マスコミがアベノマスクを叩くのは、アベノマスクの配布が始まった直後から、マスクが普通に出回り始めて、誰でも普通に手に入るようになったからでしょう。
それでマスゴミ脳では「アベノマスクは必要なかった」となってしまったのでしょうね。
しかしそれは違います。
アベノマスクの配布があったから、マスクが市中に出回り、誰でもマスクを手に入れる事が可能になったのです。
安倍総理がマスクの配布を決断したのは、当時マスクが不足して一般国民はもとより、介護現場や医療現場で働く人々の分も確保できなくなっていたからです。
一方このようなマスク不足が大々的に報道されたからか、マスクの買い占めに走る人々も出現しました。
その中には高値で転売目的の人々もいましたし、また毎日早朝からドラッグストアに行列して大量のマスクを買い占める老人達もいました。
コロナパンデミックでマスクの着用を奨励されたのですが、そもそもマスクなんて日常的に使うのは介護や医療現場で働く人ぐらいで、それ以外の人は風邪をひいた時など特別の場合にしか使いません。
それを毎日、使う事を奨励されたのですから、マスクの需要は跳ね上がり、市場から消えるのは当然なのです。
しかもそれに便乗して買い占めが横行したのですから、増産しても追いつかないのです。
そこれ安倍総理は国で布マスクを配布すると決定しました。
不織布マスクの方が感染防止効果が高いのですが、しかし不織布マスクは使い捨てですから、大量支給しなければ意味がありません。
でも布マスクなら洗濯すれば繰り返し使えるので、一人二枚程度あれば、暫く凌げるのです。
ところがアベノマスク配布が決定されたころから市場にマスクが戻りました。
しかもドラッグストアなど普段マスクを売っている所だけではなく、新大久保の韓流グッズ店とか全くマスクとは畑違いの場所でマスクを売り出したのです。
ワタシもそれまで近所のドラッグストアに行く度に、マスク売り場を見たのですが、しかしいつ行っても、綺麗に空になっていました。
それなのにアベノマスク配布が決まってからは、銭湯でマスクがもらえたり、ブティックでマスクを売っていたりするのを見かけるようになりました。
だからアベノマスクが実際に国民のところに届く頃には、もう普通にマスクを買えるようになっていたのです。
さらに言うとアベノマスクのおかげで、マスクをしない口実がなくなりました。
それまではそもそもマスクが入手不能だったのですから、マスクをしなくても無問題でした。
しかし政府がマスクを配布するとなると、マスクが買えないという事を口実にマスクをしないというわけには行きません。
実はワタシもこれでマスクを作り始めました。
マスクの着用が推奨されてから、you tubeの手芸や手作りの動画はみんなマスクの作りになりました。
それかあらぬかマスク用のゴム紐や、ガーゼ布、果てはミシンまでが品薄になりました。
しかしワタシはミシンも布などマスク制作に必要なモノは全部持っていたのです。
それにワタシは洋裁が好きで、自分のシャツやパジャマや袋物は自作しているのです。 だからマスクなんて簡単に作れるのです。
でもマスクは鬱陶しそうなので、ドラッグストアの棚にマスクがない事を幸いマスクの着用をさぼっていました。
しかし安倍総理から配布されるとなるとそうもいきません。
ワタシもマスクを作り始めました。
こんなわけで実際にアベノマスクが我が家に届く頃には、ワタシは既に銭湯でもらった不織布マスク数十枚と、色柄に凝って構造にも工夫を凝らした自作のマスクを10枚ほどを所有していたのです。
そして外出時にはその日の服装に合わせたマスクを着用するようになりました。
だからアベノマスクは実際には使っていません。
しかしなぜアベノマスクが配布される前に、マスクが市中に出回ったのでしょうか?
これで思い出すのがスウェトニュウスの「ローマ皇帝列伝」のクラウディウス帝の話です。
クラウディウス帝が即位して間もなく、ローマ市内で小麦が不足しているといううわさが広がり、小麦の価格が急騰しました。
この時、クラウディウス帝、帝国の穀物倉庫を整理して、品質の劣化した小麦を焼却処分しました。
これで小麦不足のうわさは雲散霧消し、小麦価格は平常に戻りました。
クラウディウス帝はスウェトニュウスの「ローマ皇帝列伝」では典型的な暗君として描かれています。
しかしそれでもこのエピソードはクラウディウスの功績として描かれれています。
クラウディウスは結局暗君になってしまったけれど、それでも元々はこのような優れた知性もあったのだとして描かれているのです。
それにしても皇帝が帝国の倉庫の小麦を焼却したら何で小麦の価格高騰が止まるのでしょうか?
それは古代ローマが完全な市場経済・自由経済の国家だったからです。
勿論、全ての商品の価格は市場の需給関係で決まります。
しかしそうなると投機も盛んになり、供給不足で先高が予想される商品を買い占めて値を吊り上げる者たちが出てくるのです。
ローマ帝国では私有財産は不可侵ですから、皇帝と雖もこうした買い占めを禁止することはできないし、まして買い占めた小麦を没収することなど絶対にできません。
しかしそもそも小麦価格高騰の原因が「小麦が不足する」といううわさなのですから、その噂を打ち消せば、小麦価格高騰は止まるのです。
そこでクラウディウス帝は、帝国の倉庫の整理を行い、品質の劣化した小麦を焼却処分することで、小麦不足のうわさが事実無根であることを国民に示したのです。
アベノマスクも同様ですね。
政府がマスクの配布に乗り出せば、マスクの入手に困る人はいなくなり、今後マスクの需要は一気に減ります。 だから市場でのマスク価格が暴落するのは必至です。
だからマスクを買い占めていた連中は、急いでマスクの投げ売りを始めたのです。
また早朝からドラッグストアに行列してマスクを買い占めようという馬鹿な老人もいなくなりました。
これでアベノマスクが実際に国民の手に届く頃には、マスクは普通に買えるようになっていたのです。
これがアベノマスクの意味なのです。
しかし更にアベノマスクにはもう一つ重要な意味があります。
それは前記のように政府がマスクを配布することで、国民全体に「マスクをしないわけには行かない」という空気を作ったことです。
実際、アベノマスク以降マスクの着用率は一気にあがり、それが今も続いています。
そしてこの後、欧米諸国でも政府や自治体によるマスクの配布が行われるようになりました。
スウェトニュウスならアベノマスクの成果を絶賛したでしょう。
しかし日本のマスコミはアベノマスクの意味を全く理解できず、代わりにアベノマスクが何百億円かかったとか、そういう事だけを延々と問題にし続けています。
この調子なら、朝日新聞や毎日新聞の記者にクラウディウス帝の小麦焼却処分の記事を書かせたら、それで小麦価格高騰が収まった事は一切評価せずに、小麦焼却にかかった費用が高すぎるとか延々と書き続けるでしょうね。
アベノマスクへの彼等の評価を見ればわかります。
現代日本の自称ジャーナリストには、市場経済が全く理解できないのです。
古代ローマ人でも市場経済に生きる人なら普通に理解できたことが、日本の自称ジャーナリストには全く理解できないのです。
これではアベノミックスを理解できるわけもないし、それ以外の経済全般を理解できるわけもないのです。
そんな連中の書いた記事を読む価値がありますか?