暇空茜氏が東京都に出していた2021年度のWBPへの住民監査請求の結果が出ました。
WBPとは「若草プロジェクト」「BONDプロジェクト」「パップス」の三団体の事で、これらの団体は昨年暇空さんが住民監査請求を出したColaboと同様に、東京都から若年女性支援事業の委託を受けています。
結果は「問題なし」として請求人(暇空さん)の請求は完全に退けられました。
この問題を追っている方ならご存知とは思いますが、Colaboの監査結果も無茶苦茶ですが、とりあえず再監査と言う話にはなりました。
しかし今回は再監査にもなりませんでした。
一方、この3団体の事業報告書と会計報告書は、Colabo以上に酷く、そもそも若年女性支援の実態がほとんどありません。 また実績と呼べるものも皆無です。
しかし東京都の若年女性支援事業ではこの3団体もまたColaboと同様2600万円の委託費を受け取っています。
そこで暇空さんは事業報告書と、そして会計報告書を精査した上で、監査請求をしたのですが、東京都監査委員会は「監査の結果問題なし。 請求人の請求を退ける。」と回答したのです。
これは100%善意に解釈すれば「疑わしきは罰せず」でしょう。
そもそもこれらの団体は都から若年女性支援事業を委託されるに当たって、事業計画書を提出しています。 この事業計画書通りの仕事していれば、事業報告には問題がない事になります。
ところがこの事業計画書が最初から意味不明でした。
つまりこの事業計画書自体がポエムのようなモノで、実際にどんな支援をするのか?それによってどの程度の人数を救済できるのかなど、具体的な事が全く書かれていなかったのです。
だから実際にやった仕事がどんなにお粗末でも、都との委託契約に違反しているとも言えないのです。
そして事業その物が、全くのポエムである以上、その事業に使った予算もまた意味不明になるしかありません。
例えば「若草プロジェクト」は報告書の作成を朝日新聞系列の会社に依頼し230万円も支払っています。 総額2600万円の予算から230万円出すのですから、大変な出費です。
しかもここで作った言う報告書は、会計士に依頼しても20万弱でできるようなモノした。
しかしこれも監査委員会は問題にしていません。
要するに予算のこうした使用法を禁止するような契約ではなかったと言う事でしょうか?
簡単に言えば、東京都はこれら団体に若年女性支援事業の予算を「好きに使っていいよ」と言って渡したので、これらの団体が「好きに使った」事を、責められないのです。
それでもColaboだけが再監査になったのは、Colaboは若年女性支援事業を委託された4団体のうちでは唯一比較的具体的な事業計画書を提出しており、よって一番具体的な会計報告書を出したので、都の会計監査委員会はその齟齬を突っ込む事ができたのです。
しかしホントに「好きに使う」と言ってポエムの事業計画書しか出さなかった団体には、突っ込みようもなかったのです。 だってポエムと会計の齟齬なんてどう突っ込めばよいのでしょうか?
勿論、自治体がこんな契約をすること自体が大問題なのです。
実際、Colaboも含めて若年女性支援事業の委託は、都の規則もまた国の規則にも違反していました。
都の規則では1000万円以上の委託費を払う場合は、都財務局との相談や都知事への報告が必要だし、またなぜその団体に委託したかについての理由も明記しなければなりません。
しかしこの若年女性支援に関しては、このような規則を全部無視して、担当した都の福祉保健局の局長の裁量だけで、この4団体に各2600万円の事業が委託されていたのです。
東京都、福祉保健局は一体何でこんな馬鹿な事をしたのでしょうか?
これが最大の問題です。
ところが東京都側は、何とかこれを隠蔽したいのか、この2021年の予算に関わった福祉保健局の職員は全部、小笠原諸島などに転勤になったり、辞職したりしています。
勿論こんな出鱈目な話には、暇空さんが納得するわけがありません。 勿論この監査請求の経緯を見ていた人達も全く納得できません。
だから暇空さんはこの件に関しても住民訴訟を行うと宣言しています。
但し東京都も簡単には引き下がらないでしょうから、この訴訟は最高裁までもつれ込む覚悟だそうです。 そして裁判費用の総額は5000万円と予想しているそうです。
暇空さんの所に現在集まっているカンパの総額は8000万円弱です。 暇空さんはこの他に東京都庁に情報開示訴訟などをしているし、またこのWBPCに関連して、個人への名誉棄損裁判も抱えています。
だからカンパで集まったお金を全部使っても結構ギリギリかもしれません。
勿論、訴訟費用が足りなくなればまたカンパを募るだろうし、その時はまたカンパが集まるでしょうが・・・・・。
しかしこうしてみると住民監査請求と言う制度、そしてそれに関して住民訴訟制度の問題が浮かび上がります。
そもそもこのWBPC以前に東京都で住民監査請求が通った例は、舛添前都知事の公用車問題だけで、それ以外は全部却下されています。
理由は簡単で、これまで住民監査請求をしてきた連中の大多数が、これを政治利用と言うか政治ショーに使っていたからです。
例えば安倍総理の国葬に関して、東京都だけでなく日本各地の自治体に住民監査請求が出ました。 勿論これらは、全部却下されています。
だって国葬は内閣が決めた事で、費用も全額内閣府から出ています。
だから東京都などの自治体に監査請求するような物ではないのです。
それでもいくつもの自治体に監査請求が出されたのは、共産党など国葬に反対する政治勢力が、最初から却下されるのを承知で、支持者向けに「オレタチはこんなに頑張っている」とアピールする為に出したのです。
こんなのばかり出ては住民監査請求の意味はないのです。
住民監査請求は本来、住民がその自治体の予算の使途を明らかにすることを請求するモノです。
住民が納めた税金の使途を決めると言うのは、民主主義の根幹ですから、住民監査請求制度は民主主義の根幹なのです。
しかし、この本当の住民監査請求は大変です。
暇空さんの例を取ると、彼は昨年の夏からColaboの活動に疑問を持ち、都にColaboに関する情報開示請求を始めました。 そして開示された資料を読み解いて、Colaboの事業と会計報告書の出鱈目さに気づき、住民監査請求をしたのです。
暇空さんは非常に高い知性の持ち主で、しかも資産家で無職と言う立場なので、自分の時間と能力をフルに使ったのですが、それでも会計のプロではないし、また都の予算使途や都の行政規則などには全くの素人でした。
だからそういう物を自分で勉強しながらのアプローチでした。
一方、都オンブズマンや都の監査委員会など、本来、こうした都民を支援するべき立場の人達からは助言さえも得る事ができませんでした。 それどころか些細なミスで難癖をつけられて請求ができなくなったりしました。
それで結局最後には弁護士を雇って、法的な問題をクリアして住民監査請求を提出できたのです。
こういうのを見ると、もう常人がマトモに住民監査請求をすることなど不可能だとわかります。
だから住民監査請求を出すのは、パヨクばかり、しかも監査委員会に監査してもらうのが目的ではなく、監査を却下されるのを承知でパフォーマンスとして監査請求をするのです。
因みに住民監査請求の結果に不服、或いは住民監査請求が却下された場合は、住民訴訟ができるのですが、しかしこの住民訴訟は勝訴しても原告には一銭のお金も入りません。
前記の通り暇空さんは既にColaboの監査結果を不服して東京都を告訴しています。
そして他の3団体の住民監査の結果についても告訴予定です。
これらの訴訟には総額5000万円余が必要と想定されているのですが、しかし勝訴しても暇空さんには一銭も入りません。 都からのWBPCの支出が不当とされた場合、これらの団体から都にお金が戻るのです。
これは住民訴訟の理念からは当然の事ですが、しかしこれでは一般都民がこんな訴訟はできるわけがありません。
こうした問題を考えていくと、住民監査請求や住民訴訟は民主主義の根幹であっても、現実にはこうした行政相手の訴訟を行うのは、弁護士団体を抱えた共産党など特定の政治勢力ばかりと言う事になるでしょう。
こうした現実があるからこそ、行政側とすれば、共産党などやたらに訴訟を起こす団体にはひたすら忖度する一方、一般住民から住民監査請求を起こされる事など全く想定していないと言う事になるのでしょう。
WRPCの住民監査請求について、ワタシもネットで結構情報を追っていたのですが、それにつけても呆れるのは、この団体の出鱈目さです。
項目別の人数や支出の合計が合わないとか、毎年タイヤ交換費用を請求するとか、全く小学生の小遣い帳でもあり得ない程の出鱈目さです。
そもそも最初から出鱈目な支出や仕事ぶりを誤魔化そうと言う意思さへ見られません。
そして都はそれで予算を出し続けていたのです。
都にとってもWBPCにとっても暇空茜氏による住民監査請求は青天の霹靂だったのでしょう。
そして今もその霹靂を受け入れられないのかもしれません。
一方都議会でもこの追及が始まっています。
そして暇空さんは勿論訴訟を起こし最高裁まで戦う覚悟なのです。
更に厚生労働省の方も「Colaboの不適切会計」を問題にし始めているし、厚生労働省の「困難な問題を抱える女性支援に関する法律」の施行に関する有識者会議は止まったままです。
因みに都議会の追求の結果、福祉保健局が規則に反して都知事にも財務局にも相談せず、勝手に1000万以上の委託費を出した団体は実に13もあった事が判明しました。
暇空さんが見つけたのはシロアリのうちの4匹であって、実はもっと沢山の白アリが巣くっている事が明らかになってきたのです。
都庁と厚生労働省がこの白アリをどうするかは、我々日本人の意思の問題です。