争にならないというなら、戦争になったり侵略されたりした国は、話し合いをしなかったから悪いという事になります。
だから志位氏の理屈なら日本もドイツも第二次大戦についても、日韓併合についても全然反省する必要はありません。
日本が第二次大戦を起こしたのは、日本との話し合いを拒否した英米など連合国が悪いのであって、日本が悪いのではない事になります。
日中戦争も全部話し合いをしなかった中国側が悪いのです。
日韓併合も日本との話し合い拒否した李氏朝鮮側が悪いのであって、日本が悪いのではありません。
だから日本は全然反省する必要はないし、謝罪も賠償も必要ありません。
現実に現在ジェノサイトを行っているような国と話し合いが可能なら、ポーランドもフオランダもフランスも、ナチスドイツと話し合う事で第二次大戦を回避できたはずです。
それでも戦争になったのは、ヒトラーやナチスドイツが悪いからではなく、ちゃんと話会いをしなかった国々の責任という事になります。
トラブルは話し合いで解決というのは、確かに一般の日本人の日常生活の一般道徳にも生活習慣にも完全に合致します。
しかしそれは一般日本人には他人を暴力をふるう人間は僅少であり、何より暴力沙汰になれば直ぐに警察が駆けつけてくれると社会だからです。
でも国際社会に警察はいないのです。
中国は今もウィグル人を虐殺し続けているのですが、しかし国際社会では誰もこれを本気で止めようとしていません。
ウィグル人はだれにも助けて貰えないままドンドン殺されているのです。
だったらそういう状態にならないためには、日本が自力で武装するしかないのではありませんか?
そもそも幾ら「話し合えばわかる」と言っても、今現在人殺しを実行中の人間と話し合いをしようという方が異常でしょう?
「話し合い」というのはあくまで最低限の倫理道徳を持って、お互いの立場を尊重し合える人間同士でのみ可能なのであって、不都合な民族は虐殺するような相手との話し合いというのができるものなのでしょうか?
こういう至って当然の話を全否定する日本共産党やその仲間は一体何を望んでいるのでしょうか?
今回の総選挙では立花氏が、他にも大変すばらしい発言をしています。
本来ならこれは現在政権政党である自民党の岸田氏が言うべき事ですが、しかし逆に政権政党であるが故に、言えない面もあるのでしょう。
こういう事を考えると、自民党より右の野党、国防や安全保障や日本国民の生活を守る事を第一とする野党というのが必要だと思います。
理想を言えば外交や安全保障、国益の擁護などについて、現実的な政党が一定の議席を持って自民党と政権を争う形で、政権争いを続けるべきなのです。
しかし残念だけれど現在の野党の最大勢力は、今も共産主義の夢を追う極左政党です。
これ殲滅しない限り、本当の意味で安定した民主主義が実現しません。
これが実現するのはいつのことでしょうか?